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第66話《原初の粒vs新型の神編 かみかみへのご褒美 ねこぴょこからのプレゼント》

マッドピエロ討伐のどんちゃん騒ぎが終わり、それぞれの日常へと戻っていくねこぴょこたち。

よろずやの窓口で相変わらず怪しげなコスプレに身を包む二柱だったが、今回ばかりは「ご褒美のプレゼント」を巡って冷や汗をかくことに——。

かみかみが一目惚れして選んでしまったのは、かつて二柱がふざけ半分で作ってしまった災厄級グッズ、黄金のハンドシャベル《砂場王》だった!

大自然を文字通り切り裂き、砂漠をピラミッドや津波に変えていく圧倒的すぎる暴走おもちゃ。その脅威をかみかみは難なく乗りこなし、まさかの才能を見せつける。

第66話《原初の粒vs新型の神編 かみかみへのご褒美 ねこぴょこからのプレゼント》


マッドピエロ討伐のどんちゃん騒ぎが終わり、ねこぴょこたちは41たちと笑いながら夜を明かした。


その余韻を抱いたまま、それぞれの《ごっこ生活》の日常へと戻っていく。


そして、青いねこの医者《ヤクのねこ神》ヨーニャは 、本体である41のまどろみに同調し、森の奥で半年の眠りについた。


ーーーー


ここは、よろずや。にゃんこシティの雑貨屋であり、最大のアミューズメントパーク。


店構えは昭和のタバコ屋のような窓口のあるトタン屋根の家。


窓口の横には、客の出入り用の勝手口のようなドアがある。

ドアは来店者のサイズや人数によって変わる。


空間拡張を施された店内にはフードコートやカフェテラスがある。

階上にはゲーセンやDISCO。

最近出来たVR遊園地も人気だ。


ーー


本業である雑貨スペースには、駄菓子屋のように並べられた大小のガラスケース。


中にはお菓子から食べ物。

インテリア雑貨、謎の道具、果ては実物大の車や重機、モビルスーツや旅客機までもが「手のひらサイズ」で収められていた。

売れたときには元の大きさに戻すのだという。


ーー


今日もねこにゃんとぴょこにゃんは窓口に腰を据え、街を眺めながら一日を過ごしている。


ーー今日もその姿は独特だった。


ねこにゃんはモジャモジャパーマのヅラに「ほっかむり」。

目がすっぽり隠れる大きなサングラスをかけ、布製の小さなマスクにヒラヒラのエプロン姿。


本人は給食のおばさんに変装したスパイのつもりらしい。


一方のぴょこにゃんは「このねこ探してます」と書かれたハチマキを締め、ねこにゃんとお揃いの小さなマスク。


丸いサングラスに白衣を羽織る。

怪しげな活動家風科学者コスである。


窓口には「悩み着せ替え当たる」の文字が書かれた木版が立て掛けられ、占い用らしき虫眼鏡が置かれているが、彼らを頼る者などいなくなってしまった。


ーー自業自得。


真面目に相談を持ちかけても最適解を出す工程で、ふざけシステムが優先的に発動するため、客は話の途中で怒り、呆れ、帰っていく。


二柱のクローンが真面目に働くほど、本体の彼らの評価は落ちていく。


にゃんこシティを建設し、ゾンビ状態の概念の神たちに《ごっこ教育》で自我を持たせた、この二柱の全知全能はすでに昔話となっていた。


話しかけるのは、かみかみくらい。


アムリアに《役立たず》と愛想をつかされてから長く経つ。


アムリアはアイドル店長として、よろずやを切り盛り。


今日もねこぴょこたちのクローンたちは、アムリアの指示に従って勤勉に働いていた。


ーー


ねこにゃん「誰もおりたちのコス、突っ込まにゃいよねー。」


ぴょこにゃん「つーか、目をそらされてるにゃん。」


ねこにゃん「見ちゃダメってなると余計に見たくなるもんなんじゃないにょか?」


ぴょこにゃん「二度見もされないにゃん。」


