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スキル《おやくそく》!?なんじゃそりゃ、でもなぜか主人公補正が止まらない件  作者: にらいかない


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◆第56話:ウーの特訓と、新魔法の兆し

「――ふぅ……ふぅ……っ!」


演習場に、ウーの荒い息遣いが響く。


「よしっ、ウーちゃんいい感じ! でも、やっぱりまだ発動までにほんの少し『間』ができちゃうね」


リアンが木剣を構え直しながら声をかけた。

ウーは息を整えながら、申し訳なさそうに眉をひそめる。


「はい……『並列思考』で次の魔法を頭の中で準備しながら撃とうとしているんですが……どうしても詠唱のスキを完全に消しきれなくて。連射しようとすると、どうしてもワンテンポ遅れてしまいます……っ」


「やっぱり無詠唱での連射は、今の段階だとまだ間に合わないかー! 武道会までに完成させられたら最高の切り札になったんだけどなぁ」


リアンが惜しそうに唸る。


(ふむふむ……『連射のスキ』か。これ、いかにも本番のギリギリのピンチで完成するフラグ(伏線)っぽいな……!)


俺が頭の上でネロを撫でながら密かにニヤリとしていると、ウーがキュッと口を結んで自分の杖を見つめた。


「でも、連射がダメなら……『魔法操作』を使ったこっちの練習を試させてください!」


そう言うと、ウーは集中して魔力を練り上げた。

杖の先端に生み出されたのは、ごく普通の小さな火球(ファイアボール)――だが。


「……えっ!?」


リアンが目を見張る。

ウーが杖をひと振りすると、丸かったはずの火球が『ニョキッ』と形を変え、しなやかな『矢』のような鋭い形状へと変化したのだ!


「いけっ……!」


ウーの掛け声とともに放たれた炎の矢は、まっすぐ前に立つ標的用の木偶(でく)人形へ――一直線に向かうと見せかけて、直前で**グニャリと急カーブ**!

木偶の正面に立てられた頑丈な盾を大きく迂回し、背後からドカンと見事に命中した。


「すごーーーいッ! なに今の!? 曲がったよ!? しかも形まで変わってた!!」


リアンが大興奮で飛び跳ねる。


「えへへ……っ。『魔法操作』で魔力の形を変形させて、さらに軌道をコントロールするオリジナルの誘導魔法です! これなら、相手のガードをすり抜けて当てられます!」


「ウーちゃん天才! これなら相手の予想を完全に裏切れるよ!」


「ふふ、ゼロさんのおかげですっ。ゼロさんが前に『曲がる魔法があったら面白いのに』って言っていたのをヒントにしてみたんです!」


「俺の適当なつぶやきを本当に形にしちゃうんだからすごいよ……」


感心する俺の頭の上で、ネロも「なー(なかなかやるじゃないか)」と満足そうに喉を鳴らす。


「よし! ウーちゃんの新魔法の手応えはバッチリ! ……となると、最後は『ヴォイド・シフル』の決め手になる、私とゼロのコンビネーション特訓だね!」


リアンがいたずらっぽい笑みを浮かべながら、こちらに木剣を向けてきた。


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