買い物
「さぁ!着いたわよ。」
アンジェラとユリアは馬車から降りた。
降りた場所は沢山の高級店が並ぶ通りだった。
「お母様はいつも王都にいらっしゃると来られるんですか?」
「いいえ、お店に来るのは久しぶりよ。いつもお屋敷に来てもらうから。」
貴族の買い物というのはお店に来てするものではないらしいとその時ユリアは初めて知った。
お店に入ると店員さんたちが総出で出迎える。
「クリムト公爵夫人!いらっしゃいませ。」
「ご無沙汰してましたね。今日はよろしくお願いしますね。」
「はい、承っております。では、こちらへ。」
アンジェラが買い物をしている間、どう待とうかと思っていたユリアは、店員たちが自分を店の奥に案内する事を不思議に思いながら着いて行った。
そして、店の奥に広がる光景に驚いた。
「ユリアちゃん、こちらの端から順に着てみてね。」
「え?」
「ほら早く早く。」
ユリアはアンジェラに急かされて試着室に入った。
中には着替えの手伝いをしてくれる店員さんが待っていた。
「それでは、お嬢様!早速お着替えしましょう。」
「えっ?ちょ!ちょっと!」
ユリアはあっという間に脱がされて、新しい服に着替えさせられて行く。
まずは、コルセット。
そして、ペチコート。
最後にドレス。
着替えが終わると、その都度試着室から出てアンジェラに見せる。
「うん、いいわね!さぁ!次よ!」
そして、次。
「うーん、ユリアちゃんの肌の色に合わないわ…ダメね。」
その後、何着くらい着替えただろうか。
ユリアはヘトヘトだった。
「お母様…これ、あと何回着替えますか…」
「うふふ。試着って疲れるわよね。これが最後よ。」
ユリアはドレスを着たまま、ソファに座り込んだ。
アンジェラがユリアに紅茶を勧める。
「ユリアちゃんはスタイルがいいから、どれも似合っちゃうのねぇ。ああ!楽しいわぁ。」
ユリアはこんなに試着してどうするんだろう?と本気で思っていた。
「それじゃあ、よろしくお願いしますわね。」
ユリアは店員達に頭を下げてアンジェラに付いて店を後にする。
ユリアは何故何も買わないのかと不思議に思ったのだっだ。