ねこにゃん「見向きもされないって切ないよねー。」


ぴょこにゃん「そんな言葉どこで覚えた?心にも思ってないだろ。」


ねこにゃん「マッドピエロの件で、いろいろアクセスして覚えたにゃん。」


ぴょこにゃん「エミで覚えたな?使いどころ違うけど学習したのはいいことにゃ。」


ねこにゃん「また、下界行きたいよにゃー。」


ぴょこにゃん「それより、41の謎残ってるにゃ。魂の形がおりたちに似た《粒》っておかしいだろ。」


ねこにゃん「それそれ。エスネコも気になる事言ってたし。厳重に封印してた。何から守ってるんだろにゃ?」


ーーーー


一方そのころ、よろずやの店内を忙しく動き回る小さな影があった。


かみかみ「どれにしよっかなー。やっぱりこれだよにゃー。」


かみかみは、ねこぴょこたちに憧れニルヴァーナからやって来た黄色いねこ。


その正体は世界樹の小枝の化身。


世界樹とは、かつて聖地ニルヴァーナで眠るエスネコから吐き出される毒から地球を守っていた森である。


エスネコを追って地球に来たアルファ(ねこにゃん)とベータ(ぴょこにゃん)も、かみかみの助けなくしてはエスネコを取り戻すことはできなかった。


そして、今回のマッドピエロ騒動でも41たちに不思議や祝福を与える重要な役割を果たした。


かみかみは、ねこぴょこたちの子供であるとともに、今は現実世界の41の飼い猫として暮らしている。


ねこにゃんとぴょこにゃんは、家族としてのお祝いと、お手伝いのご褒美として「欲しいものがあったら、何でもあげる」とプレゼントを約束していた。


ーー


かみかみ「やっぱり、これだお。これ欲しいって言おうっと。でもケース開かないし何て書いてあるのか読めないお。」


ーーーー


ねこにゃんとぴょこにゃんが41の謎について話してるとこに、かみかみがやってきた。


ーーねこにゃん「何か欲しいものあったか?」


ぴょこにゃん「おりたちの家族になったし、今回頑張ってくれたもんにゃ。ごほうびにゃ。好きなものプレゼントするにゃん」


かみかみ「これー!」


かみかみは走り出す。

欲しいものを見つけたのだろう。


かみかみ「こっちこっちー!これだおー!」


ねこにゃん「走るのはええなー。」


ぴょこにゃん「ねこの速度越えてるにゃんw」


ーーかみかみ「これほじい」


それはガラスケースに収められた金色のハンドシャベルであった。


商品名「砂場王」となっている。


ただ「非売品。触るな危険」と厳重に封印されていた。


金色のシャベル。

子供が砂場で遊ぶ時の小さなハンドシャベルである。


砂を掬う表面には左右対称に流線型の模様がある。

何かの「法印」を刻んでるように見える。


シャベルにしてはあまりにも神秘的なデザイン。

室内のインテリアとして置いてもおかしくないが、

ーー不似合いすぎる。


だが、一度は誰もが目を奪われる不思議なシャベルであった。


当然、かみかみは一目惚れである。


しかし何でも「好きなものプレゼントする」と言った、ねこにゃんとぴょこにゃんの表情は珍しく困惑している。


ねこぴょこ 《ヤバイもの見つかったー。よりによってこれかよー。》ーー心のうちが丸見えだった。


ねこにゃん「(´・ω・`; )えー…これなのー…。」

ねこにゃんの眉が潜む。


ぴょこにゃん「(´・ω・`; )えーとー。これ以外にしてくれないかにゃ?これはちょっとアレで…。」


ぴょこにゃんの言葉はモゴモゴ。

珍しく困っている。


かみかみ「( ;∀;)だって。何でもいいって、いったおー!これがほしい!これがほしい!これじゃなきゃやだ!」


だだをこねる、かみかみに、ねこにゃんとぴょこにゃんは「よろずや災厄級グッズ砂場王」について語り始めた。


説明というより説得。

諦めてほしいのが見え見え。


ーー果たして、かみかみを説得できるか?

