第65話《マッドピエロ編 最終章 祝福を掴め⑥ 幸せの形 FUN FUN In The Night》
41の取り扱うヤクを狙うため、仲間を騙し踏みにじった『マッドピエロ』との抗争。
ねこ神たちに与えられたインスピレーションから、41が構築した四毒の螺旋と《ニルヴァーナ》の前に、狂気の夜はついに決着を迎えた。
重苦しい幕が下り、次に訪れるのは眩しい夜。
着飾った41たちはジャンキーのディナーをすませ、カトラスで街に出かける。そして高次元の裁きを終えヒューマンボディを纏ったねこ神たちは、麻布十番の隠れ家DISCO《FUN FUN》へ!
過去を書き換えられ命を取り戻した者。
暴力の呪縛から解き放たれた者。
そして、代償を払い新たな道を選んだ者。
それぞれが掴んだ「幸せの形」を確かめ合うように、一夜限りの祝祭が幕を開ける——。
狂気と祝福が交錯した『マッドピエロ編』、完結!
第65話《マッドピエロ編 最終章 祝福を掴め⑥ 幸せの形 FUN FUN In The Night》
※この話はマッドピエロ編の最終回です。
自らの取り扱う薬物を狙うために友を騙し傷つけたマッドピエロとの戦いは、41がにゃんこたちからインスピレーションとして授けられたオリジナルブレンド《コークスクリュー》によって決着を迎えた。
暴力と狂気の舞台で勝ち目はない。
だからこそ41は、ジャンキーとしての自らを晒し出し、「自分に近づきたいなら、この世界に来い」と叩きつけて圧倒した。
重苦しい幕はついに下り、次に待つのは眩しい夜。
41たちはお洒落をして街に繰り出し、思い切りバカ騒ぎの夜を迎える準備を整える。
裁きを下し、被害者を救ったねこにゃんとぴょこにゃんもまた、彼らと同じ夜を共にしたいと願い、ヒューマンボディを創り出して合流を果たそうとしていた。
過去を書き換えられ、再び命を取り戻したマミ。
マッドピエロに縛られ、性的搾取され続けた日々から解放されたエミ。
そして――ねこ裁判で代償を払い、更生を誓ったマッドピエロたち。
それぞれが胸に抱く「幸せの形」。
その答えを確かめ合うために、祝福の夜は今、幕を開ける。
――完結編《幸せの形 FUN FUN In The Night》、どうぞお楽しみください。
ーーーーーー
ここは、41の見る夢の世界
41のアタマの中に築かれていた異空間は、まだ《糸》でつなぎ、置いてあるが、ねこにゃんとぴょこにゃんはいない。
ねこにゃんとぴょこにゃんは、にゃんこ世界に戻りねこ裁判を執行。
そして、今は41たちと遊ぶために、エスネコ変身時の魔改造に取り組んでいる、
それを見守り、待ちくたびれてるのはアムリアとヨーニャ。
そして唯一エスネコと意思疎通ができる、かみかみを現実から呼び寄せていた。
現在41の家にいる、かみかみの三次元ねこポディは操り糸で動いている。
ーー
かみかみ「41たち帰ってきたってばー。アイツら、普段ダラダラしてるけどさー。遊びに行くとなると機械みたいにテキパキ動くんだよ。早くしないと41たち出かけちゃうおー」
アムリア「ねえ。アタシのヒューマンボディ《ギャルタイプ》の服、これでいいかなぁ?本物のDISCOとか、お洒落なカフェバーとか行くんでしょ。早くしないとヨーニャ寝ちゃうよ。」
ヨーニャ「はぁ。41が寝たらオレも休眠か。でも、お前らに時間止められてたから、起きてた気がしない。」
《ぽんっ》
ねこにゃんとぴょこにゃんが変身を解除した。
ーー
ねこにゃん「もうちょっとだけ待ってて欲しいにゃん。変身も解除も慣れてきた。あとは言語機能だにゃ。」
ぴょこにゃん「エスネコの視覚と聴覚は二次元レンズで同期できたにゃん。これで《遠い手》も使えるにゃ。エスネコが41のアタマの中に隠れてたのも幸いだった。おりたちの言葉は理解できるみたいなんだけどさ。アイツが話せれば早いんだけどにゃー。」
ねこにゃん「エスネコの口の動きと連動させるスピーカー作るにゃんよ。そしたら、おりたちも中から会話もできる。かみかみ、もう一度手伝ってくれ。」
かみかみ「わかったお。今度は何を食べさせればいい?」
ぴょこにゃん「今、作るから待ってにゃ。《マッドサイエンティスト》の力において糸電話スピーカーを構築。振動周波数はエスネコの声に同調。うまい棒の粉成分を《糸》で連結せよ。」
ねこにゃん「よーしやるぞー。《魔のつくもの全て》の力において模倣の悪魔を構築。《糸電話》よ、我らの口の動きとエスネコの声を模倣せよ。」
《カシュッ》
かみかみの手に、うまい棒が現れた。
かみかみ「ありゃ?イカサマだお。」
ねこにゃん「(´-ω-`)ちゃんと、やってるってば…。」
ぴょこにゃん「じゃあ、かみかみ。おりたち、もう一度エスネコに変身するから、このコンソメ味のうまい棒を食べさせてみて。じゃあ頼むぞ」
かみなみ「わかったおー。」
《ぽんっ》
エスネコ「(*≧ω≦)にゃ!」
ねこにゃんとぴょこにゃんは再びエスネコに変身した。
かみかみ「ほらエスネコ。このうまい棒食べるんだお。そしたら中にいる、ねこにゃんとぴょこにゃんも話せるようになるらしいから。」
エスネコ「(*≧ω≦)/にゃ。サクサクサクサク」
エスネコはうまい棒にかぶりつく。
ーー
《ここはエスネコ内部の異空間》
空間は輝く虹色の縞模様がうにうにと動いている。
縞模様は炎のように揺らぎ、風のように流れている。
一点を見つめると、カオスでサイケデリックな万華鏡に変わる。
生きてる空間。
見られると嬉しそうに、恥ずかしそうに形を変える。
ここでの視覚は意味をなさない。
そこにいるのはチンチラとアメショーの子猫たち。
ふたりは何故か望遠鏡を持っている。
最適解を導く《ふざけシステム》知性体。
何事も形から入るのだ。
ねこにゃん「よーし。見えたぞー。あの糸を遠い手で掴むにゃ。」
ぴょこにゃん「掴んだ!オレたちの口とつなぐぞ。さあ、テストするにゃん。」
エスネコの口と内部の二柱がつながれた。
