↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
62/96

第60話《マッドピエロ編 最終章 祝福を掴め①解毒される罪》

アイスクリームを夜食に、平和な朝を迎えた41たち。

テレビに映し出されたのは、41が単独で乗り込んだ違法賭博店の摘発ニュース——しかしそこには、不可解な事実が報じられていた。混乱と狂気が解毒した罪とはーー。41の《異質さ》が、世界の理を静かに歪めていく。のんきに繰り広げられる41たちの「焼肉作戦」。一方、追い詰められたマッドピエロのタツは、過剰摂取と強い疑心暗鬼に呑み込まれ、エミの家に駆け込む。向けられる脅迫と暴力に対し、涙を拭い「自分の意思」で立ち向かうエミ。少女の小さな拒絶が手繰り寄せた糸を、神々の《遠い手》が掴み取る。

罪の解毒と運命の交錯を描く、《マッドピエロ編》クライマックス《祝福を掴め》開幕!

第60話《マッドピエロ編 最終章 祝福を掴め①解毒される罪》


ここは東京N23区。41の家。


朝方に帰宅した41、ジュン、ケイの3人はすやすやと眠っていた。


かみかみ「おにゃおー!ごわん!おにゃおー!」


かみかみが何度も呼びかけるも、寝返りを打つくらいで起きる気配がない。


《すくっ》


かみかみは二足で立ち上がる。


かみかみ「あー。ねこねこしてるのも疲れるお。」


かみかみ「ダメダメ三人組だにゃ。こうなったら実力行使するしかないお。ぴしぴしっぽいやつ出そ。」


すると、かみかみの右手から小枝が生えた。


細身の柔らかそうな小枝は、鞭のようにしなる。


《ひゅん》《ひゅん!》《ヒュン!》


《ぺし》《ぺしっ!》


生えてきた小枝を握る。何度か素振りし自分のカラダを叩き威力を確かめてる。


かみかみ「このくらいかにゃ。じゃあ一気にいくお。」


かみかみ「とりゃ!」


《ぺし、ぺし、びし!》


かみかみが並んで寝てる3人のおでこを次々と叩いていく。


叩いた直後、小枝は消えた。


かみかみも、てけてけと四足歩行に戻る。


ジュン「いたっ」


ケイ「てっ!」


41「いって!目がー!」


最後の一発。41には手加減なしでいったようである。


かみかみ「おにゃおー。」


じゅん「…おはよう。かみかみ。ねえ、アンタ今、おでこ引っ掻いた?」


かみかみ「んにゃころしにゃいー。」


ジュン「え?そんなことしないって言ったの?」


ケイ「ふわー。よく寝た。」


オレ「(>。☆)いってー。何か、おでこと目がじんじんする。なあ、オレの顔、猫に引っ掛かれてない?」


ジュン「(((*≧艸≦)ププッ 引っ掛かれてはなさそうだけど、おでこから縦に赤い線出来てるわよ。」


ケイ「注射器でも顔に押し付けて寝てたのかw」


オレ「仰向けで目が覚めたのに?かみかみ。ちょっとこい。」


オレはかみかみを抱き上げ、前足を取って自分の顔を叩いてみた。


《ぽんぽん》


オレ「(*≧ω≦)肉球。かわええー。」


かみかみ「おにゃお!」


オレ「まあ、いいや。かみかみ、おはよっ!」


かみかみ《ねこバカだおw》


ジュンが起き抜けにつけたテレビに、釘付けになっている。


オレ「ジューン。何か面白いのやってんのー?それとも地震?」


ジュン「ねえ。テレビ見て!これジュヒタンの行った店じゃないの?」


オレとケイもテレビに向かった。


ーーテレビには『違法賭博店摘発』のニュースが流れている。


テレビ「…なお。店内で倒れていた数名が救急搬送されましたが命には別状なし。搬送時、興奮状態であったため、薬物の使用も疑われましたが、体内から薬物反応は出なかったという事です。現在は落ち着きを取り戻し、取り調べに応じているとの事です。」


