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僕はあなたのもの

しばらく部屋で休んだ3人は

村にある食堂に出掛けた。


村の中心にある、食堂。

食堂兼酒場という感じだろうか。

すでに沢山の人で賑わっている。


店に入ると、店員に案内され席に座る。


すると周りからこんな声が聞こえてきた。


「見て!あの人!すごくかっこいい!」

「わぁー!素敵。」

「隣の女の人、彼女かな?」

「えー!違うでしょ。妹とかじゃないの?」

「後で、声かけてみようよ。」


若い女性はトーマスを見て色めき立っていた。

トーマスは元々ユリア以外の女性に興味がないので、気にしていない様子だ。


最初はユリアも、王都でも同じようなものだからと気にしないようにしていたが

その声があまりにも聞こえるのでちょっと気になってきた。


するとトーマスがユリアの手を握って、ニッコリ微笑んだ。


「え?」


ユリアはびっくりした。


目の前にはコートおばあちゃんもいるのに、急にどうしちゃったんだろう?

とトーマスの顔を見ている。 


するとコートが大笑いしながら言った。

それもかなり大きな声でだ。


「それで?2人はいつ婚約するんだい?」


「え!」


コートのその言葉に先程まで色めき立っていた若い女性が一瞬固まる。

コートはチラッとそちらを見た。


「はい。今ある色々な事が片付いたら、ユリアさんを両親に紹介したいと思っています。」


トーマスも少し大きめに話している。


「ト、トーマス様まで。」


「何を言ってるんですか。僕はユリアさんだけの物ですよ。」


「え、え!ちょ、ちょっと。」


「だから、ユリアさんも僕だけのものです。」


トーマスはユリアの手をギュッと握って離さない。

コートはその様子を見て小声で言った。


「これで少し静かになっただろう。食事は落ち着いて食べたいからねぇ。」


ユリアはやっと2人が大声で話した意味が分かった。


「もう!!2人ともそれならそうと言ってください。いきなり、トーマス様がそんな事言うから。びっくりしましたよ。」


「え?でも、さっきのは本当の事ですから。本当にそう思ってますよ。」


「え?」


トーマスはユリアの手をまた握ってニッコリ微笑んだ。


トーマス様、最近キャラが変わって来た……とユリアは思った。



しばらくして運ばれて来た料理を食べながら

明日の事を話す。


「明日の朝早くこの村を出発して、半日くらい山道を登れば到着だよ。ここよりまだ寒いだろうから、明日は暖かい格好で出ておいで。」


「はい、わかりました。」


「それと、トーマスさん。山道には狼や猪なんかも出るから気をつけてくださいね。猪は貴重な食料だから退治したら持ち帰りたいねぇ。」


「はい。心得ました。」


「さて、夕飯も食べたし。そろそろ宿に戻ろうか。」


3人がお店を出る時、先程色めき立っていた若い女性たちはトーマスがユリアの手をしっかり握っていたのを見逃さなかった。



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