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抱擁の体温
「叔父さんは私にとって大切な人だから……」
柚希の言葉が車内に溶けた瞬間だった。
「こうやって……」
突然彼女の両腕が伸びヨシオの頭を包み込む。
膝枕状態から抱き上げられる形になり首筋が柔らかなものに埋もれた。
**ふわり……**
石鹸と桃のような甘酸っぱい香りが鼻腔を満たす。
少女特有の無垢なフレグランスに混じるほのかな汗の匂いが不思議と心地良い。
同時に顔全体が温かく柔らかな弾力に覆われる。
**もっちりとした感触……**
「あっ!」
柚希の小さな悲鳴で我に返る。
視界の端で彼女の耳朶が朱に染まっていくのが見えた。
「ごめんなさい!つい……」
慌てて腕を緩めるものの胸元からヨシオの顔を剥がすことはしなかった。
むしろ両腕で押し当てるような形になっている。
「なんだか……赤ちゃんみたいに思っちゃって」
弁解する声が震えている。
確かに密着した部分から伝わる鼓動は早鐘を打っていた。
それでも彼女は意を決したように背中に手を回した。
「叔父さん……このまま」
囁く声はほとんど聞き取れないほど小さい。
しかし微かに聞こえた一言がヨシオの全身を痺れさせた。
「ずっと一緒にいたい……」




