第57話《マッドピエロ編 サーチ&アタック――マッドピエロ掃討戦②》
サルの背後で暗躍する凶悪集団「マッドピエロ」を叩くため、自ら動き出した41。
出撃を前に、ねこにゃんとぴょこにゃんの閃きによって、至高の四毒は思いもよらぬ「新たな形態」へと進化を遂げる。
情報を追って向かった先で待ち受けていたのは、異様な違和感と、裏社会の深い闇。
41は持ち前の冷徹な洞察力で状況を見極めながら、敵の潜む街・原宿へと足を進めていく。
頭の中で響き渡るねこ神たちの激しい詠唱。
夜空に浮かぶ満月が怪しく照らす中、虹色の螺旋を秘めた41の「マッドピエロ見学」がいま始まる!
第57話《マッドピエロ編 サーチ&アタック――マッドピエロ掃討戦②》
ここは東京N23区。オレの家。
今は、夜の10時を回ったくらい。
起きたのが夕方6時頃だったから、感覚的には昼。
サルの女・エミに電話した時は、すぐ出発ってノリだったんだけど、出陣のコーク決めたり、お出かけ前のシャワー浴びたりしてたらこんな時間になっちゃった。
これでも、サクサク動いて準備してたつもりなんだけど、ジャンキーの時間感覚はダメダメだな。
キメてからの「味わいタイム」と「ふざけタイム」が長い。
楽しい時間は早く過ぎる。
週末だけでも、1日48時間あればいいのにって思う。
それだけ遊んでられるから。
でも、今はオレのヤク絡みで、友人のサルがスピード漬けにされるという事態。
そもそも、サルが余計な事言わなきゃ良かったのにって思うけど、後の祭りだ…。
始まったものはしょうがない。こっちから動くことにした。
作戦はーー(*≧ω≦)ない。
ーーーー
ジュン「あー!そのTシャツ着ていくのー。それアタシ好き。初めて会った時、着てたヤツだー。」
ケイ「おー。かっけー!けっこうリアルな木星なんだな。着てるとこ初めて見たよ。」
オレ「( ・`ω・´)気に入ってたのに、お前らがジュピタン、ジュピタン言うから着なかったんだよ。」
ケイ「(*≧∀≦)悪かったな。でも似合ってるよ。」
オレ「(*>ω<*)この嵐に沈めてやる!」
ケイ「何を?」
オレ「(*≧ω≦)マッドピエロを!」
ケイ「どうやって?」
オレ( ̄^ ̄)それは…聞くな。」
ケイ「(*≧∀≦)考えてない。」
オレ「作戦名は《閃き》!」
ケイ「(*≧∀≦)素直に、出たとこ勝負って言えよ。」
ーーーーと、無駄な時間を重ねながらも準備完了。
あらかじめ作っておいた《コークスクリュー》をインスリンのガラス容器に移した。また乾燥させたモノは小さく折り畳んだ油紙に入れた。
ここで、またひとつ謎が生まれた。
コーク、ヘロイン、スピード、アシッドを混ぜた水溶液をドライヤーで水分を飛ばしたのだが、混ぜた量よりコンパクトになった。それだけ濃度が高いモノになったのかもしれないが、明らかに形がおかしい。
スプーンの上に固形化した《コークスクリュー》は、平たい球体の錠剤のような形になっていた。
オレ《…何これ?》
ーーーー
これは41のアタマの中の二柱が干渉していた。
ねこにゃん「あー。もっとラムネっぽくしたかったにゃん。」
ぴよこにゃん「それは、やりすぎ。これでも、十分不自然。表面がピカピカにゃんよ。」
ねこにゃん「でも、ずいぶんちっちゃく、できたよにゃ?」
ぴょこにゃん「コンパクトだから持ち運び便利。ただし分量注意にゃ。」
ねこにゃん「オレ、もうひとつアイデア浮かんだけど、これどう?」
共通意思モードで、ぴょこにゃんにアイデアが伝達される。
ぴよこにゃん「いいジャマイカ。さっそく41にインスピレーション渡すにゃん」
ねこにゃん「武器っぽくなる。」
ぴょこにゃん「防犯対策みたいだけどにゃ。」
ねこにゃん「(*≧ω≦)にー。」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)にー。」
ーーーー
ジュン「ねえ。そろそろ出るんでしょー。だらだらしてたら、また明日になっちゃうよ。それともやめるー?」
オレ「ん?…ジュン。お前化粧水とか小分けする容器持ってる?シュッってスプレーできるやつ。」
ジュン「あるけど、どうするの?」
オレ「だったら、それちょうだい。それにコークスクリュー薄めて入れてみる。」
ジュン「ちょっと待って。すぐ出すから。」
ケイ「どうやって使うんだよ?」
オレ「まあ、いいから。これだけ試したらすぐ出かけるから。」
