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『性欲と肉体のナイトゲーム』  作者: こうた
第7章 ゴルフ場の女神と高級クラブ

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第108話 高橋りえという女性

2022年4月17日。


日曜日の午後。


健太は、いつものゴルフ練習場にいた。


昨日知り合った高橋りえのことが、少し気になっていた。


小野寺みほとは違い、りえはどこか華やかな雰囲気を持っていた。


服装も持ち物も上品で、言葉遣いにも余裕がある。


健太の周囲には、あまりいないタイプの女性だった。


「大野さん、こんにちは」


声をかけられて振り向くと、りえが立っていた。


「こんにちは。今日も練習ですか?」


「はい。みほさんと約束しているんです」


「そうなんですね」


「大野さんも、よく来られるんですか?」


「最近始めたばかりで、週に一回くらいです」


「いいですね。私も最初は週に何度も通っていました」


りえは笑顔で答えた。


その後、彼女はみほのいる打席へ向かった。


健太は自分の練習に戻った。


しかし、二人が話している様子が少し気になった。


みほとりえは、かなり親しいようだった。


練習を始めてしばらくすると、松田が健太のところへやってきた。


「健太、さっきの高橋さん、知ってるか?」


「昨日、初めて話しただけやで」


「そうか。あの人のクラブ、かなり高いで」


「またその話か」


「いや、今回は本当にすごい。あのモデルは上級者向けで、値段も相当するはずや」


松田は興奮していた。


「そんなに高いクラブを使ってるんやな」


「ゴルフにかなり金をかけてるんやろうな」


健太は少し考えた。


「でも、本人が好きで買ってるんやったらええんちゃう?」


「そらそうやけどな。俺も欲しくなってきたわ」


松田は自分のクラブを見つめた。


その日の練習後、健太たちは休憩スペースに集まった。


みほとりえも、少し離れたテーブルで飲み物を飲んでいた。


田村が挨拶をすると、二人もこちらに来た。


「皆さん、野球仲間なんですよね?」


りえが尋ねた。


「そうです。昔からの友人もいれば、社会人になってから知り合った仲間もいます」


田村が答える。


「仲が良くていいですね」


「まあ、長い付き合いですから」


森川が胸を張った。


「俺たちは、野球ではかなり本気でやってるんですよ」


藤井が笑う。


「森川は口だけやけどな」


「おい!」


周囲に笑いが起こった。


りえも楽しそうに笑っていた。


「皆さん、今度コースに出られるんですか?」


「来月あたりに考えています」


田村が答えると、りえは少し考えた。


「もしよかったら、私たちも一緒に行きましょうか?」


健太は驚いた。


「えっ、いいんですか?」


「もちろんです。ただ、初心者の方が多いなら、最初は無理のないコースがいいと思います」


みほも頷いた。


「そうですね。私も一緒なら、少しはお手伝いできると思います」


田村は喜んだ。


「それはありがたいです。ぜひお願いします」


その場で具体的な日程を決めることはなかったが、二人が参加する可能性が出てきた。


帰り道、松田は上機嫌だった。


「これはええ話になったな」


「何が?」


健太が尋ねる。


「女性と一緒にゴルフできるんやで。しかも、二人とも上手そうやし」


「ゴルフを楽しめたらそれでええやろ」


藤井が言った。


「そうやな。でも、俺は高橋さんのクラブが気になるわ」


松田は笑った。


その夜、健太は美咲にメッセージを送った。


『今日もゴルフの練習に行ってきました』


『頑張っていますね』


『来月、仲間とコースに出るかもしれません』


『楽しそうですね。私はまだ予定が分からないので、ゴルフはもう少し先になりそうです』


健太は返信した。


『分かりました。また機会があれば行きましょう』


それで会話は終わった。


健太は少し残念だったが、無理に誘うつもりはなかった。


翌日、仕事では上司から呼び止められた。


「大野、先週の数量確認の件だが、チェック表は使っているか?」


「はい。毎日使っています」


「確認作業は慣れてくると雑になりやすい。形だけにならないように気をつけろ」


「分かりました」


健太は返事をした。


仕事のミスは、一度注意されたからといってすぐになくなるものではない。


自分の弱点を意識し続ける必要がある。


その日の帰宅後、健太はゴルフクラブの価格を調べた。


松田の影響もあって、少し高級なモデルが気になり始めていた。


しかし、画面に表示された価格を見て、購入する気持ちは一度落ち着いた。


(今はまだ必要ないな)


健太はスマートフォンを閉じた。


その頃、高橋りえは自宅でゴルフクラブを手入れしていた。


彼女は仕事で一定の収入を得ており、自分の趣味にお金を使うことを楽しんでいた。


ただし、華やかな生活の裏には、他人には話していない事情もあった。


りえはスマートフォンを手に取り、誰かにメッセージを送ろうとしていた。


相手は、以前から親しくしている男性だった。


画面には、短い文章が表示されていた。


『今度のゴルフ、予定が合えば一緒に行かない?』


りえは少し考えた後、そのメッセージを送信した。


彼女の恋愛事情を、健太はまだ何も知らない。


そして、来月のゴルフが近づくにつれ、健太はまた一つ、自分の知らない現実に直面することになる。

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