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よろしくお願いします。
ごめんなさい、
それだけを言うのが精一杯だった。
彼女は既に娘から目を逸らし、
書斎の床を見つめている。
あのままじゃお父さんは死んでしまうの。
違うわ死んでたのよ、
そんな時お姉さんからコメントがあって、
若しもお父さんが元気になってくれるのなら、
それが、
まさかお姉さんに会えるなんて、
お願い!お父さんを助けて!
お願い!
娘の最後の声は泣き声と共に発せられて殆ど聞こえないくらいだった。
彼女は尚も床を見つめたまま。
そしてやっと、
何かに縋るように呟く。
遊びじゃなかったのね?
うん。
そんなにお父さんのことが好きなの?
そんなにお父さんのことが心配だったの?
うん。
暫くして。
そう
じゃ私のことは?
好きよ、
出て行ったお母さんよりも好きよ、
お願い私達を捨てないで!
二人っきりにしないで!
また暫くして、
彼女は全てを振り切ったような顔で、
俯いた顔を天井に向けて、
流れる涙を拭おうともせず、
分かった。
もう二度とこんな真似をしないと約束してくれる?
うん。
これからはあなたの声で、
あなたの思いを伝えてくれる?
うん。
じゃこれから会えない時はラインでお話ししましょう。
そう言って二人はラインで友だち登録をした。
でも・・・。
と娘が呟くと、
それを遮るように彼女が言った。
お父さんのことでしょ?
分かってるわ、
このことは二人だけの秘密にしましょう。
お姉さん、
ありがとう。
と言って再び泣き始めた娘の頭を抱いて、
彼女は優しい声で言う、
ありがとう。
あなたがいなければ私、
こんなに幸せな気持ちにはなれなかった。
ありがとうございました。