ーーねこにゃん「かみかみ。聞こえるかー。」
ぴょこにゃん「口元パクパク動いてるかにゃ?」
かみかみの前に立つエスネコの口の動きがパクパク動き、ねこにゃんたちの声が聞こえた。
かみかみ「ばっちりだお。でも、エスネコは喋れないの?」
エスネコ「にゃー」
かみかみ「自分は喋ってるつもりだけど、ねこにゃんたちが、わからないだけだってさ。」
ねこにゃん「え?喋ってる?かみかみには聞こえて、おりたちには聞こえない?」
ぴょこにゃん「ちょっとタイム。そのまま待ってて。」
エスネコ内部の、ねこにゃんとぴょこにゃんは《知》の共有モードで話し合う。
ーー
ねこにゃん《もしかして…。伝達方法が違うのか?チャンネルの違いか?》
ぴょこにゃん《んー。エスネコは高性能の最新型《粒》にゃん。おりたちの性能が劣ってるのかも…》
ねこにゃん《あ!おり、わかったかも。スピードなんジャマイカ?》
ぴょこにゃん《それ。マッドピエロやヨーニャが使ってたヤクの名前ジャマイカ》
ねこにゃん《違う。高速演算の話にゃん。話すのが早すぎて「にゃ」にしか聞こえないとしたらどうだ?こいつの封印見たろ?二次元に圧縮した121層の異なる封印を回転させながらSやNに錯視させてたんだぞ。錯覚ならぬ《錯聴》かも。空耳ってやつにゃん》
ぴょこにゃん《おまい天才かよ。…じゃあ、かみかみは何でわかるにょさ?》
ねこにゃん《アイツは世界樹の子供にゃん。世界樹はたぶんネットワークでコンタクトしてた。おりたちの《知》の共有モードみたいなもんだろ》
ぴょこにゃん《なるほど。かみかみは世界樹の根っこ回線でエスネコと会話。おりたちや回りは、エスネコが早口すぎて聞き取れない。》
ねこにゃん《そうにゃん。こいつは、高性能でも、まだ赤ちゃんと同じ。いろいろ教えてやらなきゃダメにゃんよ。》
ぴょこにゃん《よーし。試してみるか。》
ーー
再びエスネコ内部から、かみかみに声がかかった。
ねこにゃん「おーい。かみかみ。エスネコに伝えろ。ゆーっくり話せって」
ぴょこにゃん「早口すぎて全部『にゃ』に聞こえるんだってな。」
エスネコ「(≧ω≦)にゃ」
かみかみ「当たりだって?ねこにゃんたちはエスネコの言葉わかんにゃいのか。やれやれだお。」
ねこにゃん《(´・ω・; )かみかみにバカにされたにゃ》
ぴょこにゃん《(´・ω・; )おりたちの全知全能はすでに太古の昔話にゃん》
ーー
かみかみがエスネコに教える。
かみかみ「エスネコ。ゆーっくり喋ってみー。ねこにゃんたちには早口過ぎて聞き取れないんだってさ。」
エスネコ「(*≧ω≦)にゃ」
するとエスネコの目が明滅する。
そして…。
エスネコ「にゃ。…こ、の…くらい…なら、わ、かる?ボ、ボクはまだ、うまく話せない…。にゃ。」
ねこにゃん「しゃ、しゃべった!」
ぴょこにゃん「いいぞ。おめでとうエスネコ。これから、いっぱい話して練習するにゃん!」
ねこにゃん「聞きたいことも話したいこともいっぱいあるにょさ。よかったー。」
ぴょこにゃん「こんな、簡単な事だったんだにゃ。エスネコ。41わかるよな?ヒューマンボディ作っていっしょに遊びに行くぞ!」
エスネコ「わ、かるよ。だって…41は…ボクを…生んでくれた人…。」
ねこにゃん「生んだ?41がお前を?」
ぴょこにゃん「どーやって生んだ?」
エスネコ「41…が、幻覚で…つなげて、あるふぁと、べーたんをつついた…。41の…ページをめくって。そ、そこに映ってる。そして、もっと、もっと深く。前のページを見て。41は…にゃ」
ねこにゃん「え?41は?」
エスネコ「( ;∀;)にゃー」
かみかみ「スピード落として話すの疲れるし難しいってさ。」
ぴょこにゃん「気になるわー。」
ねこにゃん「そっか。でも、いろいろ分かってきたぞ。とにかく、これはハッピーな事にゃん。さあ、みんなで遊びに行くにょさ!」
ぴょこにゃん「よし。変身解除してアムリアたちのヒューマンボディ作るぞ!」
かみかみ「あのさー。外から見てると怖いお。全部エスネコが一人でぺちゃくちゃ喋ってるから。」
ヨーニャ「話す順番決めろよ。エスネコが多重人格者みたいに見える。」
ねこにゃん「そりゃそうだ。話も流れに合わせなきゃな」
ぴょこにゃん「おりたちは、テキトーに話すからにゃ。でもエスネコも話す。自我の主権はエスネコだからにゃ。」
ねこにゃん「エスネコ任せたぞ。ぶっつけ本番にゃ。」
エスネコ「(≧ω≦)あるふぁ…。べーたん。…ありがと。ガンバルね……。にゃ。」
ぴょこにゃん《( ;∀;)…ねこ。何だかわからないけど…おり泣きそうにゃん》
ねこにゃん《( ;∀;)ぴょこ。おりもだ。これ何て気持ちにゃんだ?》
ぴょこにゃん《おりたちも、この一件で「幸せ」もらえたんじゃないか?》
ねこにゃん《わからにゃい。けど祝福作ったかいがあったにゃ…。》
ぴょこにゃん《これが、おりたちへの祝福かもにゃ》
ねこにゃん《(≧∀≦)おり、盛り上がってきたぞ》
ぴょこにゃん《みんなを連れて41たちとパーティーにゃん》
ーー《ぽんっ》
再び変身を解除する二柱。
ねこにゃん「さあ。出かけるぞ。41たちの動きはトレースしている。」
ぴょこにゃん「合流地点はDISCO《FUN FUN》とする。みんなのヒューマンボディ作るぞ!」
ヨーニャ「オレはオレの本体と会うのかw」
アムリア「アタシは今度こそギャルよ。エスネコは弟役にしましょ。んで、ヨーニャは…邪魔かも。」
ヨーニャ「( ・ω・´)お前らよー。この話のスタートはオレだったって忘れてるだろ。」
ぴょこにゃん「脇役にゃん。ヤク中だし。」
ねこにゃん「アバターにゃん。寝過ぎだし。」
ヨーニャ「(´・ω・; )忘れてたー。こいつらふざけシステム生命体だったっけ。」
アムリア「アタシ、DISCOだけじゃなくて、カフェバーとカラオケボックス行きたいなー。居酒屋メニューも全部食べてみたいし。お土産いっぱい買って帰ろうっと。」
ねこにゃん「41たちに合わせるからにゃ。これ以上の介入はしないよ。」