二人とも自信はない。


それは二人のふざけすぎた大失敗を告白する事でもあった。


ねこにゃん「あのにゃ。これはだにゃ…。」

ねこにゃんが砂場王について語り始めた。


ーーーーーーー


かみかみがにゃんこシティに現れる前の話。


よろずやの裏には大自然のままの荒野が広がっていた。


二人はここを何か利用できないかと考えていた。


ーー


ねこにゃん「イチゴ畑か攻撃魔法実験場!」


ぴょこにゃん「イチゴ畑か重元素核融合炉!」


当初、二柱は、よろずやの裏に空地を作り、地球で獲得した各々の能力《魔のつくもの全て》と《マッドサイエンティスト》の力の実験場にしようとしてた。


ねこにゃん「イチゴ畑が同じ意見だにゃ。よろずやも雑貨屋だけじゃない。ごっこ教育には飲食も必要にゃん。作物でも作るか」


ぴょこにゃん「それいいにゃね。でもこの荒地開拓するのめんどいにゃん。ねこにゃん、ぱぱーっと魔法で作れにゃいんか?」


ねこにゃん「んーむ。それはできなくもにゃくにゃいけどさ。」


ぴょこにゃん「どっちよ?《魔》の力を、まともな事に使うのイヤなんでしょ?」


ねこにゃん「おまいこそ、テクノロジーで何か自動運転の重機作ったり、科学の力で土壌良くするとかできないにょか?」


ぴょこにゃん「んーむ。マッドサイエンティストとしてダメな気がするにゃ。」


ねこにゃん「お互い様だにゃ。まあ大規模な力使うにも細かいコントロール必要にゃん。簡単な事から試すにょさ。扱いやすいモノねー…。」


ぴょこにゃん「とりあえず掘るもの作ってみにゃいか?ハンドシャベルとか。イチゴの鉢植えとかにも使うし。オモチャとして店でも出せるし。ねこと砂場はワンセットだろ。にゃんこシティは子どもの概念たちもいるにゃん。」


