表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ド底辺ホームレス中年男の俺がJK姪っ子に告られる!?  作者: やまけ〜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/230

運命の邂逅

林檎の後を尾行するヨシオの視界に見覚えのあるシルエットが飛び込んできた。


青味がかった腰まで伸びるロングヘア―—間違いなく姪の柚希だ。


都心から離れた住宅街に居る理由が理解できずに動揺が走る。


「あ……おじさん!」


振り返った柚希の瞳が大きく見開かれた。


最後に会った時より少し背が伸びた気がしたが顔立ちは十代の少女そのままだった。


「久しぶり……」


言葉が喉に詰まる。別れ際に花音を紹介したのが遠い昔のように思える。


「どこにいるか教えてってLINEしたのに!」


憤慨した声色に罪悪感が押し寄せた。


ホームレス生活を隠し通していた負い目が膨れ上がる。


「すまない……携帯をなくしてしまって」


嘘だった。実は充電切れを放置してただけだ。


「携帯なんて……」


柚希の目に涙が溢れる。ヨシオの煤けた服装を見るにつれて嗚咽が込み上げてきた。


「どうして連絡してくれなかったの?」


人目も憚らず抱きついてくる温もりに呼吸が止まる。


成長した少女の柔らかな肢体が路上生活者の硬い胸板に押し付けられた。


「パパが……おじさんのこと心配してる」


父親の名が出た途端ヨシオの眉間に皺が寄る。


「父さんの命令で来たのか?」


厳しい口調に柚希が肩を震わせた。


「違う……私が自分で来たの」


泣き腫らした瞳で訴えかけるように見上げる表情には反抗期特有の強さが宿っていた。


その瞬間—

「あっ!りんごちゃん!」


林檎が前方で母親らしき女性と談笑している姿が視界に入る。


尾行対象を見失う焦燥感が理性を蝕み始めた。


(くそっ……せっかくここまで追ってきたのに)


葛藤する内心を見透かしたかのように柚希が身を離す。


「ねえ……おじさんの今の住所は?」


懇願する瞳には姪ではなく独立した一人の女性としての誇りが見え隠れしていた。


「悪いけど……教えられない」


ヨシオの言葉に落胆する柚希の背後に—林檎の姿が小さくなってゆく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