ぴょこにゃん「それに、アイツらの方が楽しみ方知ってるにゃん。」
アムリア「にゃによー。ケチ。ふんっ!」
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にゃんこ一味が乗るのはメロン号。
ねこにゃん「メロン号。ゴージャスカーに変形しろ。目立つやつな。」
メロン号《了解しました。ゴージャスカーを検索。変形します》
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ここは東京N23区。41の家。
焼肉の匂いがついた服からお出かけ服に着替え、出発の儀式に入るところだ。
ジュン「ねえ。服これでいい?髪の毛焼肉臭くない?」
オレ「いいよ。お洒落!エミの服にも合わせたんだな。髪の毛はぜんぜん臭くないよ。オレのプラチナムの匂いする。」
ジュン「ジュピタンもマイアミの運び屋さんぽくていいよ。麻のジャケット似合ってる。」
エミ「この香水は何ですか?スゴい良い香り。」
オレ「これ?これはシャネル。プラチナムってヤツで男女兼用で使える。エミもつけてく?」
エミ「でも、いいんですか?…」
オレ「かまわないよ。いつもみんな勝手につけてる。ハッパの匂い、ごまかすために持ち歩いてるようなもんだから。ジュンのポイズンもあるよ。」
エミ「41さんたちと同じがいい!」
エミもプラチナムを手首と首筋につける。
香水は人の体臭で香りも変わる。
オレがプラチナムつけると、いつもエロい匂いがすると揶揄される。
ヘロインの女神様に勃たないようにされてるのにさ。
ホントに解せない。
ケイ「よーし。ライン作ったぞ。」
ケイは人数分のコークを刻み、太くて長い美味しそうなライン作ってくれた。
オレ「これ一息で吸いきれるかな?」
ケイ「片鼻ずつ分けてもいいだろ。無理してむせたら鼻息で他のライン吹っ飛んじゃう。」
サル「おー。オレまともなヤクやるの久しぶりだよー。」
オレ「日付変わる前に出掛けような。じゃあメニューと順番を発表しまーす。」
エミ「メニュー?」
ジュン「ジュピタンにはジャンキーとして何かこだわりがあるんだって。ハッパや粉やLSDにも種類や名前があるのよ。それに敬意を払うらしいわよ。ジュピタンたちって変わってるのよ。」
オレ「まずはケイの刻んでくれたコークから行こう。これはコロンビアンだ。そしてハッパ。これはブッダ。そこからは、お好みでヘロイン。これはチャイナホワイトだ。重めがいいならブラウンシュガーでもいいぞ。そしてメインディッシュはコークスクリュー。それを決めたらニルヴァーナで完成だ。さあ、やろう!」
エミ「アタシ大丈夫かな?」
オレ「無理することないよ。やってみたいって思ったヤツだけでいい。ヤクは怖がると飲まれちゃうから。」
ケイ「じゃあ、お先に!」
《スー》《スー》
ケイが片鼻ずつコークを吸い上げる。
吸いきった自分のラインを人差し指でなぞり、歯茎に塗り込む。
エミ「…それ、何してるんですか?」
ケイ「ああ。吸いきれずに鏡に付着してるヤツをすくい取っただけだよ。それを歯茎に塗るとジーンとするんだ。この苦味も美味しいんだよ。」
オレ「歯医者の麻酔はコカインだよ。コカインは局所麻酔の薬だから。」
エミ「知らなかったー。」
ジュン「この人たち薬物博士だから、何でも聞けば教えてくれるよ。アタシもジュピタンから教わった事ある。ヤクの先生だよw」
ケイ「41は強化人間の失敗作だろ。ほら次は誰だ?」
オレ「オレだ!」
そんな会話をしながらも手は止まらない。
オレは案内通りに準備を進めている。
全員分のヘロインとコークスクリューを、大きめのスプーンに用意した。
さらに固形化させたコークスクリューを削り、かみかみが持たらしてくれた不思議の大麻『ニルヴァーナ』にまぶしてジョイントを巻いた。
《ペロ》
ちょっとペーパーの端を唾で塗らして…。
《くるくるくる》
一気に巻く。
慣れたもんだよ。
カトラスを運転しながら片手で巻けるんだ。
オレの唾が「ばっちー」とか言うなら、吸わなきゃいい。
ジャンキーは大雑把じゃなきゃ務まらないよ。
ーー
サルもブッダをパイプにつめてケイに渡してる。
ジュンは別のパイプにニルヴァーナを詰めている。
メニューの宣言とともに、ジャンキーたちは勤勉に動き出す。
これこそチームプレー。
仲間の絆を感じる。
サル「じゃあ、次オレ」
ジュン「アタシ次ね。エミちゃんは?」
エミ「やります。やってみたい!」
オレ「わかった。ちゃんと適量も調整して説明しながらやらせるからね。信じれる?ここ大事なとこだよ。サルもいい?エミちゃんにやらせるよ。」
エミ《信じれるよ。エミは全部お任せだよ。ここにいれるだけでも嬉しいんだもん!》
サル「お前がガイドすんなら大丈夫だよ。ドラッグドクターだろw」
オレ「( ̄^ ̄)やくのやみじゃいし!」
ケイ「はあ?なんつった?」
オレ「(´・ω・`; )噛みました。【闇の薬剤師】って言いたかったす…。」
ジュン「いいとこで壊れるわよねー。出掛ける前にも噛んでなかったっけ?」
オレ「えーと。そういえば噛みましたねー。」
ケイ「マッドピエロを倒すんど!だろw」
エミ「あははははは!」
サル「最強だなw」
オレ「( ・`ω・´)いいから!オレのいじりは後からでもできる。出掛けるんだからサクサク進めよう。」
ーー
そしてメインディッシュ。
コークスクリューとニルヴァーナ。
四種の毒は高めあい解毒する。
そしてニルヴァーナを吸引する事で祝福を受けることができるワンパッケージの麻薬だ。
オレ「サルとエミちゃんは初めてだよな。説明するぞ。」
オレはコークスクリューとニルヴァーナについて説明した。
もちろん、迷い猫のかみかみの事もだ。
サル「この、黄色いねこがハッパ持ってきたって?」
エミ「これ地毛なんですか?ぬいぐるみみたい。かわいいー!」