ねこにゃん「ハンドシャベルね。かわいいにゃん。ゾンビねこたち用のトイレ躾グッズにゃ。シャベルだけに喋るとかわいいかもよ。」


ぴょこにゃん「ダジャレ機能付きか。やる気出てきたにゃ。」


ーーここが間違いの始まりだと言う事に二柱は気づかない。


最適解への工程《ふざけシステム》が動き出す。


そして、二人のシャベル製作が始まった。


ーー


ねこにゃん「素材どーするにゃ?」


ぴょこにゃん「おまいのハンマーと同じでいいんじゃにゃいか?」


ーーちなみに、

ねこにゃんの携帯武器は「ハンマー」


中性子星の物質でできている。

砂粒くらいで大型タンカーの重さがあるが、「重さ」は反重力魔法で消してあるため「固さ」のみ特性が残っている。


無から出し入れ自由。

攻撃の際は重さを開放するので攻撃されたモノは、間違いなくめり込まされる。


硬度を調製し、ピコピコハンマーとして突っ込みにも使えるが「つまらないにゃん」と、めり込まされた者も多い。


また、ぴょこにゃんの携帯武器は「スプーン」。


これも無から出し入れ自由。


形状は餃子のラー油をすくうスプーンに似ている。

剣ほどの大きさにもなるし、

片目を隠して視力検査にも役立つ。


ナノテクノロジーで最適化された合金で出来ている。

このスプーンは何でも「掬う」能力がある。


空間を削る。

揚げ足を取る。

足元を掬う。


さらに一度見たものの材質や形状に変化させられるナノ記憶合金でできている。


ーーーー


ねこにゃん「じゃあ、おまいのスプーンとハンマーの合金にするにょさ。何でも「掬う」能力と「固さ」を元に作っていけば掘れないモノないだろ。」


ぴょこにゃん「超電磁震動波とか入れようか?そしたら岩でも何でも粉々になるにゃ。砂にできるし。」


ねこにゃん「そしたら。おりの土魔法付与しよう。固めたり粘性強くしたりできる」


アイデアの上書きと更新によってハンドシャベルは完成の先を越えていく。


この賢いバカねこたちの、あーだこーだで生まれたのが「砂場王」だった。


ーー


ねこにゃん「ふぅ。こんなもんだろ。もう思いつかないにゃん。」


ぴょこにゃん「思いついたら足せばいい話にゃ。さっそく試してみるにょさ。」


ーー


ハンドシャベルの試し掘りの場所は、例のよろずや裏の荒野。


ーー晴天である。


ねこにゃん「あー。空はいい。実験日和にゃん。」


ぴょこにゃん「いーからwさっそく試し掘りするにゃよ」


ぴょこにゃんが軽く土にシャベルを刺した。


ーー《サク》


ぴょこにゃん「おー!滑らかにゃ!地面に抵抗なく刺さったにゃん!じゃあ掬い心地はどうかにゃ。軽ーく、くりっとね。」


《スパーーーーーーーーーン!》


ねこにゃん「ん?地面に線が?進んで行くぞ?」


ぴょこにゃん「…おり、何も力入れてにゃいよ」


砂場王が掬った地面がV字型に一直線に進んでいく。

そして遠くの山がV字型に切り取られていった。


《ーーザン!》


《ーーズゴゴゴゴゴーン》


遠くの山がバランスを保てなくなり崩れ落ちる。

土砂崩れのような音と地響きがした。


ぴょこにゃん「あり?掘れすぎ?」


ねこにゃん「下手くそだにゃー。おりに貸してみにゃ。これは持ち手のエネルギーや特性も取り込むように魔法組んであるにゃん。マッドサイエンティスト影響させたんじゃないのか?」


