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## 零細生活者の生態 ### 第十八章 100円の奇跡
日没後
ヨシオは重い足取りで100円ショップへ向かっていた。
十枚の百円硬貨を掌の中で弄びながら。
スクラップ屋から帰る途中に聞いた情報だった—
ここなら安い食料が買えると。
店内はLEDライトが煌々と照らし出す。
清潔すぎる陳列棚が健士には眩しく感じられた。
カップラーメンコーナーで立ち止まる。
醤油味のインスタントラーメン。
久しぶりの食事としては十分すぎる贅沢だ。
「あの」
背後から声がかかり、
ヨシオは反射的に振り返った。
「やっぱり叔父さんだ」
紗月が立っていた。
学校帰りと思われる制服姿だった。
リュックサックには何冊もの参考書が詰まっている。
「君か」ヨシオは声のトーンを落とした。
「こんな所で何をしている?」




