◆第60話:開幕の咆哮と、過酷な予選の幕開け
「――これより、『全校パーティ対抗武道会』を開会する!」
大闘技場を揺るがす地響きのような歓声の中、学院長の重厚な声が開会を宣言した。
超満員の観客席を見渡せば、豪華な装飾の貴族席、そして中央の特別観覧席には燦然と輝く王家の紋章旗が掲げられていた。
「すごい熱気……! それにゼロさん、あそこに立っているのって……っ!」
ウーが緊張で声を震わせながら壇上を指差す。
そこには、生徒会長であり第2王子でもある令名高い先輩が、堂々とした佇まいでマイクの前に立っていた。さらに特別観覧席には、息子の姿を見守る国王陛下と王妃様の姿もある。
「皆様! 我が国の未来を担う若き芽よ! 日頃の研鑽の成果を遺憾なく発揮し、正々堂々戦うことを誓いなさい!」
第2王子である生徒会長の凛とした選手宣誓に続き、国王陛下が立ち上がって手を掲げると、観客席からは破れんばかりの拍手が巻き起こった。
「若き英雄たちよ、存分に力を示すがいい! 勝利を目指し、奮闘せよ!」
王の激励の言葉により、大闘技場全体が沸き立つ。
(うわぁ……生徒会長が第2王子で、王族も観戦か。まさにラノベの大型イベントそのまんまだな……!)
俺が一人で感心していると、俺の肩からひょっこり顔を出したネロが「なー(呑気なやつだ)」と呆れたように鳴いた。
直後、会場の巨大な魔導スクリーンに大会ルールが映し出された。
【大会ルール】
・パーティ人数:最大4名まで(※正規登録生徒のみ。ペット・魔物の戦闘参加は不可)
・勝敗条件:相手パーティ全員の戦闘不能、ギブアップ、または審判による判定
・安全基準:学院特製の【結界魔法具】により、致死ダメージは自動無効化(死亡事故なし)
・予選構造:全5会場にて並行実施。**5連勝**したパーティのみが本戦(ベスト8)進出
「ペット参加不可……やっぱりネロは試合には出られないか。まあ応援席でおとなしく見ててもらうか」
「うん! 魔法具の安全装置もあるし、私たちは三人で思い切って全開で戦おう!」
リアンが不敵にニシシと笑い、ウーもキュッと胸の前で拳を握りしめた。
「予選会場は5箇所……まずはあの5回連続勝ち抜きを突破して、本戦でエリザベート先輩の待つ舞台まで行かなくっちゃね!」
「ああ、気合入れていくぞ! 予選第1会場、行くか!」
「「おーーーーっ!!」」
歓声が鳴り響く中、肩の上のネロに「任せたぞ」と見送られながら、俺たち『ヴォイド・シフル』は最初の戦場へと一歩を踏み出したのだった。
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