ぴょこにゃん「( ・`ω・´)おり、何もしてないにゃん。じゃあ、お手本見してみにゃよー。」


ねこにゃん「ふんっ。こんなもんは、まずリラックスしにゃいとね」


ねこにゃんは、くるくると砂場王を回す。


《ジッ》


ぴょこにゃん「(>_<")あちっ!」


ぴょこにゃんの肩から一瞬炎が上がり焦げていた。


ねこにゃん「え?おりか?ゴメン。」


ぴょこにゃん「…ねこ。おりは大丈夫。それより後ろ見てみろ。おまいがシャベルくるくる回した軌道が…。」


ぴょこにゃんの肩越しに一筋の赤銅色の線がどこまでも伸びている。


空を見上げると晴天の空を引き裂き、プラズマが発生していた。


ぴょこにゃんに後ろと言われ、ねこにゃんが振り向くとーー。


ねこにゃん「え?」


ーーよろずやは半壊していた。


ぴょこにゃん「…おまい、ビームとか出せるようにしたにゃ?」


ねこにゃん「いや、してないにゃん。ただ熱で溶かせるような細工はしたけど。おまいこそ、何かしたか?」


ぴょこにゃん「暗いとこでも掘れるように先端に光が集まるようにしたくらいにゃ。」


ねこにゃん「(*≧ω≦)…おりたち、またやっちまいましたね。」


ぴょこにゃん「これは売り物にならん。固いから壊せないしコントロール効かないにゃ。」


ねこにゃん「じゃあ封印するしかないにゃー。」


ぴょこにゃん「持ち手の特性に呼応するんだよにゃ?使えるヤツいないだろ。見た目はカッコいいから非売品の展示物にして店に飾るにゃん。」


ねこにゃん「なんでこうなったんだろ?」


ぴょこにゃん「( ・`ω・´)記憶喪失かよ。おまいこそ封印された方がいいかもにゃ。」


細かなやりとりは省かれたが、二柱は事の顛末をかみかみに話した。


ーーーー


ねこにゃん「というわけでだにゃ、これはダメにゃのさ。ん?聞いてるか?」


かみかみ「ぐーぐー…o(__*)Zzz」


ぴょこにゃん「(*≧∀≦)こいつ寝てるにゃ。むずかしい話しや長い話すると寝るにゃん」


ねこにゃん「(*≧ω≦)じゃあ危険さを身をもって教えることにするかー。おい!かみかみ、起きろ!出かけるぞ!」


ぴょこにゃん「シャベル欲しいんだろ?使えるか試しに行くにゃ!準備するから外で待ってるにゃよ」


かみかみ「ぐーぐー。何か言った?」


ねこぴょこ「( ・`ω・´)言った!オーキーロー!」


ーー


かみかみが外で待ってると、ねこにゃんたちがメロン号を持ってやってきた。


ーー


かみかみ「何そのカッコ?」


二人はゴーグルに毒ガス用のマスク。

そして科学者と言わんばかりの白衣を纏っている。


ねこにゃん「気にするにゃ。行くぞ」


ぴょこにゃん「カッコは大事にゃん。心構えは姿に出るにょさ。」


ーーそしてメロン号は飛び立つ。


おやつタイムを取りながら一時間ほど飛行したところ、砂漠が見えてきた。


ぴょこにゃん「ここらへんなら大丈夫でしょ」


ねこにゃん「一応、周囲50キロの生物と建造物を一時避難させるにゃ。」


ぴょこにゃん「50キロ…足りるよな?」


ーー


メロン号が着陸したのは砂漠。


ねこにゃん「じゃあかみかみ。これがハンドシャベル砂場王にゃ。そーっと扱うにゃんよ」


ねこにゃんは非干渉素材の布でくるんだ砂場王を、かみかみに手渡す。


ぴょこにゃん「いいか。自分に向けるなよ。砂だけ掘ること。わかったにゃ。」


かみかみ「フツーのシャベルじゃん。でも、これはキレイだしカッコいいおー!」


ーー黄金色の金属。

持ち手は握ると握り返してくるような掴みやすさ。


そしてシャベルの表と裏に流線型の紋様が走る。

青、白、赤、黄色。

模様は幾何学的でもあり、シャーマンが描く「印」のようでもあった。


ーー


ねこにゃん「さあ、こっちも大丈夫にゃ」


ぴょこにゃん「お手柔らかににゃ」


ーー


気づくと二柱は、かみかみより遠く離れた位置から双眼鏡で見てる。

おまけに体の前に透明な盾を用意してた。


かみかみ「にゃんだ、あいつら。来るときから何ごっこか教えてくれればいいのに。まあいいお。」


《サク》


砂場王が砂に入る。

するとーー


《ズゾーーーーーーーン》


かみかみの前方の砂漠が割れた。

モーゼの十戒の、海を割るシーンのように砂漠が裂けた。


《ゾザザザザーーー》


一直線に砂を左右に掻き分けていく。


ねこにゃん「(*≧∀≦)ほらーw」


ぴょこにゃん「(*≧ω≦)ですよねーw」


かみかみ「なんだこれ?面白い!どれどれーっと。」


《シュゴギュゥウッ!》


かみかみが砂場王を軽く振り回すと、空中に砂の球体が現れた。


かみかみ「よーっと」


かみかみがくるくるとコップの水をかき回すように砂場王を回す。


《グオォーーーーーー!》


すると砂嵐が起きた。

目の前の視界も太陽の光も遮られ暗闇が覆う。


《バチィ!バキィッ!》


中心部には静電気がおこす雷撃も発生してる。


しかし、砂場王だけはキラキラと光り周囲を照らしていた。


