表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ド底辺ホームレス中年男の俺がJK姪っ子に告られる!?  作者: やまけ〜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/230

評定の刻

「……しかし」


リィファの提案を遮るヨシオの声は鉄塊のように重い。


「これ以上伯爵家にご迷惑はかけられません」


毅然とした拒絶が広間に谺した。


工場で不良品処理を命じられた時の決断力を思い起こさせる断固たる態度だ。


「私は元々浮浪者です。ここに居るべき人間ではありません」


その時、花音の叫びが広大なダイニングホールに響いた。


「私……あなたとだけは離れたくないです!」


嗚咽交じりの泣き声が大理石床に反響する。


ヨシオに処女を捧げた乙女と同じ人物とは信じ難い崩れ方に周囲の空気が凍りつく。


「花音さん……」


宥める声に込められた悲壮感—ヨシオは己の選択が少女の人生に及ぼす影響を痛感していた。


しかし決定は覆らない。


「私にはもう……場違いなんだ」


言い切って扉に向かう背中にすがりつく細腕。


「お願い!ひとりにしないで!」


泣き叫ぶ声が廊下にまで轟いた。


それは伯爵家で初めて生まれた本当の叫びだった。


---


重い扉が閉ざされる。


ヨシオは無言で玄関ホールへ向かう。


大理石の床に映る自分の影が妙に伸びる。

(済まない……花音)


心の中で詫びつつ—ポケットのパンが熱を持っているのを感じた。


それは伯爵家からの唯一の贈り物であり恥ずべき略奪行為でもあった。


(俺はやっぱり……ホームレスだ)


橋の下で齧るクロワッサンの味を想像すると奇妙な安心感が湧いてきた。


格差社会における敗北者が辿るべき道がそこにある―――


ここまでお読みいただきありがとうございました。


更新の活力になりますので、 面白い・続きが気になると思っていただけましたら★★★★★から評価やブックマーク等していただけますと大変助かります。よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