ーーケイ「どういうことだ?」


ジュン「コークスクリュー使ったんでしょ?」


オレ「うん。打ってやった。こいつら元々、スピード常習者だったよ。何でだろ?もしや…囮捜査!」


ケイ「(´・ω・`; )アホの子だなー。陰性だったら、シロになるしかないだろ。」


オレ「だって、ブツモあったろうし、それぞれ注射器も持ってた。押収されててもおかしくないじゃん。」


ジュン「隠したのかな?」


オレ「薬物検査でヘロインだろうがコカインだろうが、何が出ても、オレにはたどり着けないとは思ってたけど…。どうなってんだ?」


かみかみ「にゃいにゃん」

かみかみがオレを見上げて話しかけてきた。


ジュン「え?にゃいにゃん?ないにゃんって言ったの?」


オレ「...いや。オレには『裁判』て聞こえた。かみかみ、そう言った?」


かみかみ「ごわん!」


ケイ「お前ら、ねこ語わかるのか?今、ご飯て言ったのはわかったけど。」


ジュン「そーだった。かみかみ、ごめんね。ご飯食べよう。おいでー。」


かみかみ「にゅーん」


ジュン「え?今、ジュンて呼んだの?かっわいいー。」


オレ《薬物反応が出ない?押収物なし…。裁判?》


オレ「なっぞっだー!」


ケイ「いきなり叫ぶな。確かに謎だ。コークスクリューは、四種類混ぜてるんだろ。何も出ないってあるか?」


オレ「いや。全部出るはずだ。今の検査はそんなに甘くない。大麻だって調べようと思えば便から出るって聞いたことがある。…コークスクリューが相殺した?」


ケイ「そう。それが不思議なんだよ。寝る前にコークスクリューやったろ?今、起きたらカラダもスッキリしてる。たっぷり寝れたのもあると思うけど…。」


オレ「言われてみればそうだ。コークスクリューとニルヴァーナでワンパッケージだろ。オレたちは最後のニルヴァーナで気持ちも整わせて、コークスクリューをたっぷり楽しんでーー、そして、ぐっすり睡眠。ケイの言う通り、今、バリバリ健康状態で起きてる。まさに祝福受けた後みたい。でも昨日話したろ?オレはムカついたんで、やつらを混乱状態で置いたまま、さっさと帰ってきたんだよ。だってニルヴァーナで祝福を与える価値もなかったから…。」


ケイ「うーん。わからんなー。お前、どうやって調合してんだよ?何かレシピでもあるの?」


オレ「レシピなんてあるわけないwケイだって目の前で見てたろ。量なんてテキトーだよ。何人分。いや、何発分てとこかな。」


ケイ「だよなー。」


オレ「もしかしてさ、コークスクリューの混乱て解毒作用なんじゃねーの?脳内麻薬で洗濯機回してキレイさっぱりとか?」


ケイ「(´・ω・`; )相変わらず天才的なバカの発想だなー。混乱は解毒の副作用って事か?まさかーw」


オレ「だって、事実そうなってるじゃん。だからといって、今から警察に『オレを麻薬検査してみてください』って行く度胸はないけどw」


ケイ「だとしたら、お前マッドピエロ助けてやった事になるぞ。薬物以外の悪さは罰せられるだろうけどな。」


オレ「そっか。薬物はシロなんだもんな。でも助けた?んー。」


オレ《オレの両側に座ってた女。ミキとエリだっけ?被害者が加害者になる仕組みにはめられてた。かわいそうだし哀れな女たち。従わなきゃ、もっとひどい目にあう。でも、もっとひどい目にあってた子達の事考えれば…。》


オレ「助けてはないだろ。…でも解放されるかもね。」


ケイ「マッドピエロから?」


オレ「薬物からだよ。偉そうな事言えた立場じゃないけどさ。オレたちはついてた。アイツらは、この世界の入り方間違ったな。まあ開けてみないと、いい扉か、悪い扉かわからない。そこは運だろ。いい連鎖と悪い連鎖どっちかって。」


