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## 零細生活者の生態 ### 第十九章 食卓の攻防④
「わかったわ」
花音は平然と受話器を切った。
「さて……どうする?」
ヨシオは呆然と花音を見つめた。
「何を考えてるんだ?」
「選択肢を提示しているだけよ」
花音は澄ました顔でチョコレートを口に入れた。
「このまま柚希さんと会うか、それとも逃げるか」
「もちろん逃げません!」
紗月が立ち上がる。
「私で守ります!」
「守る?」
花音は笑った。
「あなたは何から彼を守るつもりなの?」
「柚希さんの暴走からです」
紗月の声は震えていたが決意に満ちている。
「柚希さんは叔父さんを独占したくて……」
「独占欲?」
花音の目が細くなる。
「それって恋愛感情なの?」
沈黙が流れた。
ヨシオは頭を抱え込んだ。
「違う」
彼は低い声で言った。
俺と柚希の関係はそんな単純なものじゃない」
「そうでしょうね」
花音は冷静に分析する。
「だからこそ混乱してる。愛情でも友情でもない微妙な絆……」
コンビニのドアが大きく開き、
荒い息遣いの柚希が現れた。
制服は乱れ、
髪は汗で額に貼り付いている。
「見つけたわ」
ヨシオと花音と紗月の視線が一点に集中する。
夜の帳の中で四人の駆け引きが始まろうとしていたー




