第56話《マッドピエロ編 サーチ&アタック――マッドピエロ掃討戦①》
サルの治療を終え、夕方6時に目を覚ました41たち。
「マッドピエロを倒すんど!」
謎の方言から始まる相変わらずのバカ騒ぎ。ゆるゆるの日常の中、41はサルの背後で蠢く敵の正体、そしてサルの彼女・エミの複雑な立場を直感で見抜いていく。
マッドピエロの頭目・タツの思惑を打ち砕き、自分たちの情報を手に入れるため、41はエミの自宅へ突入する「潜入捜査(サーチ&アタック)」を宣言。
一方、41の意識の中に潜むねこにゃんとぴょこにゃんは、41を守るべく敵の認識を歪める概念兵器『フェイクマスク』を起動する。
「狂気の渦で溺れられるなんて、ジャンキーにはサイコーの幸せだろー」
木星の嵐を胸に宿し、至高の四毒と《ニルヴァーナ》を携えた41たちの、美しくも狂気に満ちた反撃が始まる!
198X年、東京。世界は不安定で、見えない戦争と終結が繰り返されていた。
土地の値段は異常に跳ね上がり、「S区を売ればアメリカ全土が買える」とまで囁かれる。
政治も経済も闇をはらんだまま密かに回り続け、そのすき間を縫うように異国の文化と人間、そして《闇》が流れ込んできた。
時代の波と呼応するように、新たな名を得た麻薬のルートが開かれ、『ニュータイプのジャンキー』たちが現れ始める。
彼らは快楽の奴隷ではない。
ヤクの神を信じ、自分の美学で遊ぶ戦士だ。
あるジャンキーはこう言った。
「ヤクをやるなら――楽しむこと。健康であること。恐れないこと。侮らないこと。人を不幸にしないこと。仲間は売らないこと。正義を忘れないこと。逃げずに戦うこと。」
そしてもうひとつ。
「ヤクには神様がいる。感謝して向き合えば遊んでくれるし、逃げ腰のヤツは落とされる。理解して向き合うから――その先を見せてよ、神様。」
不思議は、不思議を信じる者の前に現れる。
偶然は必然を呼び、混沌のただ中にこそ調和が芽吹く。
――これは、その渦中に選ばれたひとりのジャンキーの物語である。
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第56話《マッドピエロ編 サーチ&アタック――マッドピエロ掃討戦①》
ここは東京N23区。41の家。
かみかみ「おにゃおー」
オレ「ハイハイ。おはよー」
ジュン「この子、絶対喋ってるよねー。ハイ。かみかみ、おはよー。ご飯ね。」
かみかみ「おにゃおー!ごわん!」
ジュンが皿にドライフードを出す。
かみかみ「ごわん!うにゃっ。うにゃいー」
ジュン「ヤバっ!ジュピタン。ペットショップでトイレと専用の食器買ってあげようよ。てか、アタシ連れて帰っていい?」
オレ「うちに来たんだよ。だからうちの子なの。」
ジュン「かみかみは、どっちが好きー?」
かみかみは、ジュンにすり寄っていった。
かみかみ「ごわーん」
オレ「エサの力じゃねーか。」
アタシ「じゃあ、うちでもトイレとか一式用意しとくから、順番にしようよ。」
オレ「かみかみはどーする?」
かみかみ「おんにゃー」
ジュン「(((*≧艸≦)ププッ 今、女って言ったわよ!」
オレ「( ・`ω・´)裏切り者ー。」
ケイ「(*≧ω≦)何のコントなのコレ?」
ーーーー
一昨日の夜に、監視されスピード漬けにされていた友達、サルを連れ出したオレとケイ。
そしてサルには、精神安定剤と食い物とダウナーを与えるジャンキー流の治療を施した。
その結果、サルはうちで、ぶっ通しで半日爆睡。
サルは明日の夜、自分をスピード漬けにした昔の友達が来るからとさっき帰っていった。
そして、オレたちもサルが寝た後に気持ちよく爆睡した。
おはようと言いながら今は午後の6時だ
ーー
オレ「サルが言ってた明日の夜って今日の夜のこと?」
ケイ「(*≧ω≦)このポンコツ!明日は明日だろ。」
オレ「(´・ω・`; )んー?サル寝る前に、明後日の夜って言ってたような…。サルもオレたちも寝たの朝方だったから、今日って明後日になるんじゃないの…。(*≧ω≦)ニコ!」
ジュン「別に今晩でもいいでしょ?サルは自分ちに帰ったんだから。アンタ何するつもりだったの?」
