蠢く陰謀
**同日 ルナインターナショナルグループ本社ビル**
「大臣陣営への資金提供は完了した」
紗月が会議室で指揮棒を振るように指示を出す。
周囲には重役たちが緊張した面持ちで控えている。
「目標確保作戦は明日開始よ」
「ですが彼女たちが邪魔を……」
「構わないわ」冷徹な表情。
「障害は排除するだけ」
---
**そして現在 ヨシオ宅**
「政府からの保護要請なんて建前に過ぎない」
雅也が深刻な表情で娘たちを見据える。
「法案利用の目的はヨシオ君の拘束だ」
衝撃の告白に一家全員が息を呑む。
「じゃあ僕たちはどうすれば……」
凛太郎が狼狽える。
「法的手続きを通じて名誉回復させるしかない」
父親の解決策は一見不可能に思えたが彼には計算があった。
「実は内部告発者を一人用意している」
---
**翌日 正午 政府合同庁舎**
警備員たちが不自然に配置を変え始めた。
通常業務には不要な厳戒態勢だ。
「おかしいな」
偶然通りかかった公務員が疑問符を浮かべる中SPたちが次々と姿を現す。
---
**同時刻 柚希のマンション**
インターホンが鳴る。
画面には見覚えのない制服姿の男女数名。
「お伺いしたいことがあります」
事務的な口調だが言葉の裏に圧力を感じる。
「どちら様でしょうか?」
柚希が警戒心丸出しで問うと男はIDカードを見せた。
「内閣治安局です。ヨシオ氏に関する重要参考人尋問があります」
「冗談じゃないわ!」
凛太郎が割り込む。「法的根拠は?」
「ありますよ」
男の後ろから女官吏が書類を掲げる。
「最高検察庁の……」
その瞬間玄関扉が開く音がした。