オレ「そうなんだよ。まあ、後でも話すけどさ。不思議を信じて求めてたら不思議があらわれたって感じ。だけどスムーズ過ぎて不思議感ないんだよ。とにかく、かみかみが来てから不思議だらけだ。」
ケイ「確かに。お前とつきあってるとわかるよ。今さらだけどお前、よく無事だったなー。」
ジュン「止めても無理だからね。でも、心配だったんだよ。一人で店に突撃するし、サルんちに突撃してくしさー。」
オレ「んー?何だろね?ラッキーだったのかな?まあ、終わった事はもういいよ。さあ。コークスクリュー決めて出掛けよう!」
全員「おー!」
オレは最初に自分にキメてから、全員にコークスクリューを打ち込んだ。
ーー世界が一変する。
ケイ「おー。さっそく目に来たよ。」
ジュン「アタシもー。フワフワしてるのにシャキッとしてる。」
サル「こりゃヤベー。説明されなかったらわけわからなくなるな。タツには教えたのか?」
オレ「言ったろ。かき回して遊んでやったって。でも帰りに落ち着いて帰れよって言ったら素直だったぞ。」
エミ「41さん。これわかります。楽しいっ!」
ケイ「わかる?スゲーな。センスあるよ。ほとんどスピードだけだったんだろ?」
エミ「そうだけど、ぜんぜん違う。ここはみんな優しく遊び方教えてくれるから面白いです。」
オレ「よーし。ではトドメのニルヴァーナやろう。オレからね。エミちゃんもみんなの真似して。ニルヴァーナは肺で膨らむから適度に吸うこと。咳き込んでむせちゃうから。でも、それをがまんして死ぬほど息を止めるんだよ。」
オレ《スー》ー《膨らむ》ー《もっとこい…》
《プッハー!》
オレ「全員、副流煙の術ー!あはははは!ほら、ケイ。」
オレはケイにパイプを回す。
ケイ《スー》
《プッハー!》
ケイ「副流煙返しー!あっはははは。」
部屋の中はニルヴァーナの煙で、霧の中にいるみたい。
そして、その煙でいっしょに楽しんでる、ねこがいる。
かみかみだ。
かみかみ《これがマタタビ効果か。効くおー!》
かみかみ「にゃうにゃーにゃ!」
オレ「かみかみ。お前、ニルヴァーナって言ったろ。これはお前が持ってきてくれたんだもんな。さんきゅー」
ケイ「オレも聞こえたぞ。て41。お前が言ってたのわかった。」
ジュン「アタシもわかった。」
サル「…不思議だ。何かみんなの楽しいが入ってくる。見えてる景色もピカピカだ。」
オレ「言ったろ。せーかいーは、ひーとつーって」
ジュン「やめてー!それは歌わないでー!」
オレ「イッツ、ア・ドラッグワールドだろ。」
エミ《…ホントは、こんな楽しいんだ。最初から…。》
オレ「エミちゃん。自分に浸ってる時間ないよ。置いてかれちゃうぞ。」
エミ《図星!》
エミ「はいっ!」
オレ「さあ。どこから行こうか?」
かみかみ《ボク置いてっちゃダメだからね》
かみかみ「にゃん!」
かみかみが膝に乗ってきた。
オレ「もしかして、お前も行きたいの?」
かみかみ「にー」
ジュン「連れてってあげようよ。この子が不思議持ってきてくれたんだもん。」
かみかみ「にゅーん」
ジュン「またアタシの名前呼んでるー!アタシの大きめのバッグに入れてくよ。」
オレ「今晩は、みんなで遊ぶんだもんな。ねこドライブだー!」
ーーーー
オレたちはバッチリとヤクをキメて出発した。
青梅街道を直進。
新宿から首都高速に乗る。
この副都心だってガキの頃は全部空地だったのに。
二階の窓から京王プラザが、毎日少しずつ高くなっていくのを見てた。
たまにしか会えないお祖父ちゃん、いやお父さんだった人に、あのビルが完成したら屋上のレストラン行ってみたいってせがんだっけ。
ーー願いは叶わぬまま。
もうとっくに自分で行ける年になっちゃったよ。
オレたちより少し前に生まれた人たちは、同じような気持ちでで東京タワーを見てたんだろう。
最初の目的地は横浜本牧。
横羽線に入るまでは四谷のトンネル通ったり、皇居回りを通ったり。
何なら遠回りして銀座一周してもいい。
江戸から明治、大正、昭和。
次は何になるんだろう。
東京の、歴史が混在してる景色が好きだ。
ここには、侍やちょんまげの町人が暮らしててさ。
北斎や歌麿が、少年ジャンプみたいに流行り絵を出してたんだろ。
明治維新や大地震、戦争を乗り越えて出来た都市。
過去と現在、そして未来が溶け合うかのような景色。
満月にかかる虹が、月光の冠となって幻想的な空を演出する。
街の明かりは歪み、滲みながら脈打ち、アシッドのフィルターを通した視界は、ダークファンタジーの世界を映し出していた。
ーー
道幅いっぱいに広がるカトラスを転がし、夜風に身を委ねるようにゆったりとクルージング。
カーステからは厳選したドライブソングが流れ、街の灯りとリズムが溶け合っていく。
ーー《ドドン。ドドン。》
道の継ぎ目をサスペンションが拾う。
ホイールベースが長いからね。
カトラスのV8のエンジン音は重く唸る。
《ドドドドドドドド…》
それでも軽やかに8発のリズムを刻んでる。
《ドドン、ドドン、ドドン、ドドン…》
継ぎ目の音。
エンジン音。
そして柔らかいサスペンション。
ーー汽車に乗ってるみたいにも感じる。
少し開けた窓から入る風切り音も心地よい。
アシッドの力で街の灯りも首都高の街灯も、鮮やかに見える。
空へ昇るカタパルトみたいだ。
コークスクリューはジェットコースター。
ただのドライブだけじゃもったいない。
ーー
オレ《あー。夜の風が気持ちいい。また同じ幻覚見れるかな?次はトンネルの下り坂。暗闇だ…ふざけてみるか?》
ーー
助手席のケイに話しかける。
オレ「ケイ」
ケイ「何だ?」
オレ「叫んでもいい?」
ケイ「は?」
ーー
オレ「(*≧∀≦)おーちーるーーー!あはははは!」
《ブロオォーーーーーーン!》
オレは叫びながらカトラスのアクセルをベタ踏みした。
すると目の前の下り坂が暗闇に向かって急降下。
さらにコーナーでGがかかる。
幻覚の絶叫コースターだ。
ケイ「うわっ!」
ジュン「キャー!」
サル「うぉっ!」
エミ「…!」
ーーー