ジュン「はい。これ。」
オレはインスリンの容器に移していた《コークスクリュー》を注射器で抜き5倍ほどに薄めた。それをもらった容器に移す。
そしてそれを鼻と口に当たるように一吹きしてみる。
《シュッ》
オレ「(*≧ω≦)ん?んんんん?」
ケイ「どした?」
オレ「じゃあ、ケイとジュンにも一吹きしてやるよ。」
《シュッ!シュッ!》
ケイ「お?こ、これでも効くのか!」
ジュン「これ、水で薄めたんでしょ?でも、さっきのコークスクリューの感じわかる!」
ケイ「あ。…ヤバい。」
シュッ「あー、これ目にくる…。テレビの画面が立体に見えてきた。寝る前にやったからかな…。こんだけでフラッシュバックする…。」
オレ「だろ?思いつきだけどさ。何かあったらシュッと、ひと吹き。痴漢防止スプレーにも!とにかく、出かけるから《ニルヴァーナ》一服して整えよう。」
ケイ「そうしてくれ。これじゃ運転できない。」
ジュン「アタシたち、これ打ってたの?薄めたスプレーでも効くなんてね。初めてやられたらワケわからなくなっちゃうよw」
オレ「まあね。もしかしたらエミから、マッドピエロのたまり場聞けるかもしれないだろ?そしたら潜入捜査行くからさ。その時、何かあったときの防犯対策w」
ケイ「(´・ω・`; )バカの考えることはわからねえなー。」
ジュン「(´・ω・`; )発想がね…。フツー、もったいないって思うけど…。」
オレ「(*≧ω≦)よし、ニルヴァーナやって落ち着いたろ?出かけるぞ!」
オレたちはエミに聞いた住所に向かった。
ーーーー
ここは東京T13区。エミに教えられた住所。
ここは、戦後のバラック街の近くだ。
ごちゃごちゃと複雑な細い道。
オレはケイの隣で地図を見てナビをする。
だいたい近くまで来れてるはずだ。
いったんコンビニに車を止め、公衆電話からエミに電話してみた。
オレ「もしもしー。遅くなってすいません。今、PYPYマートってとこにいるんですけど、ここから、近いですか?…。ハイハイ。この十字路を真っ直ぐで、ニ本目を右で、…左側。コーポ…てアパートの隣。おっけー。わかりました。ここから5分くらい?ハイ。じゃあ、今行きまーす。」
ーー
ケイ「どうだった?」
オレ「( ̄^ ̄)ここから歩いて5分くらいだってさ。どうよ、この地図読解力。」
ケイ「( ;∀;)つーより、ここアメ車で通るオレの苦労に感謝しろ。ギリギリ曲がれたとことか、戻れる自身ねえよ。」
オレ「(*≧∀≦)さんきゅーってば。感謝してる。ここからは、オレ一人で歩いて行ってくるよ。話っつっても、たまり場とか具体的な相談内容聞くだけだから、いいとこ10~15分くらいだろ。このコンビニで飲み物でも買って待ってて。」
ジュン「エミ、一人なの?待ち伏せとかされてないよね?」
オレ「そこまでするかな?わかんない。危なかったらすぐ逃げてくる。そのための防犯スプレーだしw」
ケイ「(((*≧艸≦)ププッ麻薬巻き散らかして逃げるヤツ聞いた事ねえ。」
ジュン「( ・`ω・´)それとー。変なことすんなよ!」
ケイ「(*≧∀≦)色仕掛けってか?」
オレ「(´・ω・`; )しませんてば。とにかく行ってくる」
ーーコンビニを後にしてエミの家に向かう。
オレ《ここらへん。実は土地勘あるんだよな。しばらく会ってないけど叔母さん元気かな…。》
《オレの家庭環境は複雑だ。身の上話みたいになっちゃうから誰にも話してないけど…。》
ーーそんなことを考えてるうちに目印の建物を見つけた。
小さなマンション。
たぶんワンルームで構成されてるんだろう。
5階建て。一応エレベーター付きか。
んで、階段と…。
非常階段はここね。
いざとなったらの逃げ道は確認。小さなエントランスからエレベーターに乗る。
オレ《ここか。305号室》
《ピンポーン》
《ガチャ》
エミ「わざわざ、すいません。上がってください。」
オレ「おじゃましまーす」
ーーワンルームというか、1Kだね。
思ってたより広い。
バストイレ別。
小さなキッチンにフローリングの8畳ほどの部屋。
収納付き。ベッドとテレビ。
小さなテーブルと座椅子が二つ。
化粧台はピンクで彩られてる。
女の子の一人暮らしって感じだな。
二つ目の座椅子はサルの座る場所なのかな。
でも、この部屋って、何か生活感ない。
引っ越したばかりなのか?何でだろ。
オレが来るんで掃除したり片付けたのか?