ケイ「(*≧ω≦)ジュン。聞くだけ無駄だよ。どうせ思いつきだろ。」
オレは立ち上がった。
拳を握り宣言をする。
オレ「( ・`д・´)マッドピエロを倒すんど!」
ケイ(((*≧艸≦)ププッ 倒すんどー?」
ジュン「(((*≧艸≦)ププッ それどこの方言よ?何弁?アンタ何したいのよー」
オレ「(´・ω・`; )…もう一回いいすか?…。」
ケイ「(*≧ω≦)もう十分。お腹一杯だど。」
ジュン「( *´艸`)もう、やめていいどど。」
オレ「(´・ω・`; )何するか忘れちゃったど。」
《ゲラゲラゲラゲラ》
オレ《(´-ω-`)…やっちまったー。何しようしてたか全部ぶっ飛んだー…。》
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《ここは41の中に作られた異空間》
二柱はずっとこのやり取りを観察していた。
ねこにゃん「(*≧ω≦)アタマ大丈夫かコイツ?」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)おりも心配だどー。」
ーーーー
オレ「( ・`д・´)思い出したど。こっちから仕掛けるんだど。」
ケイ「(*≧ω≦)もう気に入ってやがる。主語言えよ。もういいから。」
ジュン「(´・ω・`; )まさか、例のマッドピエロってのに、ちょっかい出す気なの?」
オレ「そうだ。つーか、このままだとサルが削られてくだけだし、またタツってヤツからスピード買う流れになっちゃったんだろ。電話させたのオレだしさー。」
ジュン「何で電話させたの?」
オレ「(´・ω・`; )んー…。何か思いつきっつーか、そうさせた方がいい気がして。」
ーー実は、これは41の中のねこぴょこたちが、サルを通してタツにアクセスするために41を誘導させたのであった。
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再び41の中の異空間。
この、やり取りもリアルタイムで観察中の二柱。
ーー
ねこにゃん「(´・ω・`; )あれ?41にはどうさせればよかったんだっけ?」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)無策にゃん。41に任せたんにゃろ。おりたちが知りたかったから丸投げにゃん」
ねこにゃん「そっか。41、任せたど!」
ぴょこにゃん「おまい、あっちにいってろにゃん」
ーーーー無責任…。
ーーーー
オレ「サルはタツが行けなかったら、代わりにエミに持ってかせるって言ってたよな?」
ジュン「言ってたー。」
ケイ「で?」
オレ「…エミって、実はタツの女なんじゃない?」
ジュン「( ・`ω・´)えー?まさかー。…だとしたら最低!」
ケイ「41はエミから色仕掛けされてるみたいって言ってたよな?あの女、誰でもいいのか?」
ジュン「それは本当っぽいわよ。ねー。ジュピタン?」
ジュンがニヤニヤしながら41の顔を見る。
オレ《(´・ω・`; )…ジュン、頼むー。試しにエミの胸触って反応見たとかケイに言わないでー。》
オレ「(´・ω・`; )そ、そうでしたね。」
ケイ「だから、41はどうする気なんだよ?」
オレ「サルが落ちてた時に、エミは何か相談したいとか言ってたんだよ。」
ケイ「何て?」
オレ「怖い人たちに脅されてたら、どうすればいいのかってさ。」
ケイ「そんなのサルに聞くか警察だろ。つってもスピードやってるから警察には相談しづらいよなぁ。」
オレ「一応、エミの連絡先だけ聞いといたんだよ。気が向いたら相談乗ってもいいくらいに。」
ケイ「エミに連絡して、その先は?」
オレ「なあ。マッドピエロって原宿あたりで悪さしてるってたろ?オレたちも、いくつかたまり場あるじゃん。横浜のカフェとかさー。そいつらも、たまり場あんじゃね?」
ジュン「それをエミが知ってるか聞いて、どうするのよ?」
オレ「(*≧ω≦)潜入捜査。どんなやつらなのかマッドピエロ見学ー!」
ケイ「(´・ω・`; )お前マジかよ…。」
ジュン「(´・ω・`; )アタシ行きたくない。」
