◆第66話:祝杯と、明日のくじ引き
「無事に予選突破――かーんぱーいっ!!」
「「かーんぱーい!!」」
夜の賑やかな食堂。俺たちはなみなみと甘い果実ジュースが注がれた巨大なジョッキを勢いよくぶつけ合い、一気に喉へと流し込んだ。
プハァッ!と口元を拭ったリアンが、弾けるような笑顔で拳を突き上げる。
「やったねーーーっ! 無事に本戦進出だよっ!」
「はいっ……! 5連勝できるなんて、夢みたいです……っ!」
ウーも頬をほの字に染めながら、大事そうにジョッキを両手で抱え込んでいる。
「いやぁ、今日のリアンとウーはマジで凄かったよな。リアンの圧巻の風斬りも凄かったし、ウーのあの曲がる魔法なんて相手完全にパニックになってたぞ」
俺が二人の奮闘を称えると、リアンとウーは照れくさそうに顔を見合わせた。
「えへへ、ゼロに褒められると照れちゃうな~♪」
「でも……ゼロさん。今日、最後の試合で『不吉な呪い』みたいなので相手を勝手に自滅させてましたけど……」
「だから呪いじゃないって! 俺ホントに何もしてないからな!? ただ立ってただけだから!」
俺が必死に弁明すると、リアンがニシシと優しく微笑んで俺の袖をキュッと引っ張った。
「ふふ、良いんだよ。ゼロはただそこに『いてくれるだけ』でいいの」
「え……?」
「ゼロが前線でどっしり構えててくれるから、私もウーちゃんも安心して100%の力を出せるんだもん。ゼロがヴォイド・シフルの司令塔でいてくれるから、私たちは強くなれたんだよ」
「は、はいっ! 私もリアン先輩と同意見です! ゼロさんがいてくれるから、私、怖くありません!」
真面目な直球で感謝を伝えられ、今度は俺の顔が熱くなってしまう。
「お、おう……サンキュ。……よし! 明日はついに本戦だ。気合入れて頑張ろうぜ!」
「うんっ! 明日の朝、トーナメントの組み合わせの『くじ引き』があるんだよね」
リアンが顎に手を当てて、うーんと考え込んだ。
「くじ運次第だけど……やっぱり、あのドリルツインテのエリザベート先輩のパーティと当たっちゃうのかな?」
「本戦はベスト8の狭き門だからな。1回戦で当たるか、決勝で当たるかの違いだけさ。どこで当たろうと、俺たちの『フルバースト』でギャフンと言わせてやろうぜ!」
「「おーーーーっ!!」」
明日の決戦に思いを馳せながら、俺たちの夜は更けていくのだった。
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