ーーエミの部屋に説明できない違和感を覚えた。
ーーーー
エミ「狭くてすいません。41さん。ここ座ってください。」
オレ「いや、ここ広いよ。8畳はあるでしょ。」
オレは座椅子に腰掛ける。
エミ「41さん。一人ですか?」
オレ「(*≧ω≦)見ての通り一人だよ。」
エミ「何か飲みますか?ビールとかありますよ。」
オレ「ありがとう。じゃあお茶あったらお願い。オレ、この後、用事できるかもしれないんで、そんなに長居できないんだ。」
エミ「忙しいのにすいません。ちょっと待ってて下さいね。」
エミがペットボトルのお茶を持ってきた。
エミは立ったまま。
オレ「じゃあ、早速なんだけどさ。できたら教えてほしい事があるんだ。それと、最近サルと会った?」
エミ「…サルさん。1週間くらい前から電話出てくれなくて、その前は家に遊びに行ってたりしてたんですけど。」
オレ「そっかー。オレもサルとずーっと連絡つかなくて心配してたんだよ。そしたらケイがサルがおかしいって、昨日、いや一昨日かな。教えに来てさ。」
エミ「そうだったんですね…。」
オレ《絶対、何か知ってるよなー。だってサルにタツに電話させたら、エミにスピード持ってかせるかもとか言われたんだろ?》
エミ「41さん。…アタシ、モデルやってるんです。写真見せますね。」
エミは立ち上がったまま化粧台へ行き、引き出しから何かを取り出してる。
オレ「モデル?あ、そーなの?へー。見せてよ。」
オレ《はあ?モデルー?とてもモデルやるような容姿には見えないけど。それに死神のタトゥー入れたモデルってありなの?タトゥー専門誌とか?》
エミ「これです。」
エミは4~5枚ほどの写真をオレに手渡しそのまま隣に座った。
そこには全裸のエミが写っていた。
それも開脚し陰部まで露にしている。
オレ「これ?」
エミ「…ハイ。…どうですか?」
オレ《これ、何て答えればいいんだ?モデルってのも予想外だったけど、さらに予想外。とりあえず無難な答えは…。》
オレ「キレイに撮れてるね。」
オレ《(´・ω・`; )こんなの急に見せられて、何て言えばいいんだよ。》
数枚めくると、さらに猥褻なポーズの写真が出てくる。
そして男と絡んでるモノまで写っていた。
オレ《あれ?これって…。モデルってエロ本のモデルじゃない?》
写真を見ていたら、横に座っていたエミがオレの股間に手を伸ばし、ジッパーとパンツを下げた。
そのまま頭を降ろし口での行為を始める。
オレ《は?》
虚をつかれたオレはビックリする事さえできない。
オレ《何だ、この展開?》
エミは懸命に行為を続けてる。
オレ《このまま、誰かが踏み込んで来て美人局ってパターンか?》
オレ《いや。そんなんじゃないな。》
オレは冷静に見下ろす。だって勃つわけない。それはヤクの影響。
「ヘロインの神は女神様なんだ。だから浮気は許さない。いくら興奮しても勃たせないようにさせるんだよ」ってMちゃんが言ってた。
ホントその通りなんだよ。
ーー《外見と不釣り合いなエロ本のモデル》
《誰かが乗り込んでくる様子もない》ーー
ーーーそして、このエミの異様な必死さ。
勃たないから、勃たせようと頑張ってるのかもしれないけど、それ以上のモノを感じる。
恋愛感情じゃない。美人局もこない。
エミをこんなに必死にさせてるのは何だ?
