第19話《特攻!負けるが勝ちに価値がある》
第19話《特攻!負けるが勝ちに価値がある》
ーー前話まで。
ねこにゃんとぴょこにゃんは、概念のねこたちの住処を建設している。
それぞれの能力で作られたクローンやゴーレムたちは二人の並列思考で思い通り動かせる。
現在、労働力として数万体を動かしていふた。
新宿御苑を中心として周囲の景観を模倣。道路、地下、構造物を三次元コピー。
おもちゃのレゴやダイヤブロックのように組み立てていく。
さらに彼らは《二次元レンズ》の能力で過去の景観を見る。
にゃんこシティは近代的な建物と、昔の瓦屋根の住宅が共存する風景に仕上がっていく。
さらに視界を広げる。
その街はいつの間にか、ねこサイズに最適化された《ミニ地球》になっていった。
エベレストの麓に南国の海。
エレベーターで繋がれた空に浮かぶ豪華客船。
地下洞窟を地上に上げ、川下りやウォータースライダーにしたり、やりたい放題である。
エスネコを回収するまでの居心地のよい拠点作り。
そのためにも二人は、ここに《ゾンビ化》してる概念のねこたちを集め《ごっこ》で教育し自我を持たせていく計画している。
まずは形からだ。
そのために、最初に見つけた自我を持つピンクのねこと青いねこに協力を求めようとしていた。
ーーだが《ヤク》の概念の青いねこは行方不明。
ところがピンクのねこの正体は《恋》の概念のねこ。
この概念の世界の恋のねこ神様だ。
二人はいきなり《恋の奴隷》となることを危惧。
《恋心》を持った時点で爆発するように設定したクローンで接触するが毎回爆発して失敗。
攻略のカギとして二人は《特攻》という概念でピンクに挑む。
ーーーー
アムリア「アラ。あんたたち、またアタシに会いに来たのー。しょうがないわねー。いつも爆発しちゃうけど、あんたたち何者にゃのよ。ダーメネーw」
《ダーメネー》
アムリアのこの一言だけでダメージがくる。
ねこにゃん《にゃんだ。この気持ち。解析不能…思考制御が…。ぴょこにゃん、すぐ、おりとのリンクを切れ》
ぴょこにゃん《手遅れにゃ・・直撃受けたにゃ》
ねこにゃん「(´・ω・`; )えーとー。モゴモゴモゴ・・」
ねこにゃん《この、おりがモジモジしてる?何にゃこの気持ち》
ぴょこにゃん《ねこ!始まったばかりにゃ。特攻だろ!おりが行く!》
ぴょこにゃん「ズバリ。言いますにゃ。えーと・・」
しかし、ぴょこにゃんの声をさえぎるようにアムリアが口を開く。
アムリア「えー。いきなり告白ぅ?アンタたちわかってにゃいわねー。女の子の友達いないんでしょw」
《ちゅどん!》
二柱の思考回路に爆発音が鳴る。
ぴょこにゃん《( ;∀;)図星貫かれました。先読み不能!特攻優先。でも今、おり言葉が出にゃい。ねこにゃんパス!》
ねこにゃん《パス受け取ったにゃ。ノイズだらけだけど行くにゃん!》
ねこにゃん「(* ̄∇ ̄)ノはい!一目でキミを好きになりましたにゃ。こっちのツレも同じ気持ちですにゃ」
ねこにゃん《ウォー!特攻したにゃ。これは恥ずかしいって気持ちか?わけわからん!おり、もう限界。ぴょこにゃんパス!》
ぴょこにゃん《了解。第二特攻ワード行きます!》
ぴょこにゃん「おりも好きです!どっちかとつきあってもらえませんか?」
《ちゅどん!ちゅどん!》
ねこにゃん《意識が…。》
ぴょこにゃん《逃げたいにゃん…》
アムリア「アラ!嬉しい!でも…どうしよっかなー」
ーーアムリアが上目遣いで二人を交互に見つめる。
☆ー
ねこにゃん《ギャー!これ、クローンなら木っ端微塵に爆発するやつ!》
ぴょこにゃん《耐えるにゃ!特攻=当たって砕けろにゃ!でもこれ・・》
ねこにゃん《おりたちは当たっても砕けにゃい!対消滅するだけで再生できるにゃ!》
ぴょこにゃん《恋のねこ神の力、チート級にゃ。》
ーー
アムリア「どっちにしようかなーっと♪」
アムリアが二人の姿見定めるように回る。
アムリア「アナタはチンチラシルバーなのね。フサフサだし、キュートよねー」
アムリアが撫でるように少しだけ、ねこにゃんの肘の辺りを触る。触れるか触れないかの軽いボディタッチ。
ねこにゃん《異世界にて物理的初接触。にゃんだ、この物理的精神攻撃!触られただけでバグるにゃん。》
アムリア「アナタはアメリカンショートヘア。体毛がビロードみたい。それに賢そう。ステキねー」
アムリアがぴょこにゃんの肩を触り、撫で心地を確かめるように手を動かした。
ぴょこにゃん《こりゃあかん。メロメロ耐えるにゃ。》
アムリア「でもね。ゴメン。急に言われても選べない。まず《友達》から始めましょ。ここで最初の、とーもーだーちっ!」
《ちゅどーーーん!》
ねこにゃん《よし!フラレた!この落ち込みの感情をメモリ。解析するにゃ!》
ぴょこにゃん《特攻成功!予測的中。新しい感情獲得。最優先で分析。ベストな返事は?思考加速!》
ねこにゃん「そ…それでも嬉しいにゃ。お、おりたちにとっても初めての友達にゃん。改めて、おりは、ねこにゃん。よ、よろよろ…。よろしくお願いしますにゃ!」
ぴょこにゃん「お、おお、おりも嬉しいにゃ。でも、す、好きな気持ちは変わらない…にゃん。友達でも十分。い、いつかはあるにゃん。お、おりは、ぴょこ。ぴょこにゃんて呼んで欲しいにゃん!」
アムリア「ゴメンねー。まだここで出会ってないにゃんこたちもたくさんいる。アンタたちもそうでしょ?《恋》は焦っちゃダメにゃのよー。で、協力ってにゃによ?」
《ちゅどん!ちゅどん!ちゅどん!》
さらに二柱の思考がバグる。
ねこにゃん《はあ?焦っちゃダメ!?焦って見えてた?焦るって何にゃー?》
ぴょこにゃん《にゃー!話題の温度差計測不能。いちいち反応してたらダメにゃん!焦るの解析は後回しにゃー!》
アムリアとの会話にバグりながらも奮闘する二人。
叡智あるものは必ずしも万能ではない。
特に「ふざけること」に特化した、こいつらにとって《恋》の概念のねこ神、アムリアは最も相性の悪い相手だった。
そして何よりアムリアが統べる《恋》の力は予想以上の混乱を与えていた。
ねこにゃん《意味わからん!未知との遭遇にゃー!》
ぴょこにゃん《恥ずかしいってにゃんだー!》




