体調不良の騎士団
今日は久しぶりに街に買い出しに出たユリア。
行く先々で、ユリアの復帰を喜ぶ人たちに声をかけられた。
自分が思うより沢山の人達に歓迎してもらい、ひっそりとカフェをやっていると思っていたが思いの外みんなに必要とされていた事に驚いた。
しかし、それもとても嬉しかった。
昔は、このまま地味に目立たずカフェをやって行けたら…と思っていたユリアは少しずつ考えが変わっていた。
やはり目立つ事は好きではないが、沢山の困っている人の役に立つ事が今の目標になった。
買い出しから帰ったユリアは、魔法カフェのドアの前に沢山の人がいるのが見えた。
しかも、それは見覚えのある制服を着ている人達だった。
「あ、ユリアさん!」
ユリアを見つけ駆け寄って来たのは、ハンターだった。
「あれ?ハンターさん。どうしたのですか?」
後ろを見ると、王宮騎士団の制服を着た団員が十数人居る。
「実は、ミュゼットさんからユリアさんが白の魔法使いになられたとお聞きしまして。最近、騎士団に不調を訴える者が多いので診ていただこうかと…」
後ろにいた団員達を見ると、何人かは少し青白い顔をしている者もいた。
「そうなんですか。私は白の魔法使いになったばかりですので、お役に立てるか分かりませんが…。……あの…とりあえずはお店の中にどうぞ。」
ユリアの周りには何事か?と人が集まり出していた。
中には騎士団目当ての若い女性もいる。
とりあえず、店内の椅子に座ってもらい
ユリアはパンの仕込みを終わらせた。
発酵させている途中で調子の最もの悪い人から診ていく事に。
「では、よろしくお願いします。」
ユリアは手を調子の悪い団員にあててみる。
「…………」
他の団員はその様子をじっと黙ってみていた。
ユリアは目を瞑り神経を集中させると、ぼんやりと白い中にグレーがかったモヤモヤが見えてきた。
きっと不調の原因はこれだわ。
ユリアは目を開けて、団員に聞いてみる。
「どこか怪我をしたりしていますか?」
「いえ、していません。ただ、最近体が物凄く重くて夜もあまり眠れないんです。」
「そうですか…。私はお医者様ではないので、完治するか分かりませんが気になる所があるので少し白の力を注ぎますね。」
「はい、お願いします。」
ユリアはもう一度目を瞑りグレーがかったモヤモヤを探す。
これだわ…。なんだろう…この前の訓練の時より違和感は薄いけど…。
ユリアはそのモヤモヤにそっと力を注いでみた。
団員達の目の前で、ユリアの手から白くて柔らかい光が発せられた。
団員達は、不思議な光景に声を殺して驚いていた。
グレーのモヤモヤが無くなったのを確認して、ユリアはその団員に聞いた。
「どうですか?何か変わりました?」
「あ、あの。体が重いのがなくなりました!ありがとうございます!」
「良かったです!」
他の団員達は、ただの風邪だったり少し怪我をしていたりしている者もいた。
回復魔法や治癒魔法をかけてあげるとほとんどの団員は元気を取り戻した様子だった。
「ユリアさん、ありがとうございます!いやぁ、実は今日治してもらった者の中には医者からどこも悪くないと言われて困っていたやつもいたんです。」
「そうなんですか。おそらく、少し悪い気を持って帰って来たのではないかと思います。」
「悪い気ですか?」
「はい。例えば、憎しみや悲しみが作り出す穢れとか、呪いとか。それが身体に入り込むと体調が悪くなると習いました。今日は3人ほど悪い気をため込んでいる方がいたので。」
「なるほど。我々は戦いなどでそのような悪い気を貰ってしまうかもしれないですね。いや、勉強になりました!」
ハンターは仕切りに関心して頷いていた。