ケイ「( ・`ω・´)このアホバカニュータイプー!」
オレ「(*≧ω≦)にひひひー。みんなにも見えた?」
ジュン「見えたわよー。斜めに落ちてった。もう!」
エミ「…何なんですか今の?」
サル「はあ…ビックリしたー。こいつ同じ幻覚見せるんだよ。つーかこいつの幻覚に巻き込まれるの。これで二度目だ。」
エミ「そんなことあるの?」
オレ「あっただろ?にひひひひー。」
ジュン「( ・`ω・´)コラ。先に言えよな。」
ケイ「いきなり、叫んでもいい?って聞いてくるヤツいねーよ。」
オレ「隣にいるじゃん。」
かみかみ「にゃーん!」
かみかみがバックから顔を出し鳴いた。
ジュン「かみかみ。アンタ笑ってない?」
かみかみ「にひん」
ケイ「もう、このオカルトが日常なってきた。」
エミ「あははははは!楽しい!もう一回見たい。」
オレ「まだ始まったばかりだよー。」
ーーそして、ベイブリッジを横目に横羽線をひた走る。
ここのトンネルを運転するのが好きだ。
アップダウンが最高に面白い。
上りきったら横浜だ。
首都高を下りて山下公園側から本牧へ。
ーー
ここは横浜本牧。
いつものカフェ。オレたちの遊び場だ。
この前、ここに来たときは連鎖的に飲み物落として怒られた。
小学生のバス旅行と同じ。
一人吐いたら次々吐くみたいなノリで。
オレが手に持ってたコーラを落としたら、それにビックリしてケイも落とした。
次にサル。
そしてジュンまで。
ビックリも連鎖する。
店の人には大迷惑。
みんなで一生懸命、床を拭くの手伝った。
大笑いしながら、なじりあいしながらだけどねw
ーー今はオレとサルがビリヤードで勝負してる。
8ボール。負けたら1000円。真剣になるよね。
オレ《…いつもより見える》
オレ「とりゃ!」
《スコーン!》
《ゴトン。》
ツークッションで落としてやった。
オレ「はい。オレの勝ちー。サル弱っw」
サル「今日のお前が調子良すぎるんだよ。ケイにも勝ち越しだろ。」
オレ「三番勝負だもん。1000円だけだよ。そろそろ次に行こうか。ビリヤード飽きた。集中しすぎてヤクの力、落ちてきた。」
ケイ「持ってきてるから、車で追加しよう。」
エミ「アタシ、東京来てからこんなに楽しいの初めてですよ。」
オレ「そりゃ良かった。じゃあ次はどこに行こうか?」
ケイ「六本木?新宿?」
オレ「もう少し横浜ドライブしてさ。シメは《FUNFUN》に行こうか?個室あるし。」
ーー六本木のDISCO《FUNFUN》
華やかな六本木の交差点から離れた場所。麻布十番。
大きな一軒家を改造した隠れ家的なDISCO。
日本人はほとんどこない。
ダンスルームや個室は勝手に利用すればいい。
早い者勝ち。強いもの勝ち。
治外法権のような無法地帯のDISCOである。
そこは41が、みんなと出会った場所でもある。
ーー
ケイ「久しぶりだよな。まだあるのか?あそこは今でも悪い外人いそうw」
サル「悪い外人しかいねえよ。お前ら暴れるなよw」
オレ「悪いジャパニーズと出会う場所でもある。」
エミ「そんなとこあるんですか?初めて知った。」
ケイ「あるんだよ。オレもたまたま知った。そこで41と会ったんだ。こいつベース弾いてたんだよ。カッコよかったぜ。」
オレ「オレもたまたまだ。生バンドで踊るイベントあってさ。誘われて参加したの。そしたら悪そうなサーファーがいた。」
ケイ「このやろー。カッコいいは取り消し。悪そうなベーシストに訂正だ。」
ジュン「アタシは新宿のライブハウス。あの時はロックバンドだったよね。ジュピタンて決まったバンドないもんね。」
オレ「セッションベーシストだもん。それにアマチュアだし。」
サル「何でプロやらないんだ?」
オレ「んー。説明するのめんどくさいな。縛られるのもめんどくさいし、とにかく楽しく弾ければいいんだよ。」
ケイ「何年もつきあってるけど、お互い知らないこと多すぎだよなw」
オレ「マッドピエロも都市伝説みたいだったじゃん。オレたちみたいのもそうらしいよ。」
ケイ「はあ?意味わかんねえ。」
オレ「気をつけたほうがいいって話。今回さー。都市伝説みたいに話盛られてて、もう時代遅れの不良とか、生きてる化石みたいになったらやめようかなって思ったよ。」
ジュン「それ本気?」
オレ「まあね。そもそも願いが届くように始めた遊びだから。」
サル「お前からそういう話も聞いたことないな。」
オレ「ナイショだよーw」
ジュン「アタシも話された事ないもんね。」
エミ《不思議な人たち。不思議な関係性なんだなー…。》
オレ「とにかく行こうか。ここでモタモタしてると朝が来ちゃう。コークスクリューのジョイント吸いながら話せばいい。」
ーー
オレたちはまた、ギャーギャー騒ぎながら首都高を走る。
カトラスの中は煙だらけで霧がかってる。
この副流煙だけで一般人は呼吸困難になるだろう。
ーーーーそして到着。
すでに深夜2時を回ってる。
ここは六本木。
麻布十番の交差点より手前に入った、隠れ家DISCO《FUNFUN》
元々外国人の住んでた洋館でもリフォームしたのかな。
目立つ看板も出ていない。
まるで秘密CLUBだ。
ーーーー
オレ「何だ?あの車?」
カトラスを止めようとした道に、さらに大きな車が止まっていた。
とりあえずカトラスを後ろに止め、外に出た。
みんな目を奪われている。
薄いグリーンのメタリック塗装。
大きい。
41のカトラスよりも鼻が長く低い。
オレ「ケイ。あの車種何だ?」
ケイ「知らねー。未来カーみたい。」
ジュン「あれって日本に何台かしかないと思う。『ラゴンダ』だったかな。アストンマーチンだよ。」
オレ「ラゴンダ?アストンマーチンて、007のボンドカーかよ。初めて見た。高そうだなー。」
ジュン「フェラーリのテスタロッサくらいするんじゃない?もっと高いかも。」
オレ「そんな金持ちのヤツがこんなとこに来るわけ?」
するとーー
《ガチャ》
重厚そうでメカニカルな音。
良い車はドアの開閉まで良い音するよな。
