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魔法使いの色

野菜を持って帰って来たユリアとトーマスを見て

ファッジがニコニコしながら受け取った、


「若いっていいわねぇー。」


台所に向かいながら、嬉しそうに呟いた。



その日の夕飯は、ファッジとエミネールが作ったご馳走が並べられた。

トーマスも騎士団の制服を脱ぎ、楽な普段着を着ている。


「なんだか、トーマス様の普段着をきちんと見たのは初めてのような気がします。」


「そうかもしれないですね。外に出る時は基本的に制服を着てますので。」


「でも、あれだね!トーマスさんはかっこいいから何でも似合うわねぇ。」


ファッジは楽しそうに言う。

すると、エミネールがユリアに言った。  


「ユリアちゃんも、そんな事で驚いてではダメじゃない。結婚したら旦那様になるんだからね!」


「そ、そ、それは!」


ユリアは真っ赤になりながら慌てた。  


「さぁさぁ!冷めないうちにいただこうじゃないか。」


「「「いただきます!」」」


テーブルには、スープやサラダ、それに鶏肉の煮込みなどが所狭しと並んでいる。


ファッジはサラダを取り分ける。


「さぁさぁ、どうぞ!」



先程、ユリアとトーマスが取ってきたトマトのナスはサラダになったようだ。

くし切りにしたトマトと分厚い輪切りにしたナスを塩胡椒をして炒めて、お酢をベースにしたドレッシングをかけてある。

 

「ファッジさん、これすごく美味しい!」


「ありがとうねー!トマトとナスは相性抜群なんだよ。」


「ユリアちゃん、こっちも食べてみて!」


そう言って、キャベツと燻製肉のスープを渡した。


「わぁ!これも燻製の香りがして美味しい!!」


「そうだろ、そうだろ!」


「エミネール!ユリアちゃんは私のサラダの方が美味しいって言ったんだよ!」


「いいえ、違います。このスープの方がユリアちゃんは好きです!」


2人はそれぞれ自分の料理の方が美味しい!と言い合っている。  


「ふふふ。ファッジさんもエミネールさんもどちらのお料理も美味しいです!」


2人はしばらく言い合いをしながら、食事を進めて行った。



しばらくして、ユリアには気になった事があった。


「あの。コートおばあちゃんとファッジさんとエミネールさんって…王宮魔法使いのお仲間だったんですか?」


「ああ、そうだよ。ファッジは、緑の魔法使い。エミネールは水色の魔法使いだ。」


「そして、コート様は虹色の魔法使いだよ。」


「みなさん、色が付いてますよね?緑に水色に虹色。セレニウム様は金色でしたよね?」


「ああ、そうだね。その色はその魔法使いの特色を表しているんだよ。緑は大地の力、水色は水の力。虹色は緑も水色も赤も黄色も入っているだろう?虹色は、白以外のほとんどの力があるんだよ。」


エミネールはそう言いながら、コップの水を操り始める。 

コップから飛び出した水は、塊になりながら色んな形に変化して行った。


コートが更に話し出した。


「それから、色はその人の地位も表すのさ。」


「地位ですか?」


「そう。セレニウムは金色だろう?あれは、王様から賜った色だ。金色と銀色の魔法の力は無いから、その2つは名誉ある色なんだよ。例えば、何か手柄をたてた時に貰える勲章みたいなもんよ。」


「虹色も王様から賜ったと聞いておりますが。」


今まで黙って聞いていたトーマスが話し出す。


「エバン総長からお聞きしました。昔、総長が新人の騎士だった頃に大変難しい遠征があったそうですね?」


「ん?ああ、あれの事かな?」


エミネールがパンと手を叩く。


「ガダルーシャの時じゃない?」


「ガダルーシャ?」


ユリアは聞き慣れない言葉だった。


「ユリアさんらガダルーシャは国の名前です。東の方の国で険しい山々に囲まれた国なんですよ。」


「そうなんですか。初めて聞いた名前です。世界には色んな国があるんですね。」


コートは頷きながら、そのガダルーシャ遠征の事を語り出した。






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