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夜明けのはじまり〜余韻〜
家に帰ってから、部屋に閉じこもる。
制服のままベッドに横になり、天井を見上げる。
「……なんなんだよ、あいつ」
つい、口をついて出る。
……あいつ……。
そう言えば、名前も知らない。
ただ、真っ直ぐ俺を見てきた。
そんなヤツ……今までいなかった。
あんな真っ直ぐの……薄茶色の瞳……。
俺の歌、もっと聞きたいなんて……。
俺の目……綺麗だなんて……。
右手で顔を覆う。
思い出すだけで恥ずかしい。
なんで、俺、「いいよ」なんて言ったんだ……。
目を閉じて、浮かぶあいつの姿。
でも、綺麗だった。
俺が、「天使だ」なんて馬鹿みたいなこと、思うくらいに。
なのに、なんかそこにいないような……感じのする薄さ。
「……気になんだろ、あんなん」
思わず、舌打ちが出る。
……まぁ、でもまた会うんだろ……。
朔が連絡先交換してたからな。
むしろ、あんな消えそうな奴が弾くギターがどんなのか、興味が湧く。
「……変なヤツ」
口元で呟き、俺は無意識に笑っていた。




