幕間の交差
**午前十時 国会議事堂 地下議員食堂**
「本当にありがとうございました」
雅也が深々と頭を下げる先には白髪混じりの老人が座っていた。
全国比例代表選出のベテラン議員・杉村隆久だ。
「いやいや」
老獪な笑顔を浮かべた議員が枝豆を摘む。
「貴方の家系とは旧知の仲でね」
「伯爵家を敵に回す覚悟でお越し下さったんですね?」
「古い貸し借りさ」
杉村は静かに答えると鞄から一枚の写真を取り出した。
そこには若かりし日の柚希の祖父と思しき紳士が写っている。
「君も気をつけろよ」
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**午前十一時 ルナ財閥本社ビル 最上階スカイラウンジ**
「紗月様どうなさいます?」
秘書が報告書を手に怯えている。
「落ち着きなさい」
豪奢な椅子に腰掛けた紗月が紅茶カップを置いた。
「あの法案は廃案になるわ」
「ではヨシオ氏はどうなります?」
「必ず捕獲する」
冷たい瞳の奥に炎が燃える。
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**正午 柚希のマンション地下シェルター**
「よし……接続成功!」
凛太郎がPC画面をチェックしながら喜ぶ。
ネットワークセキュリティを再構築中のようだ。
「叔父さん……大丈夫?」
柚希が差し入れのスポーツドリンクを渡す。
ヨシオは喉を潤しながら微笑んだ。
「ああ。皆のお陰だよ」
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**一時間後 公園ベンチ**
谷岡が缶コーヒー片手にぼんやりしている。
傍らにはヨシオが座り何やら話をしていた。
「昔お前言ってたな」
元同僚が懐かしむように話しかける。
「権力なんか糞食らえって」
「馬鹿だったんだ」
素直に認めるとヨシオは深く息を吐いた。
「今は感謝してるよ」
谷岡の目に光るものがあった。
厳しい忠告にヨシオが頷く。