ケイ「そうなんだよなー。この世界入ってからも簡単じゃないからなー。オレも何人も仲間失ってきた。今が一番安心できてる。」


オレ「( ・`ω・´)ケイ。何言ってんだ。今が一番安心できてないだろ。まだ終わってないよ。」


ケイ「あー。そうだったな。…今晩もか。」


オレ「そう。サルの家にタツが来る。まあ、アイツらも今、ゴタゴタしてるから、来るかどうかわからないけどね。」


ケイ「そのゴタゴタ作ったのは?」


オレ「(*≧ω≦)私であります!」


ジュン「ジュヒタン。また悪い顔してるよ!」


かみかみ「にゃおにゃお。」


オレ「かみかみ。お前『してるよ』って言った?」


かみかみ「んにゃ」

かみかみが頚を縦に振る。明らかにうなずいてる。


オレ「(*≧ω≦)そっか!」


ケイ「ここの家、オカルトハウスだ。」


かみかみが、てけてけと歩き、ケイの前に座った。


かみかみ「にゃい!」


ケイ「(´・ω・`; )どうしよう。ケイって聞こえる。」


ジュン「かみかみは喋れるんだもんねー。」


かみかみ「(*≧ω≦)にゅーん」


ジュン「笑った?呼んだの?キャー!めっちゃ好きよ、かみかみー!ギュー」


ジュンがかみかみを抱きしめる。


オレ「(*≧ω≦)確かにオカルトハウスだわ…。」


ケイ「で、今晩はどうすんだ?」


オレ「焼肉食べたい。」


ケイ「( ・`ω・´)食べたいモノ聞いてるんじゃねえ。サルの事だよ!」


オレ「( ̄^ ̄)まだノープランす。焼肉食べれば思いつくかもしれないっす。」


ジュン「赤坂見附の焼肉店行こうよ!あそこ好きー!」


オレ「じゃあ、シャワー浴びて出掛けよう。そっから決めようぜ。カルビ作戦。」


ケイ「どんな作戦だよ。」


オレ「間違った。サンチュ作戦。」


ケイ「タン塩作戦の方がいいんじゃねえか?」


ジュン「アタシはレバ刺しからのユッケ作戦。」


ーーーー


《ここは41の中の異空間》


ねこにゃん「おりはジュンに賛成にゃん」


ぴょこにゃん「いや、ケイが正しいんじゃないか?」


ねこにゃん「とりあえず証拠品は押収したからにゃ。ねこ裁判するにょさ。」


ぴょこにゃん「それにしても、ヨーニャのブレンドすごいにゃー。毒も薬にって、これの事か。さすが《ヤク》を司る神。だから医者なのか。」


ねこにゃん「いや。あれはさらに、41が扱うからそうなるだけの事にゃ。フツーは検査したら全部出るよ。」


ぴょこにゃん「ヨーニャの本体か。不思議なヤツだよにゃー。落ち着いたら深く調べてみたいにゃ。」


ねこにゃん「止めてた時間も動き出したにゃ。41が次に寝るまでにケリつけるぞ。時間の流れが違うからにゃ。次に41寝るとヨーニャは半年寝ちゃう。」


ぴょこにゃん「今、二匹捕まえてるだろ。あともう一匹。ボスを捕まえるにゃん。こっちで半年は勾留できる。その間に裁判なりヨーニャの病院で更正させるにゃんよ。」


ねこにゃん「こっちで半年でも、現実世界だと明日には返せるにゃん。」


ぴょこにゃん「判決次第だけどにゃ。人として戻れるか、それとも…。」


ねこにゃん「他はどうするにゃ?悪さしたのは《ねこ隠し》で連れてくるとして、犠牲者たちは救うにょか?」


ぴょこにゃん「んー。おりたちは41以外の事は干渉しないでいいんじゃないか?キリがないだろ?」


ねこにゃん「…そうだよにゃ。《糸》伸ばせる範囲。あとは41の判断に任せよう。おり、コイツ気に入ったにゃ。できるだけサポートする。」


ぴょこにゃん「なあ。やっぱりハラミ作戦にしない?」


ねこにゃん「しゃぶしゃぶ作戦に変更でもいいにゃよ」


ーーーー


ところ変わって、ーーここはT13区。


エミの家にタツが来ていた。


夕方のニュースに違法賭博店摘発事件が流れている。


タツ「くっそ!どうなってやがる。昨日行ってたらオレまでパクられてた。」


ニュースで知る前に仲間からタツに連絡は入っていた。そして、41たちと同じ疑問を持つ。薬物がシロ?


タツはさらに、スピードの作用で脅迫観念と強い疑心暗鬼に囚われていた。


タツ《スピードの件が出てない?あそこには佐藤さんもいたし、スピードの在庫も道具も大量に隠してあった。それに、ロクも佐藤さんも行方不明。捕まったヤツらもペラペラ喋るような雑魚たちだ。違法賭博は、上が仕切ってたから、そこまでだとしても、ーー何で俺に手が伸びてこない…。もう、全部ゲロされて、オレは泳がされてるのか?それとも、佐藤とロクは行方不明って事になってるが、実はサツと取引してオレは売られてる?あー。イライラする。》


