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崩壊へのサイレン
午前五時二十五分。
国道沿いの街灯が青白い光を放ち始める時刻だ。
「おい君」
抑揚のない呼びかけにヨシオは飛び起きた。
ブルーシートを突き破って侵入してきたのは制服警官だった。
「ここは立ち入り禁止エリアだぞ」
ライトに照らされる中年警官の顔には眠気の欠片もない。
「すみません……すぐに……」
慌てて荷物をまとめるヨシオ。
しかし警官は容赦ない。
「まずは身分証を見せてくれ」
パスポートを提示すると眉を潜めた。
「それでなぜホームレスに?」
プライベートな質問に対し説明しようとすると—
「朝の七時には撤去班が来るからな」
命令口調で言い捨てて立ち去る。
サイレンとともに回転灯が点滅し始めた。
逃亡を促す効果音には最適だなと苦笑いする。