オレ「ほら、昔、原宿にさー。ホコ天のローラー族、御用達みたいな店あったじゃん。店の前にチョッパー置いてたり。観光地的なとこ。」
ケイ「だって、マッドピエロって女沈めてるって噂だろ?もっと深く潜ってるんじゃねえの?」
オレ「逆だよ、ケイ。サルって昔、暴走族で、タツはその時の仲間なんだろ?族って、縄張りにスプレーでチーム名書いてたりしてたじゃん。公園とかそこらへんの壁とかにさ。」
ケイ「だから?」
オレ「悪目立ちしてるんじゃねえかなってさ。オレたちだって、新宿や六本木のDISCO行くだろ?もう少し若い頃、大人数集まる時は個室借りて好き放題やってたじゃん。」
ケイ「あー。なるほどね。そういう店があるかもってか。」
ジュン「んで、そういうとこがあったとしてさ。潜入捜査って何する気なのよ?」
オレ「(*≧ω≦)田舎から出てきた、おのぼりの一般人が、間違って入っちゃったみたいな?」
ケイ「(*≧ω≦)お前のどこが一般人なんだよ。」
オレ「( ̄^ ̄)これでも商社マンですけどね。」
ケイ「(´・ω・`; )それが謎だよなー。お前、裏表ありすぎなんだよ。」
オレ「(*≧ω≦)週末に酒の代わりにヤクやってるだけじゃん!」
ジュン「( ・`ω・´)毎日コーク吸って仕事してるでしょ。」
オレ「(*≧ω≦)アメリカの映画にもよく出てくるじゃん。真似してるだけだよー。よい子は真似しちゃダメだけど、オレはガキの頃から悪い子だもん。」
ジュン「(´・ω・`; )まあ、アタシもケイも、サルも似たようなもんか…。」
オレ「とにかくエミにコンタクト取ってみようぜー。話はそれからだ。」
ケイ「(´・ω・`; )イヤな予感しかしねえ。」
オレ「( ・`ω・´)お前たちは巻き込まないよー。これはオレが狙われてるからやるんだよ。オレの持ってるヤク知られてるんだ。名前知られてるだけでも気持ち悪いからな。こっちだって情報欲しいじゃん!」
ケイ「まあ確かにそうだ。タツってしつこくサルに絡んでるみたいだからな。」
オレ「…ん?もしかしてー…。」
ジュン「何よ?」
オレ「タツがマッドピエロのアタマって事ないかな?」
ケイ「…何でそう思う?」
ジュン「(*≧ω≦)いつもの直感?」
オレ「やってるのがスピード主体で暴力上等の組織なんでしょ?末端のヤツが、勝手にオレと取引きしてたらボスに怒られない?それともボスに報告して指示出しされてるの?」
ケイ「(´・ω・`; )何言ってるんだか、わからん。」
オレ「いや。もしさー。ケイのとこに下っ端がいて、そんな上等のヤク扱ってるヤツの話聞いたら、ケイはどうする?逆に下っ端がボスに内緒で、良いモノやってたって見つかったらどうなる?」
ケイ「オレはそんなに枝伸ばしてないから、わかんねえけど…。あ。なるほど!」
オレ「オレなら自分で話つけに行く。下っ端が勝手にやろうとしてたら切る。」
ジュン「だからかー。かみかみはどう思うー?」
ジュンが、かみかみを抱き寄せる。
オレ「(´・ω・`; )ここで、ねこの意見聞くー?」
ところが、かみかみが真っ直ぐオレを見てうなずく。
かみかみ「( ̄^ ̄)にゃごろ、にゃおん」
オレ「は?お前今、当たりだよんって言った?」
ジュン「アタシもそう聞こえたー。」
ケイ「(´・ω・`; )何なの?今オレはオカルトの世界にいる?」
オレ「(*≧ω≦)オカルトー?何、言ってるんだよ。ダークファンタジーだろ!」
ジュン「ダークファンタジーの主人公はバカだったでいいの?」
オレ「主人公?かみかみでいいんじゃない?狙われてるのオレだもん。オレ被害者Aさんでいいよ。」
ケイ「じゃあ被害者Aさんの被害者Kさんはオレだ。」
ジュン「アタシ被害者Aさんの被害者Jさん。」
オレ「(*≧ω≦)エミに電話してみよー。さあ、面白くなってきたー。」
ジュン「(´・ω・`; )こういうとこよねー…。」
ケイ「(´・ω・`; )そーなんだよなー…。」
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《ここは41の中の異空間》
ねこにゃん「(*≧ω≦)そーゆーことにゃん」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)こーゆーことにゃん」
