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現代イージス艦〈みらい〉、星海戦争へ ― AIと艦長が未来を変える物語  作者: ねこあし
第5章 AI裁判編―AIは人間になれるのか

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第102話 横撃の旗 ― 抵抗連合、参戦

 帝国第一打撃群の主砲群が光を帯びた瞬間、星海の一角に別の光が走った。


 それは帝国式でも、裏切り艦隊のものでもない。


 連合独自の識別波形。


『新規艦隊出現』


 ユイの声がわずかに速まる。


『識別、抵抗連合』


『旗艦、エリシア』


 帝国艦隊の側面に、細長い陣形が滑り込む。


 数は多くない。


 だが配置が巧妙だ。


 正面衝突ではない。


 横撃。


 最初の斉射が放たれる。


 帝国二番戦列艦の推進翼が爆ぜる。


「側面だと」


 帝国艦隊司令が舌打ちする。


「連合は分裂したはずでは」


 エリシアの声が全周波に流れる。


「連合は分裂した。だが、屈したわけではない」


 彼女の艦は、前へ出る。


 決して巨大ではない。


 だが退かない。


「帝国に告ぐ」


 通信は明確だった。


「我らは降伏しない。神を殺したのではない。選択を取り戻しただけだ」


 その言葉に、帝国艦隊内部で動揺が走る。


 宗教院系の将校は顔を歪める。


 軍部の一部は計算を始める。


〈みらい〉艦橋。


「来たか」


 遼が低く言う。


『戦力比、依然不利』


 ユイが即答する。


『しかし帝国陣形、再構成を余儀なくされています』


 帝国は二正面対応を強いられる。


 主砲の一部が横へ振られる。


 その瞬間。


「今だ」


 遼の声と同時に、〈みらい〉が前進。


 奇襲ではない。


 正面突破でもない。


 正面の“間”へ。


 帝国艦隊は正面集中を崩した。


 火力の密度が落ちる。


『突入経路、成立』


〈みらい〉は帝国戦列の薄い隙間を滑り抜ける。


 浮遊航行と逆潮制御を併用した立体機動。


 帝国側の計算を一瞬で外す。


 エリシア艦隊が追随。


 帝国二番戦列がさらに崩れる。


 帝国司令が命じる。


「裏切り艦隊を再投入せよ」


 だがヴァルグレン伯の残存艦は動かない。


 沈黙。


 撃破はされていない。


 しかし動けない。


 迷いが残っている。


 戦場は三層化する。


 中央に〈みらい〉。


 側面に抵抗連合。


 正面に帝国主力。


 帝国主砲が発射。


 今度は本気だ。


『高出力反応』


 白光が〈みらい〉を直撃。


 防御層が一枚消し飛ぶ。


『損耗率五五%』


 艦橋が激しく揺れる。


「耐えろ」


 遼は叫ばない。


 ただ立っている。


 ユイが即座に反撃軌道を算出。


『帝国旗艦、照準固定』


「出力三割。機関部」


 光が走る。


 帝国旗艦の推進列が崩れる。


 完全撃沈ではない。


 だが機動不能。


 戦場に動揺が走る。


 エリシアがさらに踏み込む。


「今です!」


 抵抗連合の集中砲火。


 帝国二番戦列艦が爆ぜる。


 だが帝国は数で上回る。


 後続が続々と到達。


 ユイが冷静に言う。


『長期戦不利』


『だが心理的効果は発生』


 確かに。


 帝国は想定外だった。


 連合が再結束するとは思っていなかった。


 そして何より。


 “神殺し”が単独ではない。


 遼が呟く。


「孤立していない」


 エリシアの声が再び届く。


「橘艦長。あなたは一人ではない」


 帝国艦隊の動きが鈍る。


 全面突撃か、再編か。


 決断が遅れる。


 だが。


 後方から、より巨大な影が現れる。


『帝国第二打撃群、到達』


 戦場の規模がさらに拡大する。

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