ーーーー
《助けて…》
オレ《ん?これは心の声?幻聴?》
エミの心の声が聞こえてくる。
ーー
エミ《助けて。何でもするから。全部見せるから。お願いできる人がいないの。そのためなら…。》
ーーオレ《…マジかよ。脅されてるってコレか。》
オレ《そうか。さっきの写真。…この子はモノとして扱われてきたのかも。だから自分をモノとして献上するしかないのか。》
オレ《でも、オレはいつでも手に入るモノには興味ないし…。いきなり、こんな安売りの押し売りされてもな…。》
ーーーー
熱帯夜の夜。エアコンの効いた部屋。
エミの熱と相反するオレの白けた気分。
空気もさらに乾いて行く。
ーー
オレ「(´・ω・`; )あー。もういいよ…。」
オレはエミの頭にそっと手を乗せた。
下から見上げたエミは希望が断たれたような表情をしている。そしてオレの手を取り自分の胸に持っていき、また行為を続け出した。
オレ《(´・ω・`; )困ったなー。やめないよこの子。ヤバイほど追い詰められてるのかなー。さっきの声が本当なら怒るのもかわいそうだし…。》
ーー
オレ「ホント、もういいから。話を先にさせて。」
ゆっくりとアタマをあげるエミから諦めの感情が伝わってくる。
エミ「…。ごめんなさい。アタシ下手ですよね。」
オレ《(´・ω・`; )あー。めんどくさー。上手いとか下手とかじゃねーんだよ。インポって思われるのも癪だし。ヘロインやってるからとか言えないし。》
オレ「(´・ω・`; )んー。下手ではないよ。ちょっとこっち側の都合でね。」
エミ「…ジュンさん、いますもんね。すいませんでした…。」
オレ《めんどくさっ!》
オレ「(*≧ω≦)じゃあ浮気相手になる?」
オレ《めんどくさいには、これでいいや。》
エミ「本当ですか?」
エミの顔が少し明るくなった。
嘘の希望にもしがみつくのか。
オレ「(*≧ω≦)わからない。でも、今はそういう風にわかって。ところで、オレ、話聞いてもいい?」
エミ「…わかりました。」
エミはご丁寧にウエットティッシュで拭いて、ジッパーまであげてくれた。
エミ「…突然。すいませんでした…。」
説明も言い訳もつかない気まずさ。
そこはオレの考える部分じゃないけど…。
オレ「ビックリしたけどね。この写真は何?そういえば、この写真はまだタトゥー入ってない頃なんだね。モデルって、もしかしてエロ本のモデル?」
エミ「…そうです。これは素人投稿の、エロ雑誌で、本になるときには顔がわからないように目隠しの黒い線が入ってます。もちろん、あそこも…。」
オレ《(*≧ω≦)あそこもって、無修正見せといて今さらw》
オレ「自分から始めたの?」
エミがまた暗い顔になる。
エミ「もともとアタシ西日本の出身で、東京に来たんですけど、バイトやめてお金なくて…。モデル募集ってあったんで、そこからもっとお金稼げるよって話に…。」
オレ「怖い人に脅されてるって、この事?」
エミ「…ハイ。顔バレさせるとか、イヤならもっと稼げるから風俗紹介するって。で、スピードやれって断れなくて、そのままズルズルと…。抜け出したいんですけど。相談できる人が誰もいなくて…。」
オレ「それがマッドピエロって事?」
エミ「ハイ。サルさんの友達の後ろには、もっと怖い人たちがいるみたいで…。」
オレ《ケツ持ちがいるって事か。厄介だなー。》
オレ「タツって誰なの?」
エミの表情が強張る。
エミ「…サルさんには、内緒なんですけど、そこのアタマの人です…。」
オレ《アタリだ。やっぱりねー。》
オレ「エミちゃんてさ。そのタツの女じゃないの?違う?」
またさらにエミの顔が強張る。
観念したように話し出した。
エミ「タツさんに決まった女はいません…。アタシみたいな女の子たちが何人もいて。たまたま41さんから回ってきたモノをスゴく気に入っちゃったんです。タツさんのバックにいる人たちから回ってくるのは、ほとんどスピードだけなんで。タツさんはサルさんに41さんに会わせろってしつこく言ってたんですけど無理ってなって、それでアタシに…。」