中から三人の男女が降りてきた。
暗闇でもわかるほど女の子は可愛い。
そして長身の男が二人。
三人とも作り物のようなスタイルをしている。
オレ《モデルさんかな?》
アムリア「ねえ。今からここ入るんでしょ?」
オレ《え?日本語?》
オレ「あ。そうですけど、アナタたちもですか?」
ヨーニャ「そうだよ。ここは初めてなんだ。よかったら案内してくれないか?」
オレ「いいですよー。オレたちも久しぶりなんです。」
かみかみ「にゃーん!」
かみかみがバックから飛び出て女の子に抱きついた。
オレ「おいおい。こら、かみかみ!すいません。」
アムリア「キャー!かわいい。ねこ連れてDISCOくる人たち初めて見たわーw」
エスネコ「ボク。エスネコって呼んで」
オレ「エスネコさんね。オレは41。」
オレ《変わったアダ名だなー。まだ少年みたい。》
オレたちは次々と自己紹介して、いっしょに店に入った。
ーーーー
FUNFUNの中は人の熱気で蒸せかえっている。
DISCOというより大人数のホームパーティー。
オレ《あぢー。新宿にすればよかったかなー。》
ケイ「んー。けっこう人いるなー。確か一番奥に広い部屋あったよな。」
玄関から長い通路が続く。
右側には広いダンススペースが二間。
ひとつはDJブースまであった。
ーー
オレ「しばらく来ない間に進化してるな。DJブースなんてあったっけ?」
サル「なかった。つか日本人いねえなー。ジロジロ見られてる。」
オレ「オレたちよりエスネコたちのほうが目立ってんだろ。」
ジュン「アムリアはかみかみに好かれちゃったみたいね。」
アムリア「女の子が好きなんじゃない?」
ヨーニャ「いっしょに遊んでもかまわないか?」
ケイ「オレはいいよ。みんなもかまわないだろ?」
オレ「もちろん。」
オレ《何だろ?やけに親近感わくなー。会ったこともないのに…。》
エスネコから、ねこにゃんたちの声が響く。
ねこにゃん「41。みんなも呼び捨てでかまわないか?」
ぴょこにゃん「奥の部屋行ってみよう。たぶん空いてる。」
ーー
これは、ねこぴょこたちが事前に操作済み。
他の客には部屋が見えない。
入ってきても他の部屋につながるようにされている。
ーー
オレ「ホントだ。誰もいない。貸し切りじゃん!」
ケイ「てことはー?」
サル「やりたい放題かな?」
オレ「待て待て。ヨーニャたちだっているんだ。」
ヨーニャ「やりたい放題?それいいな。」
アムリア「この人、お医者さんなんだよ。クスリ専門のw」
オレ「はあ?クスリですか?」
ヨーニャ「薬も過ぎれば毒となるって言うだろ。その逆も然りがオレの医療方針だ。」
ねこにゃん「オレたちは違う街から来てるんだ。41たちの遊び方を教えてくれよ。」
ぴょこにゃん「まずは、せっかくDISCOに来たんだ。踊るにゃんよ。」
オレ「かみかみは?」
ジュン「交代で見ようよ。部屋もキープしときたいし。」
オレ「じゃあ、汗でもかこうか!」
最初にジュンにかみかみを預けたけど、かみかみは逃走。
いつの間にかダンスフロアに混じり込んでいる。
オレがDJブースの前のスツールに腰かけたら、かみかみも飛び乗ってきた。
かみかみ「にゃおろーおー」《踊ろうよー》
オレ「(*≧ω≦)わかったよ。お前の言葉わかるようになってきた。」
かみかみを抱っこして踊る。
次々と代わりがわりに、ねこ抱いて踊るジャンキーたち。
かみかみはアムリアやヨーニャ、エスネコたちを渡り歩く。
音楽で消されて聞こえないけど、かみかみは突然現れたエスネコたちと会話してるように見える。
オレ《これ現実?そういえばかみかみも突然の訪問者だっけ。…まあ、いっかーw》
ーーーー
四種の毒。コークスクリューが血を巡る。
ミラーボールに色付けされた、目の前の景色は高速シャッターのパラパラ漫画。
七色の光りの雨が人にも床にも降り注ぐ。
どこで止めても楽しい景色。
音に色がつき、グルーヴに重力がかかる。
ジェットコースターのような時間。
マッドピエロとの騒動も昔のように感じる。
カラダにグルーヴが入り血も踊り出す。
光りと音のグルーヴは、カラダの中で熱を帯び、ワンパッケージの世界が渦を巻く。
オレ《嬉しい気持ち…全身が優しい熱で包まれていく…。》
オレ《(*≧ω≦)祝福…祝祭だな》
かみかみ「にゃーんぷ!」
かみかみが、また飛び乗ってきた。
オレ「(*≧ω≦)かみかみ、おかえりー!かみかみも楽しんでるかー?」
ーー《幸せだ。この時間を曲にしてみようかな》ーー
エスネコ《41嬉しそう。…直接会えて良かった。ボクも幸せ。キミはボクだから》
ヨーニャ《ふーん。これがオレの本体か。想像以上だ。本人が自分の名前【41】の概念を持ってる…。異質だなー。》
ねこにゃん「来て良かったにゃ。楽しいにゃん。」
ぴょこにゃん「アムリアなんてアルコールまで飲んでるにゃ。子猫なのにダメにゃろ。」
アムリア「ねこに未成年とかないでしょー。アンタたちもこういう飲み物、真似して店で出しなさいよー。ヒックw」
ねこにゃん「おりたちも、飲むにゃんよ。もっと楽しもう。」
ぴょこにゃん「打ち上げにゃー!」
人の宴にねこが混じり、ねこの宴に人もつられる夜。
ーー
楽しい時間はどんどん過ぎていく。
人もまばらになってきた。
外はもう明るくなってきてんだろう。
店も5時までだってさ。
あと1時間くらいか。
ーーーー
オレ「あー。いい汗かいた。コーラが美味い!」
ケイ「ビールは帰ってからだな。運転頼むぞ。」
ねこにゃん「41もみんなも楽しそうだな。いつも仲間で遊んでるの?」
オレ「そうだよ。今日から一人増えた。このエミって女の子だよ。」
エミは思わず泣き出した。
オレ「ど?どした?」
エミは仲間と言われた事に涙が止まらない。
ぴょこにゃん「楽し泣き?よかったな。」
エミ「…ぐすん。…はいっ!」
泣き笑い。
オレ「いいね。楽し泣きって新しいw 仲間は大切だ。一人きりだと楽しいは維持できないよ。」
