意外な味方
**地下駐車場**
「こっちです!」
運転席から声が掛かる。
見覚えのある白いセダン。
「谷岡!?」
助手席から元同僚が顔を覗かせる。
「早く乗れ!」
「助かったぜ……」
ヨシオが後部座席に滑り込むと同時にエンジンフル加速。
タイヤが砂塵を散らして発進する。
「どうしてここに?」凛太郎が驚く。
「詳しい説明は後だ!」
谷岡の声には切迫感があった。
「北ゲート抜けたら左折しろ!」
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**五分後 市街道路**
「危ない!」前方車両が急ブレーキを踏む。
追尾する黒塗りバンが猛スピードで接近中。
「捕縛しろ!」
窓から手錠を持った手が伸びる刹那ヨシオが反撃に出た。
肘打ち一つで相手の顎を砕くと同時にガラスへ蹴りを入れる。
「すごい……」
凛太郎の感嘆を他所に車内は阿鼻叫喚に包まれていた。
負傷した追手が叫び声を上げる中谷岡が怒号する。
「つかまってろ!」
ハンドルを切ると同時にカウンターアタック。
追尾車両が壁に激突する惨事となった。
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**国会議事堂 臨時特別委員会室**
壇上のテレビカメラに映るのは雅也の姿。
出血した額から血が滴り落ちている。
「国民諸君!」マイクを通して訴える声は力強い。
「この法案は偽りの正当性で成り立っています」
傍聴席がざわめく中大型スクリーンに映像が流れ始めた。
そこには伯爵家と財閥グループによる圧力工作の全貌が克明に記録されている。
「花音……?」
委員会室後方で見ていた紗月の表情が強張る。
彼女も花音も莫大な資産と権力を持つ一族だった。
「これを見てください」
雅也が示した証拠資料には財務省大臣宛ての巨額献金記録が並んでいる。
まさに贈収賄の決定的証拠だ。
「このような腐敗した立法過程によって裁かれることは許されない!」
雷のような拍手喝采が起きた。
野党議員を中心に賛同者が立ち上がる。
審議場は一夜にして革命的ムードに包まれていた。




