5/6
第一作業室⑤
「おい、何をしてる」
声の主はそう言った。見上げれば、これまた知らない人がいる。セミロングの黒髪に重めの前髪。メロい女を連想させる雰囲気。左側の口もとに銀色のピアスがついている。
「すいません 転んでしまって
ダンボールすぐ片付けてますんで」
「そうか、第一のやつか?」
「そうですけど」
アヤさんもこの人もなぜ第一だとわかるのだろう?
「第一の新入りはミネラルウォーター係と決まってるからな」
感情のない声が上から降ってくる。
「早くしないと、会議もう始まってるぞ」
「わかりました」
その人は僕に手を振りながら会議室へと向かう。
落ちたダンボールを拾い台車を動かそうとすると後ろから声が聞こえた。
「宮戸さーん!」
振り返ると、社食の従業員数名がダンボールの乗った台車を押しながらこちらへ向かってくる。
「どうしたんですか?」
「アヤさんに持っていくよう頼まれまして」
さすがアヤさんだ。
「会議室はどこですか?」
「この通路の突き当たりです
行きましょう!」
こうして僕たちは何とか会議室の扉の前に到着した。




