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三重奏の入浴⑥
「ヒャア!」
花音の甲高い声が大理石の壁に反射して響く。泡まみれの背筋が弓なりに反った。
ヨシオはお返しに花音の体も洗ってあげようと、泡でふわふわのタオルで脇の辺りを洗う。
「どうした」
ヨシオが手を止めると、振り返った少女の頬が紅潮している。
「いきなりだったので……びっくりしまして」
「すまない」
泡を優しく広げ直しながら彼は言った。「あまり上手くはないかもしれないが」
リィファが突然口を挟む。
「下手もなにも……こんな庶民に洗われることが侮辱だと—」
「黙って」
ルシアが姉の声を遮った。「これは花音への謝礼でしょう?」
「……そう言えば」リィファは歯軋りした。「確かに私が提案したことですものね」
花音の柔らかい肩甲骨に泡が滑り落ちる。
指先で背骨を辿ると少女は目を瞑った。
「なんだか……すごく温かいです」
「良かった」
「ふふっ」ルシアが微笑む。
「では私もお願いしましょうか」




