欲望の雪崩
「やぁ……だめぇ……」
弱々しい拒絶と裏腹にヨシオの胸板に押し付けられる温かな頬。
拒絶ではなく同意を求める媚態と解釈できる仕草だった。
背筋に鳥肌が立ち股間が硬化する生理的反応に翻弄される。
(止めなければ……でも止まれない)
矛盾した欲求が思考を麻痺させていく。
柚希の膝が小刻みに震えタイトなプリーツスカートが捲れ上がっている。
「んっ……」
突然柚希が身を捩った。拘束された体勢で無理矢理振り向き互いの鼻先が擦れ合う距離で見つめ合う。潤んだ瞳には羞恥と混乱……そして一抹の恍惚が浮かんでいた。ヨシオが唾を飲む間も無く—
「お……叔父さん?」
掠れた声での問いかけに全神経が聴覚に集中する。
喘ぐように答えると柚希の瞼がゆっくり閉じられた。睫毛の先から零れた涙珠が頬を伝う。
その瞬間—
(ああ……やはり俺は最低な男だ)
理性の最後の砦が崩壊する音がした。ヨシオの右手が柚希の頬を優しく包み込むと同時に—
パンッ!
乾いた音が公衆トイレの個室に反響した。柚希の平手打ちだった。
「バカ!!!」
怒号と涙声が入り混じる叫びと共に突き飛ばされ尻餅をつくヨシオ。
放心状態で天井を見上げる視界に柚希の震える脚が映った。
ミニスカートは乱れたまま太腿まで捲れ上がり汗ばんだ内腿の間には—
呟いた言葉に柚希が顔を真っ赤にして蹲る。
否定できない事実を目の当たりにしてヨシオの理性は完全に崩壊した。だが同時に深い後悔と恐怖が心臓を鷲掴みにする。