かみかみも砂場王の光を纏う。

光は真空の壁を作り、荒れ狂う周囲の環境から、かみかみを守っている。


ーー


ねこにゃん「やべーな。そろそろ止めるにゃん。」


ぴょこにゃん「かみかみー。もういいからー!実験終わり!危ないからやめるにゃー!」


かみかみ「もうちょっと待ってー。にゃんかボクわかったお。ほれ。ぽんぽんぽんっと。」


かみかみは砂を固めるように、砂場王で砂嵐の空間をポンポンと叩く。


ーーすると


ーー《ザザザザザザーーーーー》


砂が全て静止して落下した。


ーー


ねこにゃん「へ?」


ぴょこにゃん「ほ?」


かみかみ「ついでにー。ほいっと!」

少し手元の砂をしゃくりあげた途端、砂が波打って砂丘を登っていく。


《ズズン!ズゾザザザザザザザーーーーー》


砂津波だ。


かみかみ「ここで、ぽん!」


《ズシ!》


砂津波がだんだんの形で止まり固まった。

静止したのではない。砂岩に変化している。


ねこにゃん「(*≧ω≦)…天才かよ。」


ぴょこにゃん「(*≧ω≦)いや、バカにゃん」


かみかみ「おーい!これ気に入ったおー!プレゼントありばどにー!」


ねこにゃん「あれがこっちに向いたら驚異にゃ」


ぴょこにゃん「かみかみのオモチャにゃん。あれ使いこなせるの、あいつしかいないし。砂場王も、かみかみの事待ってたみたいにゃん。」


ねこにゃん「王の主ねー。41も謎だけど、かみかみも謎だよにゃ。」


ぴょこにゃん「あいつから自己紹介されたとき見ただろ。三神神神で《みかみかみかみ》って葉っぱに浮かんでた。エスネコとコンタクトしてた世界樹も謎にゃん。」


ねこにゃん「謎は解いていけばいい。砂場王も失敗作で終わらなくてよかったにゃん。かみかみは、あんなに喜んでるジャマイカ。」


ぴょこにゃん「この謎って、全部つながってそうだよにゃ。とりあえず撤収しよっか?」


ねこにゃん「おーい!かみかみー!そろそろ帰るぞー!」


かみかみ「ひひー。ねこにゃんたちにプレゼントするお。」


ぴょこにゃん「プレゼント?」


かみかみ「砂場王!あそこにピラミッド。どーん!」


ねこにゃん「え?」


ぴょこにゃん「にゃ?」


《ズドッ、ズドン!ズドッ!ズドドドドドン!》


ねこぴょこたちの回りに巨大な四角い砂岩が積み上げられていく。


ねこにゃん「おいおいおいおい!」


ぴょこにゃん「生き埋めにする気かー!」


かみかみ「うそだお。砂場王ストップだお。おうちで遊ぶから帰るおー。」


ねこにゃん「( ;∀;)マジ焦った…オモチャ取り消し…。」


ぴょこにゃん「(´・ω・`; )かみかみの武器にゃ…。」


ーーー


こうして砂場王はかみかみの手に。


今日も笑顔のにゃんこたち。


しかし、この平穏な世界の知らぬところで、破滅へのカウントダウンが始まっていた。


ーーーー


ガンマ「なに…だと――!?」


ガンマの声が、冷たい空気を震わせた。


デルタも同じ顔で青い光をピリピリと走らせる。


デルタ「41の…支配権が――消えている?」


二体の神の目に狂気が滲む。


お気に入りの生きてるオモチャーー《41》。


あの小さな《粒》の魂が、今、自分たちの手中にはない。


しかし、誰が――どうやって――


見当もつかない。


手を伸ばしても触れられない。


指先をすり抜ける空虚な感覚。


デルタ「まさか…ここでロストしている?」


デルタが呟くと時空の裂け目に虹色の帯が見えた。


それは…41の自己進化の痕跡か。


それだけではない。


誰かが、何かが。


《41》の《粒》を封じた――小さな光の塊が、静かに、しかし確実に力を発している。


ガンマとデルタは互いに目を見合わせた。


怒りが、焦燥が、理性を押し流す。


ガンマ「誰が、こんなことを――!」


答えはない。

封印は、静かに、完璧に、彼らの知覚の外で笑ってる。


ガンマ「……フンッ。」


ガンマは長い指をひらひらと振り、目を細めた。


その隣でデルタは震える光の髪を撫でながら、空虚を睨む。


デルタ「どうせ願いなど叶わぬように設計してある。叶ったところで、待つのは死だ。」


デルタの口元がにやりと歪む。


ガンマ「それが《41》の《美しさ》だったろう?永遠に届かぬ手、永遠に消費される魂……。私たちの最高傑作、私たちの玩具。」


しかし今、その玩具は彼らの手を離れている。


支配権が、消えている――まるで最初から無かったかのように。


ガンマ「確かに掴めぬ…。」


ガンマは爪を立てて、空気を引き裂くように掻きむしる。


デルタ「しかし……誰だ? 誰が、この支配の糸を断ち切った?」


返答はない。


ーー


エスネコ「(*≧ω≦)にゃ」


光の向こうに、微かな影が笑う。


誰にも見えない封印。


エスネコが《41》の《粒》を抱きしめていることなど、彼らはまだ知らない。



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