第24話《生きてるオモチャ》
第24話《生きてるオモチャ》お届けします!
謎のテレパシーに導かれ、Mちゃんの家へとやってきた41。
無意識に口をついて出た「にゃんきゅー」という言葉と、何気ない会話の中で深まっていく二人の絆。
「オレは《天才》と呼ばれる、この人の作品の一つ——」
タイトルの意味が明かされる、最高に愛おしい24話です!
第24話《生きてるオモチャ》
ここは、横浜・本牧ーー。
アメリカ文化と昔の昭和が混ざった街。
東京から消えつつある昭和の面影が、まだ残っている。
もう今はなくなっちゃった《米軍本牧ベース》
ゲートの前に真っ赤なキャデラックが止まってたのを、オレはいまだに覚えてるーー。
ーーーー
オレ「(*≧∀≦)もうじきだぞー。カトラスがんばれー。」
《ブロォーーーーーーーーー》
カトラスのエンジン音もオレもゴキゲンだ。
ベースは持ってきたでしょ。
ヤクもありったけ持ってきたでしょ。
いつものお土産も買ってきたでしょ。
飲み物はーー。
Mちゃんちでもらえばいっか!
ーー
《ブォン!》ーー
アクセルを踏んで止まるのはカトラスへのご褒美。
安全に運んでくれてありがと。
帰りも頼むね。
ーー
オレ「(*≧ω≦)ついちゃったー。」
オレ「これ持って、あれ持って、忘れ物ないよな?」
ーー
Mちゃんちは、住宅街にあるフツーの一戸建て。
ーー初めて、知り合った芸能人。
そして有名ミュージシャン。
その肩書きは、出会った直後に教えられ、回りから軽蔑と顰蹙の視線の浴びた。
世間知らずな悪ガキ。
何が悪いの?
お前らだってオレの事知らねえだろ?
こっちだって教えたくないし、知られたくない。
これでもガキの頃から、この世界で生き残ってきた
《エリートジャンキー》なんだよ。
身バレしないように、裏切られても逃げれるように。
何より仲間を守るために。
本名は秘密。住み処も秘密。
偽の名前を好きなように呼べばいいーー。
ーー
オレ「昼間に来ると新鮮だな…。」
正直なところ、芸能人って、もっと派手な暮らししてると思ったけど違った。
色眼鏡で見てゴメン。
奥さんがいて子供がいて、お母さんがいて。
温かいフツーの暮らしをしてた。
ーー
《ガラガラガラガラ…。》玄関の引き戸を開ける。
行くからって伝えてあれば、カギは開けてあって、「勝手に入って来ていいよ」っていう家。
ーー
オレ「こんちわー。41来ました。おじゃましまーす!」
オレ《あー。重い。何でベースって重いんだろ。重いやつ買ったからだよな。な、『moon』》
よいしょ、よいしょっとー。
玄関で一旦荷物置いて靴脱いで、ベース担いであたふたしてたら子供が飛んできた。
ミーサ「(*≧∀≦)よーいちー!」
オレ「(*≧ω≦)ミーサだー。よーいち、きたよー!」
《ぎゅ!》
ミーサ「(*≧ω≦)えへへへ」
いきなり抱きつかれた。
オレ「元気してた?」
オレ「(*≧ω≦)ンフフフー。」
幼稚園児とはいえ女の子からの抱擁。
めちゃめちゃ懐かれてる。
オレ《(*≧ω≦)かわええな。さすがクォーター。Mちゃんに似て美人になるな。》
オレ「おじゃましまーす。ミーサ行こっ!」
そのままオレはMちゃんの部屋に直行。
ミーサはとりあえず満足したのか、ママのとに帰っていった。
ーー
Mちゃんの部屋。
ここはオモチャ箱引っくり返したような秘密基地。
Mちゃんちのインテリアは、トイレの置物までセンスがいい。
見たことのない雑貨や洒落た骨董品が、初めから決まってたような位置にデザインされてる。
置物に《見ろ》って言われてるみたい。
こっちも見るけど、あっちも見てる感じ
けっこうオレも影響受けて真似してるんだ。
ーー
