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第四話 パーティ

男は鼻で笑う。


「返事だけは立派だな。」


「グレイウルフ三頭くらいで英雄気取りになるなよ。」


周囲の傭兵たちも苦笑する。


その時だった。


「はいはい、そこまで!」


明るい女の子の声がギルド中に響いた。


一人の少女が男とリオンの間へひょいっと入り込む。


栗色の長い髪がふわりと揺れる。


紺色のローブを纏った可愛らしい女の子だった。


同い年くらいだろうか。


少女は腰に手を当て、男を見上げた。


「新人いじめはかっこ悪いよ!」


男は肩をすくめる。


「別にいじめてねぇ。」


「忠告しただけだ。」


「それなら十分伝わったでしょ?」


少女はにっこり笑う。


「はい、この話おしまい!」


ギルドの空気が一気に和らぐ。


男はため息をつきながら背を向けた。


「……まあいい。」


「せいぜい死ぬなよ、新人。」


そう言い残して酒場の方へ歩いていく。


少女はリオンへ向き直った。


「気にしなくていいよ!」


「ベテランって、ああいう人結構いるから。」


「私はルナ!」


「リオンです。」


ルナは言った。


「そうだ!」


「ちょうど相方がいなくなっちゃって困ってたんだ。」


「ねぇ、リオン!」


「私とパーティ組まない?」


あまりに突然で、俺は少し固まる。


「え?」


「か弱い女の子一人じゃ不安なんだよね。」


リオンは首を傾げた。


「その格好、もしかして魔法使い……?」


ルナも不思議そうな顔になる。


「え?」


「魔法使いだけど?」


「……?」


二人とも黙る。


受付嬢が吹き出した。


「もしかして……。」


「リオンさん、魔法をご存じないんですか?」


「魔法?」


リオンは目を丸くする。


(魔法?)


(え、本当にあるの?)


前世では当然存在しなかった。


この世界に来てからも見たことがない。


剣ばかりだったので、てっきり存在しないと思っていた。


ルナはキョトンとしていたが、次の瞬間には楽しそうに笑い始めた。


「あはは!」


「本当に知らないんだ!」


「珍しい人だね。」


「魔法には火や水、それに風や土なんかを扱う人もいるし、私みたいに魔力で武器を作って戦う人もいるよ。」


リオンは興味深そうに頷いた。


「武器を……作る?」


「うん。」


ルナはにこっと笑う。


「詳しくは、任務で見せてあげる。」


「きっと驚くと思うよ。」


「楽しみにしています。」


受付嬢は依頼書を一枚取り出した。


「では、お二人はこちらの護衛依頼はいかがでしょう?」


【護衛依頼】


王都近郊の村まで薬品を届けること。


途中、ゴブリンの目撃情報あり。


二人以上推奨。


ルナは依頼書を手に取り、笑顔でリオンを見る。


「一緒に行こ?」


リオンは小さく頷いた。


「よろしくお願いします。」


「こちらこそ!」


そうして、リオンにとって初めてのパーティが結成された。

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