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5/10

5話

─ピッ



[ 塔の3階層到達、おめでとうございます。]



─ピッ



[ 本来の階層ではありません。

原因を特定します。しばらくお待ちください。]


【特定中……】


【異常なし……】


[ 異常なし、本来の階層です。

安心して下へ進めてください。]



─ピッ



「こんなリュック持ってきたんだっけ?

中身は……本?なんだろ?」


理解した。


「手がずっと気持ち悪いのは…

あとは、たぶん…変に…

関連することを言うな、するなって事かな」



─ピッ



[ 継承できるものを獲得しました。

更新したものを提示するため

画面を切り替えます。]


……ザザッ…ウィーン


継承:取得、更新

他頁人の殺害の有無

初代からの死

するな

言うな



─ピッ



「継承できるものがあったから

何とか私が私に渡せたんだ…

私も死んじゃうのかな…どうしたらいいの…

なにを…なにを……」


2代目の死に方だけはしたくない。

綾香がいたのは3階層のドアの前。

開けて入った。


ドアを開けた先は森。


風に揺れる木々たち。

木々の間からは太陽の光。


──ガバッ!!


綾香は突然、後ろから口を塞がれ

草の中に引き込まれた。


「……!!!」


「静かにしろ…あれを見ろ」


何者かが指をその方向へ向け

綾香にも見せた。


ここにある木の大きさはバラバラ。

だが、大体は10mを越えている。


そして、指の先にはその木と

同じぐらいの狼が1匹いる。


「見えたか?見えなきゃ

お前の目は取り替えた方がいい」


綾香は首を縦に振って返事する。

手が口から離れた。

小声で会話をする。


「今度は俺についてこい。いくぞ」


「…わかった」


見事なまでに木の枝や草で

カモフラージュされているテントへ案内された。


「ひとまず大丈夫だ。急にすまなかった、

まさか頁人が登って来ると思わなかったんだ」


「びっくりしたけど…平気……ところであなたは?」


「俺は蒼太、9代目で設定は、風だ。

やっとこの『5階層』まで来たんだ」


「私は綾香、3代目で…設定は火

……いや違う…ちょ…ちょっと待って?

ここは『3階層』だよ?

初代から何とか登って来てるし、間違いない」


「……は?ここは『5階層』だぞ?

俺もちゃんと登って来たんだ」


「え、私がおかしいの?蒼太?」


「どういうことだ?俺が違くて、

綾香が合ってる?2人とも違う?…………!」


強く風が吹いた。

蒼太が静かにとポーズする。


ドンッ…………ドンッ…ドンッ


スン……スンスン……



─ピッ



[ 本来の予定にはありません。]


[ 本来の予定に変更不可。]


[ 本来の予定です]


[ 正常です。]


[ これに伴い、目的が更新されたため

画面を切り替えます。]


……ザザッ…ウィーン


目的:塔を登る


目的:排除し生存


目的:生存し排除


[ 続けて、頁人に変化があるため

画面に提示します。]


……ザザッ…ウィーン


寿命:やや減ってる


体温:42.2、風邪


設定:火の使用を許可


動作:まだ軽快



─ピッ



「しゃがめ!!」


頭の上を何かが通り、テントは無くなった。

そこには狼は顔。

狼は鼻を近づけ、匂いを嗅いだ。


グルルルゥ……ガァルルゥ……


「クソ…逃げるぞ…!ついてこい!

ついてこれるなら!

無理なら上手く逃げて隠れろ!」


蒼太は森に吹く風とは別に

風を発生させ、森の中を走る。

狼はつられ、蒼太を追い始める。


「え、いや……速すぎ…

風……ああやって使えるんだね。

火でもできるってこと?こう?」


見よう見まねでやってみた。



─ピッ



[ 頁人の火の使用を確認。]


[ 本来の階層ですが、

本来の階層ではないため

本来の効果で使用できません。]


[ 頁人の変化を更新します。]


……ザザッ…ウィーン


設定:マッチ



─ピッ



ボッ


「え?こうだよね?!どうして?!」


しかし、気づけば狼も蒼太も姿は見えない。

どこに行ったのか分からない。


「体ちょっと熱いな…これのせいかな

とりあえず蒼太が行った方に歩こう」


蒼太のあとをなぞるように歩く。

すると木々の間から、狼の毛皮が見え

少し広いとこに出た。


狼と蒼太は既に戦ったあとだった。

お互いボロボロ。


綾香がその目で次に見たのは、

木より上に打ち上げられた蒼太。


「……がはッ……綾香…!

いいところに!助けてくれ!」


「う、うん!待ってて!あ、え、えっと……」


綾香は手の平を狼に向け、火の玉を出した。

狼の足に当たる前に、風に負け消された。


蒼太の風とここの風に

綾香の火はシンプルに火力不足。


「え…え…火は使えるのに……!!

な、なんでこんな火なの!?

ど、どうしよう……蒼太……そ、蒼太が……」


「おい!何やってんだ!」


「ご、ごめん…!火が!でないの!」


狼は一度、綾香を見た。

だが、首を傾げてすぐに蒼太を見る。


狼は本能で綾香の熱の高さに

『危険』と判断し狩るのをやめた。


ならばコイツだけ食う。


「なんで狙われないんだ!?

いや、それはあとだ!このクソが!

これで…終わりだ!」



─ピッ



[ あなたの(マウス)の動きにより

頁人の命がなくなりました。

画面を切り替えます。]


……ザザッ…ウィーン


頁人:9代目


名前:蒼太


初期設定:風


継承:可能


状態:食いちぎられバラバラ、餌


死因:他頁人、狼


[ 継承できるものがあります。

本が体内にあることを確認。

継承できません。全て破棄します。]


[ 以降、頁人に『そうた』は選ばれません。]



─ピッ



[ 頁人に変化があるため画面を切り替えます。]


……ザザッ…ウィーン


寿命:半分だよ


体温:36.0、正常


動作:軽快


状態:精神やや削れ



「蒼太……助け…られなかった……ごめん…」



─ピッ



[ 目的を達成したため

このエリアは制覇しました。]


[ 安心して下へ進めてください。]



─ピッ



狼は森の奥へ消え、

綾香は現れた螺旋階段を登った。




[ 制覇、おめでとうございます。

綾香を大切にしましたね。]




[ 色々お任せします ]


─ピッ

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