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スキル《おやくそく》!?なんじゃそりゃ、でもなぜか主人公補正が止まらない件  作者: にらいかない


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◆第57話:リアンの新必殺技開発

「う~……ウーちゃんの新魔法、すっごくかっこよかったなぁ……!」


ウーの特訓成果を思い返しながら、リアンがうっとりと呟く。

と、急にくるりとこちらに向き直ると、上目遣いで俺の制服の袖をキュッと引っ張ってきた。


「ねえねえ、ゼロ~! 私も武道会に向けた新しい切り札が欲しいなぁ……! ウーちゃんに素敵なヒントを出したみたいに、私にもアイデア出してよーーーっ!」


「お、おい、引っ張るなって……っ」


そのまま体重を預けるようにして身をすり寄せてくるリアン。

至近距離から漂う甘いシャンプーの香りと、腕に伝わる柔らかな感触に一瞬理性が崩壊しかける。


(あ、あぶねぇ……! これが噂に聞く『主人公を誘惑するヒロインの密着イベント』か……!)


俺が鼻の下を伸ばしかけたその時、頭の上のネロが「なー(デレデレするなバカ)」と呆れたように俺の額をペシペシと前足で叩いてくれた。おかげで間一髪で正気に戻る。


「コホン……! まあまあ落ち着けって。リアンは『剣聖』のユニークスキルを持ってるし、武道会では相手からも一番警戒されてマークされるのは間違いないからな。だから一対多をさばける技とか、相手のガードを強引にこじあける切り札が欲しいところだよな」


「うんうん! さすがゼロ、分かってる~! それでそれで!? どんなのがいいと思う!?」


パッと表情を輝かせ、さらに身を乗り出してくるリアン。

俺は顎に手を当て、前世で読み漁ったライトノベルや王道バトル漫画の知識(=お約束)をフル回転させた。


「例えば……お前が得意にしてる『風裂斬』の乱れ打ちとかさ。それをさらに広範囲に飛ばして、全方位の敵を一気に巻き込むマップ兵器みたいな技とか」


「広範囲の乱れ打ち……! 周囲の敵を一気に薙ぎ払う感じだね!」


「あとは……残像を残して分身したように見せかける高速移動。一瞬だけ相手の視界から消える『瞬身』の技術だな。それか、シンプルに『身体強化魔法』を重ねがけして、基礎スペックを一時的に跳ね上げるとか……」


俺がぽんぽんと前世のバトルモノのお約束を並べ立てると、リアンはポンと手を叩き、目をキラキラと輝かせた。


「それだーーーっ! 広範囲の『風裂斬の乱れ打ち』と、『残像の高速移動』と『身体強化』の組み合わせ……! 自分の残像と一緒に全方位から風の刃を叩き込むの、めちゃくちゃかっこよくない!?」


「えッ!? あ、それ全部組み合わせちゃうの……!?」


盛り盛りすぎる大技に俺が引きつった声をあげると、リアンはニシシと自信満々に胸を張った。


「当たり前じゃん! ロマンは全部乗せだよ! 名付けて……『剣聖流・千風残影斬(仮)』! よーし、イメージはバッチリ掴めたよ! 早速試してみるね!」


ノリノリで木剣を両手で構え、すーっと深く息を吐き出して集中し始めるリアン。


(おいおいおい……俺が適当に並べたお約束の要素を全部足し算しちゃったぞ……!?)


俺とウーが息をのんで見守る中、リアンの全身から爆発的な風の魔力と鋭い剣気が溢れ出し、演習場の空気がピンと張り詰めるのだった。


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いつもご愛読いただき、本当にありがとうございます!毎日朝と夜の2回更新を続けていこうと思います。

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