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再び橋の下へ
炎天下の中、ヨシオは来た道を引き返した。
真実に何と言えばいいのか。
期待させておきながら惨めな結果しか持ち帰れない自分が情けなかった。
公園のベンチに腰掛け、携帯を取り出す。
真実への連絡をためらった。
メッセージアプリを開いては閉じる動作を何度も繰り返す。
「疲れた……」
その一言だけ送信して携帯を閉じた。
これで良い。これ以上迷惑はかけられない。
橋の下のブルーシート小屋に戻ると、懐かしさすら感じる劣悪な空間が迎えてくれた。
汗まみれの布団に横たわり、天井から垂れる蜘蛛の巣を眺める。
「これで終わりか……」
独り言が虚しく響く。
二日間の贅沢な時間は幻だったのかもしれない。
夜風が吹き抜けたとき、真実との別れ際の言葉が蘇った。
「待ってます」
その言葉に縋りたくなる気持ちを抑え込む。
現実は非情だ。若く健康なホームレスには救いの手はない。
「仕方ないさ……」
ヨシオは目を閉じた。
瞼の裏に浮かぶのは真実の笑顔ではなく、無機質な役所の窓口だった。
彼の新たな一日が始まる。
希望を失った灰色の日々が再び幕を開けたのだった―




