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力の均衡②
**翌日 昼**
「酷いわね父さんったら」
柚希が洗濯物を干しながら愚痴る。
ヨシオの血染めになったTシャツも一緒に洗ったらしい。
「叔父さんをあんな風に言うなんて最低」
憤慨した表情は十六歳らしい感情の起伏を感じさせる。
「気にしてないよ」
ベッドに横たわったままヨシオが返す。
実際に動くと脇腹の痛みがぶり返す状況だ。
「俺が原因だからね」
自虐的に笑うと少女が悔しそうに唇を噛んだ。
「違う!叔父さんは被害者なのに」
拳を握りしめる姿に思わず胸が痛む。
無実の罪で追い詰められている自身を投影しているのだろうか。
「このままじゃいけないわ」
急に決意表明のような台詞が出たのでヨシオは驚いた。
「俺はどうすれば……?」
恐る恐る尋ねると柚希の瞳が決然とした光を湛える。
「リハビリして早く元気になって」
真っ直ぐな提案に目を見開く。
「それからお父さんとしっかり話し合うのよ」
単純だが最も難しい課題だ。
あの堅牢な城塞を崩すには相当の覚悟が必要だろう。