Mちゃん「( *・ω・)ノ やあ。フフフ。また変なこと起きたね。そこ座りな」
オレ「はーい」
いつものソファへ、ドカッと座る。
オレ「(*≧∀≦) Mちゃん。あれから、すぐ来たんだよー。話したいこといっぱいあるんだ。それと…これ、お土産っ!」
サッと差し出すのは、JUMP最新号。
本来は月曜発売だけど、オレは土曜の午後に買える店を知っている。
おじいさんがやってる昔ながらの本屋さん。
そこは漫画とエロ本しか置いてない。
JUMPは《絶対買う人》にだけ、特別にフラゲさせてくれるんだ。
ーー
Mちゃん「(*≧∀≦) マジ嬉しい。東京、早いなー。それ先に読むわ。飲み物、台所からテキトーに取ってきなー」
オレ「了解でーす」
ーー
台所では、奥さんのマリちゃんがテレビを見てた。
41「(*≧∀≦) マリちゃん、おじゃましまーす。さっきビックリしたよねw」
マリちゃん「( =^ω^) 怪奇現象だよ。ホントにゾッとしたわよーw」
オレ「ゾッとってw 飲み物もらうねー」
マリちゃん「バドもJAVATEAもあるよ」
オレ「JAVATEAにしとく。また後で話そー!」
マリちゃん「ゆっくりしてってね」
41「(*≧∀≦)/にゃんきゅー!」
マリちゃん「にゃんきゅう? なにそれ?」
41「ん? 今オレ、にゃんきゅうって言った?」
マリちゃん「もう、どっちでもいいわよw」
41「じゃあまた後でね〜」
ーー
オレはMちゃんの部屋に戻って、JAVATEAを渡す。
オレ「どう? 今週のドラゴンボール」
Mちゃん「16号、強そうだよね。来週も持ってきてよ」
オレ「JUMP闇取引!」
Mちゃん「(*・∀・*)ノハイ!」
いきなりMちゃんが、生徒みたいに手を上げる。
オレ「ハイ。そこの手を上げてる人〜」
Mちゃん「(*>∇<)ノ 『麻薬中国!』」
オレ「 ( *´艸`)惜しい! そこは『麻薬中毒』でしたー!」
…何だこのやりとりw
この人も《思考加速組》だよな。
閃いたまま言葉を発射する。
反射が遅いと置いてきぼりにされる。
ーー
Mちゃん「( ^ω^) だって、早く読みたいんだもーん」
オレ「Mちゃん…そんな大人に、オレもなりたい」
Mちゃん「(*≧∀≦) あはははは。41、とっくになってるよ〜」
オレ「そーいえばオレ、Mちゃんと初めて会った年齢に近づいてきた。もう10年経つんだね。早いなー」
Mちゃん「そりゃ、幻聴も聞こえる歳だ。てか、マリちゃんと“41何してんだろうねー”って言った瞬間に電話鳴ったんだよ。出たら41じゃん。ビビった」
オレ「そんなタイミングだったの!?」
Mちゃん「そう! こんなことある!?」
オレ「ないない。オレもなんか呼ばれた気がして、“なんとなく『電話してみよーっ』て。そしたら《41》って後ろから聞こえてさ」
Mちゃん「(*≧∀≦) 偶然にしてもすごすぎ。さすが“生きてるオモチャ”!」
オレ「(*≧∀≦) 幻聴通信機能付き!」
Mちゃん・オレ「(*≧∀≦)ぎゃっははははは!」
Mちゃん「オレも、話したいって思ってたとこなんだ」
オレ「じゃあどっちから話す?」
Mちゃん「どっちの方が面白い?」
オレ「まだ話してないから、わかんないでしょw」
Mちゃん「(*≧ω≦)じゃあ、オレから」
オレ「なんでよ! 幻聴で呼んだの、そっちでしょ!」
Mちゃん「それは、オレたちが41の話してたから呼び出されたのっ」
ーー何だこの争い。ムダに面白い。
この人と「もしも話」すると無限に続いちゃう。
笑い疲れて終わるんだ。
この人、最高だよ。
オレの成分はこの人で出来てる。
オレは《天才》と呼ばれる、この人の作品の一つ。
Mちゃんの《生きてるオモチャ41》らしい。




