◆第72話:高らかな高笑いと、次なるステージ
「やったぁぁぁ! ベスト4進出だよ、ゼロ、ウーちゃん!」
「はいっ! 上級生相手に勝てるなんて……本当に信じられないです……っ!」
大歓声のリングを後にし、熱気の残る通路を通って控え室へと戻る道中。
前方の通路から、カツカツと気品あるヒールの音を響かせて歩いてくる一団とすれ違った。
豪奢な公爵家の鎧を身に纏い、特徴的な縦ロールのドリルツインテールを誇らしげに揺らす少女――エリザベート先輩と、その率いる『グランド・デューク』のメンバーたちだ。
エリザベート先輩は俺たちの前でぴたりと足を止めると、呆れたようにため息をつきながら扇子で口元を隠した。
「ハァ……最後のナイフ投げといい、本当にふざけた人(男)ね」
「あ、あはは……まあ勝てば官軍ってことで……」
俺が苦笑いしながら頭を掻くと、彼女はフンと可愛らしく鼻を鳴らした。
「まあ……せっかく勝ち上がったことですし、そこだけは褒めて差し上げますわ」
そう言うと、エリザベート先輩は背筋をピシッと伸ばし、自信に満ちちあふれた不敵な笑みを浮かべた。
「次は私たちの番ですわ! あんな3年生チーム、私もすぐに終わらせて見せますから……しっかり指を咥えて見ていなさいな! おほほほほほっ!」
高らかな高笑いを廊下に響かせながら、エリザベート先輩は優雅に、そして圧倒的な自信を漂わせて試合会場へと向かって行った。
「相変わらず賑やかな人だなぁ、ドリル先輩♪」
リアンがニシシと笑いながら手を振る。
「でも……エリザベート先輩たちの相手って、3年精鋭の『聖剣の誓い(オース・オブ・ブレイド)』ですよね。どんな戦い方をするんでしょう……」
ウーが少し心配そうにエリザベート先輩の背中を見つめる。
俺は通路の途中で立ち止まり、観客席へと続く階段を見上げた。
「……一応、見ておくか。次の準決勝で戦うかもしれない相手だしな」
「うん! ドリル先輩の本気の戦い、特等席で見物しちゃおう!」
俺たちは控え室に戻る前に観客席の通路へと寄り道し、これから始まる第2試合――『グランド・デューク』VS『聖剣の誓い』の激突をじっくりと見守ることにしたのだった。
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