ねこにゃん「じゃあ41の顔バレ対策するにょさ。」
ぴょこにゃん「見分けつかないようにするにゃん」
ねこにゃん「《魔のつくもの全て》の力にて『迷宮の悪魔』を構築!41が敵と見なしたものに対し永遠の《誤認》を与えよ!」
ぴょこにゃん「《マッドサイエンティスト》の力にて『フェイクマスク』を構築。11次元レイヤーにて41が敵と見なしたものに対し相似変化作用を与えよ!」
《シャオゥーン!》
異空間に乾いた霧がかかる。
ねこにゃん「(*≧ω≦)行け!」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)惑わしてこい!」
二柱の権能により『フェイクマスク』が構築された。
これにより41に敵と見なされた相手は、41の顔を正しく認識できない。
41を見たものはこう思う。
「この人、知り合いの誰かに似てる。でも、思い出せない。」
万人に似顔絵を書かせても違う絵になる。
そして写真の画像に収めることができたとしても、その顔は「知り合いの誰か」に似た顔に写るのであった。
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ここは41の家。
応接間の床置きの照明器具の、水を湛えたガラスの蓋が熱を反射している。
かみかみが、もたらした世界樹の大麻の霧が、三人の緊張と興味に呼応して湿度を上げていた。
ジュンとケイ。
そして、かみかみが41の電話に聞き耳を立てている。
ーー
オレ「あ。もしもしー。エミさんですかー?この前会った41ですけど覚えてますか?この前、相談したいことあるって言ってたんで電話したんですけど、オレも聞きたい事ができちゃってー…。ハイ。…ハイハイ。あ。オレの家では無理です。…。エミちゃんの家で?ーーそれならいいですよ。住んでるのどこですか?ちょっとメモ取るんで待って下さいね。…。えーと、T13区の本町西五丁目の25で…。メゾン…の305ね。ああ、わかりました。明日の夜、サルんち来るかもとか聞いてたんですけど…。ハイハイ。わかりました。じゃあ近くまで行ったら電話します。では、失礼しまーす。」
《ガチャ》
オレは受話器を置く。
ジュン「何その住所?」
ケイ「それ、エミの家なんじゃねえの?」
オレ「そうみたい。最初うちに来たいって言ったから断った。そしたら自分の家で話したいってさ。」
ジュン「( ・`ω・´)ジュピタン!友達の彼女の家に行くわけ?それサルに言うの?」
オレ「んー。話の内容次第かなー。」
ジュン「( ・`ω・´)浮気したらどうなるか、わかってるわよね?この前だって…。」
オレ「オイ。待てって。それ以上言うなってば。とにかく作戦開始。出たとこ勝負だ。」
ケイ「オレたちは?」
オレ「(*≧ω≦)ケイ。お前の車で乗せてって。」
ジュン「( ・`ω・´)心配だからアタシも行くわよ!」
オレ「(*≧ω≦)じゃあ、景気付けにコーク一発決めて行きますかー!サーチ&アタック開始だー!」
ジュン・ケイ「(*≧∀≦)おー!」
ーーーー
オレ《(*≧ω≦)何かうまく行く気がしてきたぞー》
《オレにはコークスクリューって武器がある》
《オレはすぐ順応したけどさ。死なない程度に調整するけど、これ初めてぶち込まれて正気でいられるかな?》
《コーク、ヘロイン、スピードと、アシッドの四毒のブレンドだもん。狂気の渦で溺れられるなんてジャンキーにはサイコーの幸せだろー》
《オレとお近づきになりたいならさ。オレが遊んでる世界で楽しんで欲しいな》
《最期のデザートはニルヴァーナと名付けた大麻。コークスクリューは、これでワンパッケージ。これを与えられて四毒は祝福に変化する》
ーーー
オレ《…そうだ。どうせならお気に入りの木星柄のTシャツを着ていこう。縞模様の大赤斑。ここの中は秒速350メートルの嵐なんだよって説明したら、その幻覚見せられるかな?スピードじゃ、そういうキレイな幻覚見たことないだろ》
オレ《(*≧ω≦)きっと楽しんでくれるよね?見せてあげようっと。にひひー》




