◆第63話:鉄壁の陣形と、疾走する炎矢
『――予選第4回戦、試合開始!!』
審判の合図とともに、リアンが前衛へ向かって疾走した。
「まずはお手並み拝見……『風斬』!」
踏み込みざまに放たれた一撃。だが、前衛の大型盾持ちの男がドンと踏み込み、大盾に魔力を充填させて受け止めた。
ガァァンッ!!
「甘いぞ『剣聖』! 俺の【重圧障壁】は風刃程度じゃ破れん! 後衛、合わせろ!」
「「【氷槍】射出!」」
盾の影から後衛の魔法士二人が顔を出し、鋭い氷の槍を何本も放ってくる。さらに側翼からもう一人の剣士がリアンの回避先を塞ぐように回り込む。
(なるほど……大盾でリアンの攻撃を受け止めて、死角から魔法と夾撃で潰す隙のない連携だな!)
「ふーん、息はピッタリだね! ……でも、守りが一方向だけなら楽勝だよ!」
リアンは後方へ軽やかに跳躍して距離を取ると、ニシシと笑って後ろを振り返った。
「よしっ! じゃあウーちゃん、そろそろあなたの出番だよ!」
「――はいっ!!」
緊張を振り払ったウーが、一歩前へ踏み出す。
愛用の杖をしっかりと構え、集中して魔力を練り上げた。
「ハッ、後衛の魔法士か! だが俺の正面障壁を魔法で抜くことなど――」
大盾の男が不敵に笑い、盾を構え直す。
だが、ウーの杖の先端に形成されたのは――普通の『ファイアボール』ではなかった。
「形状変化……『フレイムアロー』……っ!」
ウーの紡ぎ出した火球が、ニョキニョキと鋭い矢の形へと変形する。
「いけぇッ!!」
放たれた炎の矢は、まっすぐ大盾の男へと一直線に向かって飛び――衝突する直前、まるで意志を持っているかのように**ぐにゃりと直角に急カーブ**!
「なっ……曲がったァ!?」
「後ろもガラ空きですよっ!」
大盾を迂回した炎の矢は、背後に隠れていた後衛の魔法士たちの足元でドカンと大爆発を起こした。
「ぐわぁぁぁッ!?」
「きゃあああッ!?」
前衛のガードを完全に無力化された3年生チームの連携が、たった一撃で崩壊した瞬間だった。
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