朝の気まずい再会
翌朝。ヨシオは鳥の囀りで目覚めた。
「ん……?」
頭の痛みは幾分和らいでいるものの、まだ重い感覚が残る。
「あら起きたんですね」
声の方へ顔を向けると真実がキッチンに立っていた。
フライパンから美味しそうな香りが漂ってくる。
「おはようございます」
真実が笑顔を見せる。
しかし目が合うとすぐに真顔になった。
「昨晩のことだけど……」
彼女が切り出す。
「ああ」
ヨシオも緊張した面持ちになる。
「本当にごめんなさい!」
真実が深々と頭を下げた。勢い余って前髪が乱れるほどだ。
「弾みとはいえ……あんなことしちゃって……」
「いや……俺こそ」
ヨシオも同じように頭を下げた。
「許されることじゃない」
二人の間に一瞬の沈黙が流れる。
「でも」
真実が顔を上げる。
「お互い反省したんだから……もう終わったことにしてもらえませんか?」
彼女の真摯な眼差しにヨシオは心打たれた。
「もちろん」
彼は頷いた。
「これ以上責めるつもりはないよ」
「良かった……」
真実の表情が明るくなる。
「朝ごはんできましたよ!食べてください」
テーブルには目玉焼きとトースト、サラダが並べられていた。湯気の立つコーヒーの香りが食欲を刺激する。
「これ……全部作ってくれたのか?」
「ええ」
真実は照れくさそうに笑った。
「昨日のお詫びも兼ねて……」
ヨシオは箸を手に取り、ゆっくりと目玉焼きに手をつけた。
「美味いな……」
素朴な卵料理が沁みるように胃に落ちる。
「ありがとうございます」
真実の笑顔が朝日に映えて眩しかった。
「それから……」




