三重奏の入浴
大理石造りの大浴場にはすでに湯煙が立ちこめていた。
給湯設備は最新型だが全体設計はクラシカルなローマ風――
円筒型浴槽を中心にモザイク壁画が囲む神殿のような空間である。
「お座りになって」
ルシアが大理石をくり抜いたチェアを指した。
既にルシアの白い指先が泡を立てていた。
薔薇の香りを漂わせる石鹸は最高級のオリーブ油で練られている。
湯気の立ち込める浴室で彼女は慣れた手つきでヨシオの背中を擦っていた。
「随分と頑丈な体つきですこと」
「工場勤めが長かったからね」
「労働の印ですわね」
ルシアの声に嘲りは無かった。むしろ讃えるような響きさえある。
「この傷痕は……?」
左肩の古い裂創に触れる指に力がこもる。
「昔の事故で……」
「痛みます?」
「今はもう」
会話が途切れかけた瞬間—ドアが轟音とともに開いた。
「お姉さま、私もヨシオさまのお世話を致します!」
花音が息を切らせて飛び込んできた。
着替えもせずにバスローブ姿のままだ。
「責任をとりますわ!」
一瞬の沈黙の後、ルシアが微笑んだ。
「まあ花音ったら……」
ヨシオは振り向くと硬直した。
胸元までボタンを開けたローブからは瑞々しい鎖骨が見えており
その下に鎮座する豊満な胸元にヨシオの視線は釘付けになった。
Fカップは優にある乳房が泡とともに背中に押し当てられる。
柔らかな感触に思わず喉仏が上下する。
「あまり見ないでくださいまし♡」
ここまでお読みいただきありがとうございました。
更新の活力になりますので、 面白い・続きが気になると思っていただけましたら★★★★★から評価やブックマーク等していただけますと大変助かります。よろしくお願い致します!




