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暗闘の序章
ヨシオ立ち上がってテント内を照らすLEDランタンを消し寝床を整理しながら考える。
柚希と紗月と花音はクラスメイトだ。犬の正体とは?なぜこのタイミングで?何を企んでいる?
答えが出ない問いばかりだが一つだけ確かなことがある。
(逃げれば奴らの思う壺だ)
「朝七時半、第一公園集合。ただし一人で来ること」
翌朝ヨシオは約束の場所へ向かった。
薄明かりの中で桜並木が色褪せている。
誰もいないベンチに腰掛けながら彼は自嘲した。
「結局誘いに乗ってしまったな」
昨夜と同じ時間に同じ着信があった。
「来てくださいますの?」との問いかけに無言で「行く」と答えたのが敗北だったかもしれない。
時間きっかりに現れた花音。
制服姿で微笑む姿に寒気を感じる。
「お久しぶりです」
「要点を言え」
「勿論ですわ」
花音は鞄から一枚の写真を差し出す。
そこに写っていたのは──
「これ……は」
「犬の正体です」




