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【妹との関係】
雑踏から離れたヨシオは足早に駅前広場を横切る
乾いた嗤いが喉を焼く。
ホームレス生活を送りながらも学校事務員という仮初の立場を得た今、往路はバスを使っている。
雨宿りのためベンチに腰掛けた彼の脳裏には柚希の面影が焼き付いていた。
「お兄ちゃん……か」
記憶のフラッシュバックに苦い表情を浮かべる。
柚希の母親──即ち自分の元妻の弟の配偶者はかつてこう呼んでいた。
十年前の結婚式で義妹となった彼女は快活な性格で誰からも好かれた女性だった。
夫婦仲が破綻した後も彼女だけは親族の中でも一定の距離感を保ち続けてくれた唯一の存在だ。
(だからこそ……)
今度の事態がどれほど彼ら家族を傷つけるか想像に難くなかった。
スマホが震える。真実からのメッセージだ。
【お仕事は大丈夫ですか? 雨の中お疲れ様です】
簡潔ながらも心遣いの伝わる文面。これに対しヨシオは何度も文言を考え直す。
【問題ない。少し疲れているだけだ】
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