◆第62話:3年生の壁と、受け継がれる自信
勢いに乗った俺たち『ヴォイド・シフル』は、続く第2試合、第3試合もリアンとウーの連携で危なげなく突破し、あっという間に3連勝を飾った。
そして迎えた予選第4試合。
特設リングの対戦相手として現れたのは、重厚な装備を纏った3年生のベテランパーティだった。
先頭に立つ盾持ちの剣士が、大盾を地面に突き立てて不敵に笑う。
「『剣聖』のリアンだな……! 1年生だからとナメてかかる気はないぞ。お前の風の刃も高速移動も、俺たちの鉄壁のフォーメーションで防ぎ切ってみせる!」
相手はリアンの名声も戦法も熟知した上で、完全にリアン対策の陣形を組んできていた。
「へぇ……ちゃんと私のこと調べて対策してきてるんだ。さすがは3年生だね!」
腕を組んで感心するリアン。だがその表情に焦りは一切ない。
リアンはくるりと振り向くと、ウーの肩をポンと叩いた。
「さぁ、どうしよっか! 相手もしっかり対策してきてるし、これは私一人だけだとちょっと苦戦しちゃうかも。だから……次はウーちゃんのあの魔法を使ってみようよ!」
「えっ……私のですか!?」
突然の指名に目を丸くするウー。
「うん! 本戦に向けての実戦練習だよ!」
「し、試合を練習場にしちゃうなんて……ッ!?」
ウーがタジタジになりながら叫ぶと、リアンはニッと優しく笑って、ウーの目線をじっと見つめた。
「ウーちゃん。あなたは自分が思っている以上にすごいの。特訓で手に入れたあの魔法があれば、あんな大盾のガードなんて関係ないよ。この試合で自分の強さを証明して、しっかり自信にしなさい!」
「リアン先輩……っ」
力強く温かい言葉に、ウーの瞳から不安の色が消え、静かな決意の炎が宿る。
「……はい! 私、やってみます……っ!」
「よしっ! ゼロ、サポート頼んだよ!」
「おう、任せとけ!」
ウーが愛用の杖を強く握り直し、俺たち三人で並んでリングの中央へと歩み出したのだった。
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