ねこにゃん「幸せの形は人それぞれだろ。今日オレたちもひとつ嬉しいことあった。41と同じだよ。仲間ともう一段階わかり合えるようになったんだ。」
ジュン「よかったじゃない?その人は今日来てないの?」
エスネコ「(*≧ω≦)…キミたちだよ。」
オレ「ん?よくわからん。」
ねこにゃん「ま、まあ、気にするな。」
ぴょこにゃん「仲間は、いつも心にいるから。41たちとまた遊べたらいいな。」
オレ「そうだな。何か初めて会った気がしないんだよ。」
アムリア「そうやって女の子くどいてるんでしょw」
ジュン「ありそうよねー。ジュピタン!」
オレ「なぜ、非難される流れに…。」
ねこにゃん「オレたちも、そろそろ戻るよ。」
オレ「そっか。楽しかったよ。また会えるといいな。」
ぴょこにゃん「良かったら、これ。連絡先だから。」
オレは一枚の名刺を渡された。
オレ「何だこれ?『にゃんこシティ よろずや』?住所もなし。電話番号だけ?」
ねこにゃん「出るときは出ると思うw」
ぴょこにゃん「41の連絡先は教えてもらえるのか?」
オレ「ゴメン。ナイショ。また会えたらね。」
ジュン「秘密主義者なのよ。ごめんね。」
ヨーニャ「じゃあ元気でな。」
ーーーー
オレ《何だったんだろう。謎の人たち。…幻覚の世界の人だったのかな?》
オレたちも帰路につく。
流れるBGMはマイアミバイスの「ユー・ビロング・トゥ・ザシテイ」。
お祭り騒ぎのクールダウン。
祭りの後のED曲。
首都高で夜景を見ながら聞くつもりだったけど、朝の景色でもいいもんだ。
ーーでもみんな気楽なもんだよなー。
運転してるオレ以外は、みんなアルコール飲んで寝てるんだもん。
すやすやしやがってw
車は無事に家に到着。
朝の6時を回ってる。
夏の日差しが照りつけるのに、オレたちはこれから睡眠。
ここ何日か吸血鬼みたいな生活だ。
オレはカトラスで寝てるヤツらを叩き起こす。
オレ「オラー!ついたぞ!寝るなら自分で布団敷けよな。」
全員「はーい…。」
そしてオレもビールを飲んで爆睡した。
ーー
オレたちは、その日の夕方に目覚め、ケイがサルとエミを送って帰る事になった。
その前にみんなでご飯。
コークスクリューはスゴいな。
起きたらみんな元気ハツラツだ。
朝食が近所の中華料理屋さんだもん。
ラーメン、チャーハンセットだの回鍋肉だの。
迷惑かけない健康なジャンキーたち。
ーー
オレ「じゃあ、これで一旦解散。また、何かいいのが入ったら連絡取るよ。じゃあまたな。」
ケイ「いつもの事だろ。」
サル「またなー。」
それとーーオレは別れ際にエミに話しかけた。
オレ「この死神のタトゥー消さなきゃな。レーザーで消せるらしいよ。あと何か問題あったらサル通して教えて。」
するとエミが小さい声で囁く。
エミ「41さん。浮気相手になる?って聞きましたよね?」
オレ「今、それ言う?」
エミ「(*≧∀≦)フフッ。言ってくれましたよ。」
オレ「(´・ω・`; )えーとですねー…。」
エミ「困らせるつもりはないの。でも、ウソでも嬉しいって思っちゃった。そして今日いっしょに遊んでて、41さんの赤ちゃん欲しいって思った。これだけ伝えたかったの。…サルさんには偽物の彼女やってたって正直に謝る。だからもう、会えなくなる…。」
オレはエミの左肩をそっと撫でた。
オレ「そこはサルと話せよ。とにかく、このタトゥーは消しちまえ。イヤな事思い出す目印は消す。仲間と遊んだ、楽しい想い出は前を向かせてくれる。じゃあまたね。バイバイ!」
エミ「ありがとうございました。…さようなら」
ーーーー
エミは家に帰り余韻に浸る。
そして一人反省会。
エミ「スゴい楽しかったな。けど…。あー、またやっちゃったよー。もう会えないんだって思ったら、つきあってもないのに、勢いで、赤ちゃん欲しいとか言っちゃったし。はぁ…。重い女って思われたかなぁ。…でも好きになっちゃったんだよね。あー。ダメだ。…恥ずかしい。…まあ、いっか!これ、41さんみたいだな、私w」
ーー
エミは脅える日々から解放された安心感で、ぐっすり眠れた。
ーーそして元気な朝を迎える。
エミ「あれ?これって…。」
エミの死神のタトゥーの色は薄くなっていた。
エミ《カラダも軽い。…こんなことあるの?》
また、涙が溢れてくる。
エミ《アタシも不思議分けてもらえたのかな。41さんたち祝福って言葉使ってた。これ?」
エミ「よし!がんばる!」
ーーーーーーーー
41たちのバカ騒ぎから数日後。
ここは東京のとある住宅街。
腹を空かしエサを求める野良猫がさまよっていた。
野良猫「にゃーにゃー。にゃーにゃー」
そこに一人の少女が通りかかる。
マミ「ねこちゃん。お腹すいてんの?」
野良猫「にゃーにゃー」
マミ「じゃあ、ちょっと待ってね。」
マミがガサガサと自分のバッグを漁る。
マミ「へへー。これアタシの秘密のおやつなんだ。友達に見られちゃうと恥ずかしいけど大好きなの。これあげるね。」
マミは野良猫に魚肉ソーセージをあげた。
久しぶりの食べ物。
がっついて食べる。
マミ「スゴいなー。よっぽどお腹減ってたんだね。じゃあ、もう一本あげるよ。これで終わり。ねこちゃん、じゃあねー。」
その時、野良猫のアタマに一瞬記憶が甦る。
野良猫《今の女の子は…。オレたちに追いつめられて飛び降りした女だ。なのにオレにエサを。…ゴメン。ありがとう。ゴメン…》
再び記憶は薄れていく。
だが涙が止まらない。
餌にありつけた嬉しさと説明のできない悲しさ。
猫の脳では理解できない。
ひたすら鳴くだけだ。
野良猫「にゃーん、にゃーん」
ーーーー
ねこにエサをあげた少女・マミには《糸》がつながれている。
ねこにゃんとぴょこにゃんにつながれた《糸》だ。
この《糸》はマミが掴んだ祝福の未来につながっている。
マミは死から魂を再構築されこの世界線で生きている。
過去から現在までの因果は全て、ねこにゃんとぴょこにゃんに描き変えられている。
本人や家族、周囲の人の記憶が飛んでいても帳尻が合わされてるのでわからない。
