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アンジェラ・クリムト

向こうからユリアを呼ぶ声がした。


「ユリアさん!」


その声はトーマスだった。


「ユリアさん、探しました。どうしたんですか?急に居なくなるから、驚きましたよ……って!え!母さん!!なんで、ここに!」


トーマスは驚いて2、3歩後退する。

そのトーマスを見て貴婦人が言った。


「もう!トーマス!何やってるの!ユリアちゃんがあそこのご婦人達にいじめられてたじゃないの!」


「え?いじめ?」


「そうよ!もう…ごめんなさいね、ユリアちゃん。うちの息子は本当にダメね!」


「あ、あの。やはり、トーマス様のお母様でいらっしゃるんですね。」


「アンジェラ・クリムトよ。よろしくね!」


「ユリア・エスタークと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」


「まぁ、ユリアちゃんって本当に可愛いわぁ!貴方に会いたかったのよ。」


アンジェラはユリアの手を握りしめた。

その様子を見てトーマスが言う。


「母さん…そろそろ離してあげてください。」


「もう!この子ったら!ユリアちゃんはこれからうちの娘になるのよ?」


「それならこれからいくらでも話せますよ。今日はユリアさんの祝賀会なんですから…。母さんが独り占めしてはいけませんよ。」


アンジェラはうーんと考えている。


「そうね!じゃあ、明日2人でお屋敷にしらっしゃい。必ず!いらっしゃいね?ね?ユリアちゃん。」


「は、はい。明日トーマス様と改めてご挨拶に伺います。」


「待ってるわね!トーマスも絶対よ!」


「はい、わかりました。」


アンジェラはユリアに手を振りながら、パーティーの中へと消えていった。


「トーマス様。」


「なんですか?」


「お母様がいらしたなら、お父様もご一緒では?」


「ええ、そうですね。でも、父はおそらく王様と別室に居ると思いますよ。」


「そうですか。ご挨拶しなくて大丈夫でしょうか?」


「大丈夫です。王様とは難しい話をしていると思うので。それに明日会えますし。」


「そうですか。じゃあ、明日きちんとご挨拶しますね。」


ユリアとトーマスは気を取り直してパーティーへと戻っていった。


パーティーで次にユリアを捕まえたのは、王宮魔法使いの面々だった。


「ユリア様!白金の称号おめでとうございます!」


「みなさん、ありがとうございます。」


「白金だなんて!素敵ですね!」


王宮魔法使い達は、ユリアが着ている白金のマントを見てため息をついた。


「それに、ユリア様のお母上は有名な白の魔法使いのトロエ様だったとは!」


「母は有名なんですか?」


王宮魔法使いの1人が目を輝かせながら話した。


「そりゃあもう!私たちはお会いした事はありませんが、この国唯一の白の魔法使いでいらっしゃいますからね!」


「それに!内緒ですけれど…トロエ様の実力はセレニウム様を上回る物だったとお聞きしております。」


もう1人の王宮魔法使いも興奮気味に話している。

話に夢中になっている王宮魔法使い達の後ろから声をかける人がいた。


「その通りですよ。」


ふと、後ろを見るとそこにはセレニウムが立っていた。


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