オレ「サルの彼女になれという流れね。女紹介してやったんだから借りを返せってなるわけだ。」
エミ「その通りです。あの…。この事とか今日41さんにした事とか…。」
オレ「(*≧ω≦)もちろん。内緒ですよ。オレの予想とほぼ当たってたから、そこらへんの話はもういいや。ところでさー。マッドピエロってどこにいるの?たまり場とか。何ならタツってヤツの家知ってる?」
エミ「知ってます。原宿の古くて大きいアパートって知ってますか?その裏側で、えーと…。竹下通り側?から入った雑居ビルの地下の『サーカス』って店に集まってます。タツさんの家は住所はわからないけど、地図なら描けます。」
オレ《(*≧ω≦)ピエロにサーカス。ネーミングセンスねえなーw》
オレ「じゃあ、その店とタツの家の地図。今すぐ描いてくれる?」
エミ「…何するんですか?アタシ大丈夫ですか?」
オレ《( ・`ω・´)ここまで来て保身かよ。タダで助かる保証なんてできるわけねえだろ。…まあ、それは後回しだ。》
オレ「(*≧ω≦)何もしないよー。どんな感じの人たちなのか見学に行こうかなってさ。一般人入れないの?」
エミ「入れるけど…。41さん目立ちますよ。でもポーカーゲームとか置いてあるんで、サラリーマンみたいな人も見たことあります。」
オレ《ポーカーゲームか。スピードに女。違法ギャンブル。まあケツ持ちいても当たり前だなー。まあ、いざとなったら…。うーん。家系とか身内に頼るのは…。》
オレ《(*≧ω≦)そんとき考えればいいや!》
エミが地図を描いている。
ここに来てから15分くらいかな。
あまり待たせると二人にキレられる。
特にジュンに疑われると面倒だ。
エミ「できました。これです。…あのー。アタシは何すれば…?」
オレ「オレはここに来てない。君の連絡先も放らない。わかる?」
エミ「わかりました。本当に怖い人たちなんで気をつけてください。目の前で見せしめでヤキ入れたり、袋叩きにあった人とか見たことあるんで…。」
オレ「ちなみに今日タツは?そしてマッドピエロって、どんなファッションが好きな人たち?オレと仲良くなれそう?」
エミ「服装はバラバラですけど。スタッズの革ジャン着たり。みんなタトゥー入れてるんで、それが見えるような服かな…。今日タツさんはどこにいるか、わからないけど、明日はサルさんちに行くと思います。でも…みんな41さんと仲良くなりたいんじゃないかと思います。」
オレ「(´・ω・`; )服装はイメージついたけど、オレと仲良くなりたいー?何で?」
エミ「…サルさんから、41さんの『モノ』が入ってきたとき、みんなスゴい騒いでて…。変な言い方なんですけど、41さんて都市伝説扱いなってますよ。」
オレ「(´・ω・`; )はあ?オカルトかよ。」
エミ「昔から極上のモノしか扱わない人たちがいるって。いろんな国と特別なコネクション持ってて直接取引してる。そこからだんだん下に降りてくるから、みんな《末端》なんだって言ってました。でも、その人たちにはどうやっても会えないし、つながり方もわからないって。」
オレ《(´・ω・`; )はあ…。まあ、当たりと言えば当たりだけど。キレイに話盛りすぎ。昔からやってるだけで、そっから脱落した屍たちがどんだけいるか考えた事ないだろ。末端なんて気にした事ないもんなー。もっと用心しよー。》
エミ「あのー。ところで、この前お会いした時は思わなかったんですけど。41さんてアタシの知り合いの誰か似てるんですよね。緊張してたのと初めてやらせてもらったダウナーとか、ごちそうになってたのもあると思うんですけど、この前会った時と違う顔に見えて…。」
オレ「(*≧ω≦)知り合いの誰かって何だよ、そう?まあこんな顔だよ。じゃあ行くから。」
エミ「ハイ。」
オレ「じゃあねー」
用事がすんだので、オレはとっとと退散だ。都市伝説だ?ーーバカじゃねえの?
