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窮地の一手
**グラウンド中央**
「よせ……」
ヨシオが喘ぐように声を絞り出す。
全身を襲う激痛と出血量が限界を超え始めている。
「おじさん!無理しないで」
真実が駆け寄るも紗月が銃を向けた。
「近づけばこの娘の命はない」
「くそ……」
絶体絶命の窮地に立ち尽くす一行。
その時突然スタジアム全体にアナウンスが響き渡った。
『緊急放送です!』雅也の声だ。
国会から直接ライブ中継されているようだ。
『本日公布された新法に基づき重大な発表があります!』
ざわめきが広場を埋め尽くす中モニター映像が切り替わる。
議事堂全景に花音・紗月・ルナ財閥トップらの姿が映し出された。
『これらの組織による法執行機関への不正介入が確認されました』
雅也が朗々と読み上げる。
「具体的には花音伯爵家による検察への圧力」「ルナ財閥による政府高官への資金提供」etc.
**ドォォォンッ!**
凄まじい衝撃音と共に天井から降り注ぐ照明器具。
紗月たちの退路を遮るように落下した。
「これは……罠?」動揺する紗月の眼前に警官隊が雪崩れ込んでくる。
『逃亡中の諸君に告ぐ』
雅也の声明が続く。
『抵抗は無意味だ。すでに捜査令状は執行されている』




