第二話 王都到着
三日後、王都へ到着。
初めて見る巨大な城壁や人の多さに圧倒される。
門には長い行列。
順番が来る。
門番が聞く。
「身分証は?」
ない。
「紹介状は?」
ない。
「身元を保証できる者は?」
いない。
門番は首を振る。
「悪いが通せない。」
リオンは困った。
家もない。
知り合いもいない。
どうすればいいのか考えていると
後ろから馬の足音。
「おい! そこの少年!」
聞き覚えのある声。
振り返る。
そこには数日前に助けた兵士。
肩には包帯が巻かれている。
兵士は馬を降りる。
リオンを見て笑う。
「無事に着いたか!」
リオンも少し驚く。
「あなたも無事だったんですね。」
兵士は笑う。
「おかげさまでな。」
兵士が言う。
「そういえば、あの時は礼もろくに言えなかったな。俺はガレス。王国軍第三辺境守備隊所属だ。」
リオンは頭を下げた。
「リオンです。」
「リオンか。覚えた。」
ガレスは門番へ向く。
「こいつは俺の命の恩人だ。」
門番は驚く。
「この少年が?」
「盗賊三人を追い払った。」
周囲もざわつく。
ガレスは軍の証を見せる。
「俺が身元を保証する。」
門番は敬礼。
「失礼しました。お通りください。」
リオンは王都へ入る。
歩きながらガレスが聞く。
「王都には何をしに来た?」
「仕事を探しに来ました。」
「知り合いは?」
「いません。」
「宿は?」
「ありません。」
ガレスは少し考え、
「なら傭兵になれ。」
リオンは首を傾げた。
「傭兵?」
「依頼を受けて金を稼ぐ仕事だ。護衛、盗賊討伐、街道の巡回、開拓村の警備……実力さえあれば食っていける。」
リオンは足を止めた。
「でも、俺は戦ったことなんて、ほとんどありません。」
ガレスは吹き出す。
「盗賊三人を追い払った奴が何言ってる。」
「……あれは必死だっただけです。」
「それでも普通はできねぇ。」
ガレスは真剣な顔になる。
「あの甲冑、重くなかったんだろ?」
リオンは頷く。
「普通でした。」
「やっぱりか……。」
ガレスは何か考え込むように空を見上げる。
「その話は今はいい。」
「まずは登録だ。」
「実力が本物なら、試験なんてすぐ終わる。」
リオンは静かに頷いた。
「お願いします。」
ガレスは笑う。
「よし、俺に任せろ。」
二人は人混みの中を歩き始める。
やがて、一つの大きな建物が見えてきた。
木造二階建て。
入口には剣と盾を交差させた大きな看板が掲げられている。
その前では鎧姿の男たちが談笑し、傷だらけの冒険……いや、傭兵たちが依頼書を眺めていた。
リオンは思わず息を呑む。
(ここが……俺の新しい人生の始まりか。)
ガレスが扉を開ける。
「よう、ギルド長! 面白い新人を連れてきたぞ!」