ーー
エミ「まずい事したかな…。でも、あの人が一番信じられる気がして。…ぜんぜん反応してくれなかった…。けっこう勇気出したけど、相手にもされないのかぁ…。でも41さんて、あんな顔だっけ?」
エミには以前の印象と今日見た41の顔が、二重に見えた。
そして、忘れないように記憶しようとするほど、知り合いの誰かに似てる顔になってしまう。
ーーーー
《フェイクマスク》
ねこぴょこが41の顔バレ対策用に構築した力。
これにより41が敵と認定した相手は、41の顔を正しく認識できない。
41を見たものはこう思う。
「この人、知り合いの誰かに似てる。でも、思い出せない。」
万人に似顔絵を書かせても違う絵になる。
そして写真の画像に収めることができたとしても、その顔は「知り合いの誰か」に似た顔に写るのであった。
《一度裏切ったヤツはまた裏切る》
エミは41に敵として認定されていた。
ーーーー
そして、オレはエミの家から、ジュンたちの待つコンビニに戻った。
オレ「(*≧ω≦)ただいまー!わかったよ。いろいろ。」
ジュン「意外と早かったわね。」
ケイ「それで?」
オレ「たまり場あったぞ。原宿にゴーだ。」
ジュン「(´・ω・`; )えー。今から行くのー?」
ケイ「どんなヤツラだって?」
オレ「(*≧ω≦)詳しくは行く途中で話すよ。」
ケイ「(´・ω・`; )行く前に聞いときたいんだけど」
オレ「(*≧ω≦)今、聞いたら、お前ら行かないって言うもん。だから途中で決めよう!」
ジュン「(´・ω・`; )行く気だー。」
ケイ「(´・ω・`; )帰りてえ。」
オレ「行くのはオレだけでいいよ。また、どこかで待っててくれれば。」
ジュン「大丈夫なの?何日かもらえれば、アタシの知り合いで格闘技やってる人とか紹介するわよ。」
オレ「それじゃ、その人に迷惑かかるじゃん。誰も巻き込まないって言ったろ。それにオレには防犯スプレーがある!」
ジュン「(´・ω・`; )…何とかに刃物よね…。」
オレ「(*≧ω≦)はっきり言えよ。ジャンキーに麻薬!当たり前じゃん。」
ケイ「(´・ω・`; )ダメだ。止められない。」
ーーーーすでに日付が変わろうとしている。
オレは今から原宿のマッドピエロ見学だ。
車から見えた夜空には、赤い月が満月を迎えようとキレイに輝いている
ーー41の中の二柱の詠唱が響く。
ーーねこにゃん「《魔のつくもの全て》の権能にて、対象者の視界を《視たいもの》へと変容せよ。
望みを抱く者には幸福を、恐れを抱く者には絶望を見せる。
月の魔力を付与。
新月より熟成させ、満月の夜に最大効果を顕す。
ねこにゃんの名において、この螺旋を——《コークスクリュー》に命ず。」
ーーぴょこにゃん 「《マッドサイエンティスト》の権能にて、最適分量比率を構築。
A10神経より溢れるドーパピン分泌を予測し、混乱の兆しとともに分泌量を跳ね上げる。
恐怖感情を感知せしとき、発狂リミッターを自動発動——破滅と生還の境界線を制御する。」
ねこにゃん「《コークスクリュー》よ。41が敵と見なしたもの全てを蹂躙せよ!」
ぴょこにゃん「起動しろ!コークスクリュー!」
ーー《ギュルゥ…》
41のポケットにしまわれた《コークスクリュー》が虹色の螺旋を描き出した。
ーーーー
オレ「(*≧ω≦)満月だー。いい夜じゃーん!」




