和解のフレンチトースト
**翌朝**
ベッドから降り立ったヨシオは寝室を後にした。
廊下へ向かいながらLINEグループを起動する。
『悪かったな紗月。昨日は事情があって……』
そこまで打ち込んだところで足が止まる。
**(柚希は何故黙ったんだろう?)**
疑惑と後悔が交錯する中で新たな通知が来た。
『あの子と一緒にいたんじゃないの?』
紗月からの質問に思わず画面を凝視する。
どこかで監視されていたかのような正確さだった。
再び恐怖感が這い上がってきた……
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「いただきます!」
三人揃って箸を持つ朝の食卓。
キッチンから漂う蜂蜜とバターの香りが室内を満たしている。
「これは……!」
ヨシオが一口食べた瞬間目を見開いた。
外側はカリッと焼かれた薄切りパンの中からジュワッとクリームチーズが溢れ出す。
市販品とは全く別次元のリッチな味わいだ。
「どう?」
凛太郎が得意げに腕を組む。
白衣代わりのエプロン姿が板についている。
「美味いどころか……凄すぎる」
ヨシオが本心からの賞賛を漏らすと少年の鼻がぷくりと膨らんだ。
「まぁね」
自画自賛しながらも凛太郎は照れ隠しにコーヒーを啜った。
「僕ならフランスで三ツ星シェフ目指せるかもね」
「もう!」
柚希が口元を拭いながら笑う。
「調子乗りすぎよ凛ちゃん」
兄妹のようなやり取りを眺めていると昨晩の緊張が嘘のように溶けていく。