タツだけではなく、他の仲間にも警察の捜査は入っていなかった。


摘発のニュース以外は平穏。何も起きない事が逆に不安を増大させる。


タツ「おい。エミ。お前本当に何も知らねえんだろうな?」


エミ「知らないです。アタシもこのニュースで知っただけだから。」


タツ「あー、イラつくぜ。」


タツは腕をまくりスピードを打つ。エミの家に上がり込んでから30分ほど。これで二発目だ。


しかし、スピードはざわついた心を落ち着かせてはくれない。追うほどに、ますます複雑な思考の迷路を広げていくだけだった。


タツ「おら。こっちこいよ。やれ!」


タツはエミを引き寄せ、いつものように奉仕させようとした。


ところがーー


エミ「いやです!もうやりません。」


タツ「ざけんなよ。いろいろバラされてえのか。やれ!」


無理矢理アタマをつかみ自分の股間に押しつける。


エミ《もう絶対やらない。言いなりになるもんか。ここで、また言いなりになるようなら、41さん助けてくれない。》


エミ「やめて!大きな声出しますよ!警察来たら、まずいんじゃないですか!」


エミは泣きながらも決意を固めた目でタツを真っ直ぐ睨んだ。


タツ「チッ。じゃあ、お前の生写真とかばら蒔いて、今度は目線なしでエロ本のせてやるよ。後悔すんなよ!」


エミ「…後悔するのはアンタよ。」


タツ「何だとコラ。女なら殴られねえと思ってんのか?」


エミ「アンタに殴られた人なんて、いっぱい見てきた。今度はアタシの番なんでしょ。殴りなさいよ。そしたら警察呼ぶ。」


タツ「バーカ。そしたら、お前もスピードで逮捕されるぞ。いざとなったら、オレは警察にも上にもコネがあるんだよ。サツなんか怖くねえ。じゃなきゃ原宿なんかで遊んでられるかっつーのw」


エミ「…そんなんじゃない。もっと怖い目にあうと思う。その時、後悔すればいいんだ。」


タツ「はあ?何の事だ?誰かついてんのか?」


エミ「知ってても言わない。帰って!」


タツ「チッ!」


《バタン!》


玄関の扉を閉めてタツは出ていった。


エミ《41さん。エミは言うこと聞かなかったし言わなかったよ。だから助けて…。》


エミは座り込み泣きじゃくった。


ーーーー


41からエミへとつないだ《糸》でその様子を観察してた二柱。


ねこにゃん「これ、どうするにゃ?」


ぴょこにゃん「41はもうエミに連絡する気ないだろ。ドキュメンタリー『知られない事実』ってとこだにゃ。」


ねこにゃん「( ・`ω・´)おまい本気か?おりと同じ成分のくせに、そーゆーとこ機械チックだよにゃ。」


ぴょこにゃん「( ・`ω・´)おまいこそ、人間に関わってから入れ込み過ぎにゃ。熱くなるなよ。ふざけただけにゃん。」


ねこにゃん「…確かにな。41に入ってから影響されてるのは事実にゃ。平行していろんなもの見てるから処理や決断に迷うとこもある。」


ぴょこにゃん「全知全能どこ行った?」


ねこにゃん「学習するほど能力落ちてる気がするにゃ。でも、知ったら見過ごせない。知らない事は知らないでいいのかもにゃ。」


ぴょこにゃん「おりもだよ。さっきはふざけちゃったけど見過ごせない。41には手間かけさせて悪いけど、また動かさせてもらうにゃん。エミも助けてやろう。」


ねこにゃん「最初からそう言えばいいにょに。」


ぴょこにゃん「おりたちは、そういう作りだろ。ふざけないと、いい答え出ないにゃん」


ーーねこにゃん「じゃあ、やるか。二次元レンズ起動。現在の状況、条件から未来の交錯点予測。アルファレンズ、ベータレンズ同期、補正完了。」


ーー空間が波紋のように震え光の網が広がっていく。


曼荼羅模様の11個のレンズ。

各レンズが多重写しのように分裂した世界を映し出す。


ぴょこにゃん「よし。アルファ・ベータ11レンズを未来線に偏向するぞ。アルファ・ベータの《知》を共有モードに。未来視可能性計算。フルフォーカス。次元フィルダーをイレブンで刻むぞ。最適解の画像マーキング。」


数えきれない未来が水面に映る泡のように現れては弾ける。


そして重なりあう世界線が一本の糸に収束していく。


ねこぴょこ「よし、見えたぞ!リアルフォーカス!《遠い手》で祝福の未来を掴め!」


ーーーーエスネコ「(*≧ω≦)にゃ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。