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『性欲と肉体のナイトゲーム』  作者: こうた
第7章 ゴルフ場の女神と高級クラブ

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第107話 高級ゴルフ場への誘い

2022年4月16日。


土曜日の夜、ドリーム・エース・ナインのメンバーは、いつもの居酒屋に集まっていた。


この日の話題は、ゴルフだった。


「みんな、そろそろ練習場だけじゃなくて、実際にコースを回ってみないか?」


松田が切り出した。


田村は箸を置いた。


「まだ早くないか? まともにボールが飛ばない奴もおるやろ」


「だからこそや。実際にコースに出た方が勉強になる」


森川がすぐに反応した。


「俺は行きたい! コースに出たら本当の実力が分かるからな」


「お前、練習場で空振りしてたやろ」


石田が笑う。


「それは練習や! 本番は違う!」


相変わらず森川は自信満々だった。


松田はスマートフォンを取り出し、ゴルフ場の写真を見せた。


「ここなんやけど、どうや?」


画面には、広大な芝生と美しく整備されたコースが映っていた。


クラブハウスも立派で、ホテルのような雰囲気がある。


「えらい高級そうなところやな」


健太が言った。


「ちょっと料金は高いけど、設備もいいし、初心者でも楽しめると思う」


田村が料金を確認した。


「土日やと、結構するな」


「まあ、一回くらいならええやろ」


松田は軽く言った。


しかし、健太は少し考えた。


住宅購入や家族の将来のことを考えれば、趣味に使えるお金には限りがある。


まだゴルフを始めたばかりなのに、無理をする必要はない。


「俺はもう少し練習してからでもいいかな」


健太が言うと、藤井も頷いた。


「俺も同じや。コースに出るなら、最低限のルールとマナーくらい覚えてからにしたい」


「それなら、初心者向けの講習を受けてから行くか?」


田村が提案した。


最終的に、全員が参加することになった。


ただし、日程は翌月以降に調整することになった。


居酒屋を出る頃、松田が健太に話しかけた。


「そういえば、この前の小野寺さん、ゴルフがかなり上手かったな」


「そうやな」


「今度のゴルフ場にも来るかもしれへんで。知り合いが同じスクールに通ってるらしい」


健太は少し驚いた。


「そうなん?」


「まだ確定じゃないけどな」


健太は、みほとまた会える可能性があることを嬉しく感じた。


しかし、すぐに自分を戒めた。


彼女はゴルフを楽しみに来ているだけだ。


自分と親しくなりたいと思っているかどうかは分からない。


翌日、健太は美咲にメッセージを送った。


『昨日、ゴルフ仲間とコースに出る話になりました』


『いいですね。もうコースデビューですか?』


『まだ先です。初心者なので、少し練習してからです』


『無理せず楽しんでくださいね』


『ありがとうございます。美咲さんも昔やっていたんですよね』


『はい。でも、最近は全然です。道具ももう持っていないと思います』


健太は少し考えた。


一緒に練習しようと誘うのは、まだ早いだろうか。


しかし、前に美咲は「予定が合えばぜひ」と言ってくれた。


『もしまた始めるなら、一緒に練習できたら嬉しいです』


送信すると、美咲から返事が届いた。


『そうですね。もう少し暖かくなったら考えてみます』


健太は、それ以上話を進めなかった。


相手の返事を待つことも、今の自分には必要だった。


その日の午後、健太は一人でゴルフ練習場へ向かった。


受付で料金を支払い、打席に入る。


隣の打席には、見覚えのある女性がいた。


小野寺みほだった。


「こんにちは」


健太が挨拶すると、みほは笑顔で返した。


「こんにちは。今日も練習ですか?」


「はい。来月、仲間とコースに出る話になりまして」


「そうなんですね。楽しみですね」


「まだ全然自信はないですけど」


「最初はスコアを気にしすぎない方がいいですよ。コースの雰囲気を楽しむくらいで」


「ありがとうございます」


みほはクラブを一本取り出した。


そのヘッドには、見慣れない高級モデルの文字が刻まれていた。


健太が目を向けていることに気づいたのか、みほが説明した。


「これ、最近買い替えたんです」


「新しいクラブですか?」


「はい。前のものも気に入っていたんですけど、試打してみたらこちらの方が自分に合っていて」


「結構高そうですね」


「安くはなかったですね。でも、長く使うつもりなので」


みほは笑った。


健太は、自分もいつか自分に合ったクラブを選べるようになりたいと思った。


そのとき、練習場の入口から一人の女性が入ってきた。


年齢は三十代後半くらい。


上品な服装で、手には高級ブランドのバッグを持っていた。


女性は受付でスタッフと話し、みほの姿を見つけると近づいてきた。


「みほさん、お待たせ」


「こんにちは。今日は早かったですね」


二人は親しそうに挨拶を交わした。


「こちらは?」


女性が健太を見た。


「ゴルフ仲間の大野さんです。最近始められたんですよ」


「初めまして。大野です」


「初めまして。高橋りえです」


りえは柔らかく微笑んだ。


その手には、見た目にも高価そうなゴルフクラブのケースがあった。


「初心者なんですね。ゴルフは楽しいですよ」


「まだ難しいことばかりです」


「道具も大切ですけど、最初は楽しむことが一番ですよ」


その言葉を聞いて、健太は少し安心した。


しかし、りえの持っているクラブを見た松田が、少し離れた打席からこちらを見ていた。


彼はそのメーカーを知っていた。


そして、価格も。


松田の目が輝いた。


(あれは……かなり高いやつや)


この出会いが、健太たちのゴルフへの向き合い方を変えていくことになる。


ただし、誰もまだ気づいていなかった。


高級な道具を持つことと、ゴルフが上手くなることは別の話だということに。

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