◆第54話:高慢な捨て台詞と、武道会の予告
「きゃーっ! やめ、離れなさいな! 私のドリルが崩れてしまいますわーーーっ!」
自分の頭の上でくつろぐネロを降ろそうと、その場で手忙足乱にくるくると回転し続けるエリザベート先輩。
ネロはといえば、髪の毛の心地よい揺れ(?)を毛繕いでもしながら楽しむかのように、フワリと跳躍して俺の肩へと軽やかに戻ってきた。
「ふぅ……間一髪だったな、ネロ」
「なー(ふぁぁ)」
肩の上で満足そうに欠汗を噛み殺すネロ。
一方、髪型をぐしゃぐしゃに崩されたエリザベート先輩は、真っ赤な顔をして全身をプルプルと震わせていた。
「よ、よくも……よくも私にこんな大恥をかかせてくれましたわねーーーっ!!」
キーキーと地声を張り上げるエリザベート先輩。
そこへ、ようやく立ち上がった取り巻きの二人が慌てて駆け寄り、先輩の耳元で何やらコソコソと囁きかけた。
「……え? ……あら? あーッ! そうですわ、忘れていましたわ!」
取り巻きの進言を聞いた瞬間、エリザベート先輩の表情が一変。扇子をパチンと勢いよく開き、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「おほほほほ! そうでしたわ! もうすぐ我が学院恒例の大イベント――『全校パーティ対抗武道会』が開催されるのでしたわね!」
「武道会……!?」
リアンが眉をひそめる。
「ええ、そうですわ! 学年やランク関係なしのパーティ同士の実戦形式のトーナメント! そして……我が『ハルトマン公爵家パーティ』は昨年度のベスト4! 予選を勝ち上がってきた相手を自由に1パーティ指名して戦う権利がありますの!」
エリザベート先輩はビシッと指を突きつけてきた。
「ふん、Fランクの貧相なパーティが予選を勝ち上がれるとは到底思えませんけれど……もし本選まで残れたら、真っ直ぐ貴方たちを指名して潰してさし上げますわ! 恐怖に震えながら予選で落ちるのを祈ることね! おほほほほ……!」
高らかな高笑いを残し、崩れたツインテールを揺らしながら嵐のように去っていくエリザベート先輩と取り巻きたち。
「……なんか、勝手に盛り上がって去っていったな」
俺が呆れ顔で呟くと、リアンが拳をギュッと握りしめて燃え上がっていた。
「ゼロ! ウーちゃん! こうなったら絶対予選勝ち上がって、あの高飛車ドリル先輩をギャフンと言わせてやろうよ!」
「は、はいっ! 私、絶対負けたくないですっ!」
「なーっ!」
ウーとネロも気合い十分。こうして、俺たち『ヴォイド・シフル』の次なる目標は「学院武道会」に決定したのだった。
【作者からのお願い】
いつもご愛読いただき、本当にありがとうございます!毎日朝と夜の2回更新を続けていこうと思います。
もし「この先も気になる」「毎日の更新を応援してやるか」と思ってくださったら、画面の一番下にある【☆☆☆☆☆】をタップして星を入れていただけたり、ブックマークを登録していただけると、執筆のモチベーションがめちゃくちゃ上がります!
評価は1項目(面白さ・設定)につき星1〜5個で、いつでも気軽に変更できます。「とりあえず星3つ」でも、作者にとっては飛び上がるほど嬉しいです。これからもよろしくお願いします!