ーー
ねこにゃん「今のねこがタツか。にゃんけんに勝ったからな。ただの野良猫でよかったにゃ。」
ぴょこにゃん「おまい、わざと負けてやっただろ。知ってるにゃん。」
ねこにゃん「おまいだって、手を加えたろ。裁判の円柱に入れた時、アイツの寿命は1年だった。下の幹部にやられて死ぬ未来だったにゃん。」
ぴょこにゃん「ちょっとだけな。野良猫でも何年か生きれるだろ。それにしても、マミに出会うとはな。これ、おまいか?」
ねこにゃん「何もしてないよ。これは、偶然にゃ。」
ぴょこにゃん「また、腹が減ったらマミのとこに行くんだろうにゃ。」
ねこにゃん「そこまでは、わからん。祝福を描くと、こんな事も起きるんだにゃ。タツには祝福と感じ取れないだろうけどさ。」
ぴょこにゃん「やることはやった。マッドピエロも更正させたとはいえ現実に戻ってから、どう生きるかは知らん。あとはお任せだにゃ。」
ねこにゃん「お?それより41見てみろ。何か曲作ってるみたいだぞ。」
ぴょこにゃん「あれ?この曲って。」
ねこにゃん「うちのヒットソング。パクられたにゃんw」
ぴょこにゃん「ずーっと、41とつながってたからな。でも41の作り直したアレンジの方がカッコいいにゃん。次に会えたら、これでいっしょに踊れるぞ。」
ーーーー
ここは東京N23区。41の家。
いつものメンバーが集まっていた。
…というより集合させられていた。
最後と言ってたエミまで来てる。
ーー
ケイ「それで?みんな集めてどうした?」
オレ「あのあと、オレ、曲作ってさ。デモも作ったんだよ。これカラオケボックス持って行ってさ。みんなで歌って録音しない?」
サル「はあ?別にいいけど。オレ歌上手くないよ。」
オレ「ぜんぜんかまわない。メインボーカルはジュンにするから、オレとコーラスで騒いでほしい。」
ジュン「変な歌詞なんだよーw」
ーーーー
ここは41の地元のカラオケボックス。
マイクジャックとミキサーをつなぐ。
ドラムはリズムマシーンで打ち込みだが、ギター、シンセ、もちろんベースはオレが弾いている。
ケイ「カラオケボックスでオリジナルかよw」
サル「フツー。こういうのスタジオ行くんじゃねえの?」
ジュン「手っ取り早いのがいいんだって。一日中、ずーっとこもって作ってた。出来た途端に、一人でワクワクしてるのよ。」
オレ「じゃあ、だいたいメロディは覚えたよな。歌詞はコビー見て。じゃあテイクワン!行くぞー」
全員「おー!」
カラオケから流れるのは41が作ったファンクでポップなダンスミュージック。
歌詞のタイトルにはこう書いてあった。
ーータイトル《FUN FUN In Theは Night 》ーー
[Verse 1]
夜のとばりが、降りてくる頃
街に、にゃんこが、集まってくるよ
嬉しい気持ち、持って歩けば
優しい熱が、包んでくれる
人に言えない、悩みやウソが
積みかさなるのも、人生だけど
心の扉、閉ざさないでね
二次元レンズで、こじ開けてくよ
[Pre-Chorus]
遠い手つかんで、こっちにきなよ。
いつもにゃんこは、踊って暮ーらーすー!
[Chorus]
In the night(いんじゃない!)!
フンフン踊って
In the night(いんじゃない!)!
フンフン騒ぐの
In the night(いんじゃない!)!
フンフン、リズムで、
今日も明日もIn the night(いんじゃない!
[Verse 2]
月とお日さま、バトン渡したら、
空には星も、集まってくるよ。
空を見上げて、胸はり歩けば、
夢持つ心、ときめいてくるよ。
やりきれないこと、悔しい気持ち
持たされるのも、人生だけど。
ひとりぼっちになりそうなときも。
忘れないでね。仲間はいるよ。
[Pre-Chorus]
遠い手つかんで、こっちにきなよ。
いつもにゃんこは、踊って暮ーらーすー!
[Chorus]
In the night(いんじゃない!)!
フンフン踊って
In the night(いんじゃない!)!
フンフン騒ぐの
In the night(いんじゃない!)!
フンフン、リズムで、
今日も明日もIn the night(いんじゃない!
[Bridge]
昨日の君もIn the night(いんじゃない!
過去も未来もIn the night(いんじゃない!
別にどうでもIn the night(いんじゃない!
[Verse 3]
月も、星座も、踊り出すから。
ねこの宴に、人もつらーれる。
重い気持ちを、持った人には、
包み返そう、優しい熱で
悪も正義も、曖昧だから
間違ってるの、わからないけど
結果が全ての、世の中なんて
誰が決めたの、えらそうだよね
[Pre-Chorus]
遠い手つかって、ちゃぶだい返し。
いつもにゃんこは、にゃんけん勝負!
[Final Chorus]
In the night(いんじゃない!)!
フンフン踊って
In the night(いんじゃない!)!
フンフン騒ぐの
In the night(いんじゃない!)!
フンフン、リズムで、
今日も明日もIn the night(いんじゃない!
[Bridge]
昨日の君もIn the night(いんじゃない!
過去も未来もIn the night(いんじゃない!
別にどうでもIn the night(いんじゃない!
[Chorus]
In the night(いんじゃない!)!
フンフン踊って
In the night(いんじゃない!)!
フンフン騒ぐの
In the night(いんじゃない!)!
フンフン、リズムで、
今日も明日もIn the night(いんじゃない! )
ーー
へんてこな歌詞。
二次元レンズや遠い手などの不思議な言葉。
にゃんこシティのヒット曲が胸に刺さる。
歌いながら笑うもの。
歌いながら涙するもの。
歌詞の言う通り。
ーー別にどうでもいいんじゃない。
マッドピエロ編
《了》




