88/230
疑惑
学校を出ると柚希が待っていた。
いつもより険しい表情だ。
「どうだった?」
彼女の声には棘があった。
「採用されるみたいだ」
ヨシオは努めて明るく答えた。
「来週から来てくれって言われたよ」
「よかったね」
柚希は言葉とは裏腹に表情は硬いままだ。
「でも一つ聞かせてほしいことがあるんだけど」
「何だ?」
胸騒ぎを覚えつつ訊ねる。
「昨日私の部屋に入った理由は何?」
鋭い眼差しで見据えてくる。
「まさか覗き見とか変なこと考えてないわよね?」
「違うんだ!ただ景色を見たくて……」
弁解しようとすればするほど墓穴を掘っていく感覚だった。
柚希の目が冷たく光る。
「嘘つき…」




