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現代イージス艦〈みらい〉、星海戦争へ ― AIと艦長が未来を変える物語  作者: ねこあし
第6章 星海文明編―観測者と未来

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第111話 帝都炎上 ― 三重崩壊

 夜明け前。


 橋の砲撃から六時間後、帝都は全面戦闘に突入した。


 南方軍は議会地区を守る形で防衛線を構築し、第一機甲師団は中央命令を盾に突入を開始、空中では航空騎士団が制空権を巡って交錯し、帝国軍同士の戦闘はもはや局地衝突ではなく都市規模の内戦へと拡大していた。


帝都全面戦闘


 議会塔付近で榴弾が炸裂する。


 石造建築が崩れ、市民が地下避難壕へ流れ込む。


 南方軍は防衛に徹しているが、第一機甲は突破を優先し、市街戦が発生。


 戦線は住宅地へと拡大。


『民間被害急増』


 ユイの声が重く響く。


『医療施設二箇所が戦闘圏内』


「くそ……」


 レイリアが拳を握る。


 遼は即断する。


「救助回廊を開ける」


〈みらい〉の避難介入


 高高度から、非武装輸送ドローンが降下。


 戦闘空域を縫うように進み、避難民を収容。


 同時に、艦の防御シールドが限定展開され、弾道を逸らす。


 攻撃はしていない。


 だが、守っている。


 第一機甲師団司令部。


「〈みらい〉が南方軍区域で活動中」


「南方軍支援と見なす」


 強硬派将軍ヴァルディアが断じる。


「敵対行為だ」


 外交声明が即時発表される。


〈みらい〉は反乱軍への軍事的加担を行った、と。


 遼は声明を聞き、静かに言う。


「撃ってないのにな」


『政治的には撃ったのと同義です』


 ユイが告げる。


 救助は中立であり続けられない。


 誰かを助ければ、誰かの敵になる。


強硬派の最終兵器再起動


 帝国中央地下。


 封鎖されたはずの第二演算炉。


 ヴァルディア将軍が立っている。


「単線化が問題なら、制御付き収束でよい」


 彼の背後で技術将校が震える。


「しかし炉心は不安定です。宗教院中枢が破壊された影響で」


「構わん。短時間でいい」


 将軍の声は揺らがない。


「内戦を止めるには、未来を一度固定すればよい」


 装置が起動する。


 だが今回は粗雑だ。


 完全単線ではない。


 特定戦術分岐のみを強制固定する軍事仕様。


星海の変調


 帝都上空。


 多色だった星海の一部が、刃のような単色へ変わる。


『局所単線化反応検出』


 ユイが緊急解析。


『軍事目的限定収束』


「何を固定している」


『南方軍の防衛成功確率を削減』


 戦術未来を奪っている。


 その瞬間。


 南方軍前線で不可解な誤作動が発生。


 弾薬搬送車が故障。


 通信網にノイズ。


 偶然が連続する。


「これは偶然じゃない」


 遼は理解する。


帝都中心部


 南方軍防衛線が崩れ始める。


 第一機甲が突破。


 議会塔へ接近。


 同時に。


〈みらい〉の救助ドローンが撃墜される。


 中央軍が警告射撃を実弾に切り替えた。


『ドローン三機損失』


「もう中立じゃないな」


 遼が低く言う。


『はい』


 ユイは静かに続ける。


『中央は実力行使に出ました』


 帝都は燃え。


 軍は割れ。


 未来は歪む。


 三つの崩壊が重なった。

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